Osaka MetroとPKSHA、高精度AI見守りシステムで駅の安全性向上。白杖・車いす利用者を90%以上の精度で検知
最終更新日:2024年09月06日
大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)と株式会社PKSHA Technologyは、2024年9月25日から、白杖や車いすを高精度で検知する「AI見守りシステム」をOsaka Metroの改札口に順次導入すると発表した。
両社が共同開発したこのシステムは、既存の防犯カメラ映像を活用し、90%以上の高い検知精度で白杖または車いす利用者を識別し、駅係員に通知する。2024年度末までに56駅への導入を進め、あらゆる利用者の安全性と快適性の向上を目指す。
<本ニュースの10秒要約>
- Osaka MetroとPKSHA、白杖・車いす利用者を高精度で検知するAI見守りシステムを共同開発
- 2024年9月25日から56駅の改札口に順次導入、90%以上の検知精度を実現し早期サポートに貢献
- 既存の防犯カメラ映像を活用し、個人情報保護に配慮しつつ駅の安全性と利用者の快適性を向上
AI見守りシステムの概要と導入計画
Osaka MetroとPKSHA Technologyが共同開発したAI見守りシステムは、既存の防犯カメラ映像から画像認識技術を用いて白杖または車いすを利用する乗客を検知し、駅係員に通知するシステムだ。2021年11月から実証実験を重ね、90%以上という高い検知精度を確認したことで本格導入に至った。
システムは2024年9月25日から順次導入され、2024年度末までにOsaka Metroの56駅に設置される予定だ。このシステムにより、駅係員は白杖や車いすを利用する乗客に早期に気づき、必要なサポートや見守りを提供することが可能となる。Osaka Metroは本システムの導入を通じて、あらゆる乗客がより便利で快適に駅を利用できるよう、さらなる顧客サービスの向上に取り組んでいく方針を示している。
システムの仕組みと駅係員との連携
AI見守りシステムの仕組みは以下の通りだ。白杖または車いすを利用する乗客が改札を通過する際、防犯カメラの映像を用いた画像認識技術により、システムが乗客を検知対象として判断する。検知された場合、駅長室に設置されたモニタに検知結果が表示され、通知音で駅係員に知らせる。これにより、改札口に駅係員が不在の場合でも、早期に乗客に気づき、適切なサポートを提供することが可能となる。
このシステムは、駅係員の業務を支援し、より迅速かつ効果的な乗客サポートを実現することを目的としている。駅係員との連携を強化することで、駅全体の安全性と乗客サービスの質の向上が期待される。
個人情報保護への配慮と利用規定
AI見守りシステムの運用にあたり、Osaka Metroは個人情報の取り扱いに関する明確な規定を設けている。システムは改札口付近に設置された既存の防犯カメラの画像を活用するが、顔認証や乗客の行動追跡は一切行わない。防犯カメラの画像は、駅構内における犯罪や迷惑行為の抑止、事故の原因究明や予防、そして白杖・車いすの検知という限定的な目的にのみ使用される。
また、これらの画像は第三者に提供されることはなく(法令に基づく場合を除く)、Osaka Metroのプライバシーポリシーに基づいて厳格に管理される。このような明確な利用規定を設けることで、乗客のプライバシーを保護しつつ、安全性と利便性の向上を両立させる取り組みとなっている。
AI Market の見解
Osaka MetroとPKSHA Technologyによる「AI見守りシステム」の導入は、公共交通機関におけるAI活用の先進的な事例として注目に値する。技術的には、90%以上の高い検知精度を実現したことが特筆すべき点だ。これは、ディープラーニング技術の進歩と、実証実験を通じた継続的な改善の成果と言える。
また、既存のインフラ(防犯カメラ)を活用することでコスト効率の高いソリューションを実現している点が評価できる。駅係員との連携を重視していることから、AIと人間の協働による顧客サービス向上のモデルケースとなる可能性がある。
市場への影響としては、他の公共交通機関や商業施設など、多くの人が利用する場所での類似システムの導入が加速する可能性が高い。さらに、個人情報保護に配慮しつつAIを活用するという姿勢は、今後のAI実装における一つの基準となるだろう。
参照元:PR TIMES
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