パルコ、画像生成AIだけで全ビジュアルを制作したファッション広告「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」公開

株式会社パルコは、2023年10月30日、画像生成AIを駆使したファッション広告「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」を制作・公開したと発表した。

この広告は、実際のモデル撮影なしで人物から背景に至るまでプロンプトから構成され、グラフィック／ムービー／ナレーション／音楽も全て生成AI（ジェネレーティブAI）で作成されたというもの。クリエイティブディレクターは、STUDIO DOG代表・木之村美穂氏が担当。デジタルクリエイターには、「Ai-Editorial」のChristian Guernelli氏を日本企業としては初めて起用している。

＜本ニュースの10秒要約＞

• 前例のない新技術をいち早く取り入れるパルコ、挑戦的な制作企画として生成AIを活用
• 実在するモデルの起用や撮影は行わず、人物から背景に至るまで全て生成AI技術で制作
• 連動ムービーも生成AIで制作。AIを使った新しい表現のファッション広告として訴求

新技術の導入を、企業としての存在価値と考えるパルコ

パルコは、1969年に「池袋PARCO」をオープンして以来、店舗という社会との接点を通じてファッションを中心に音楽／アート／演劇など先端のカルチャーを積極的に紹介してきた。これら先端カルチャーによって消費文化に彩を添えると共に、パルコそのものを新しい才能を持つ多くの人々が集う創造の場にすることで、次の文化の創造にも貢献している。

同社は、新しい才能を見出して起用するのと同じく、前例のない新しい技術をいち早く取り入れることもまた企業としての存在価値（パーパス）であると考える。このスタンスにおいて同社は、近年の生成AIの急激な進化に注目した。中でも、画像生成AIの技術が加速度的に進化をしていることに着目。この画像生成AIを用いる挑戦的な制作企画として、今回の「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」制作・公開に至った。

全て生成AI技術を使ってプロンプトから制作

「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」では、実在するモデルの起用や撮影は行わず、全て生成AI技術を使ってプロンプトから制作が行われた。

制作に際しては、一目で「生成AIで作成した」とわかるような現実離れしたグラフィックではなく、実際に撮影したかのようなリアリティを追究。「これが全て生成AI技術で制作したのか」と観る者に驚きを与えるようなクオリティと、アート性・ファッション性の実現が目指された。結果として完成したビジュアルは、シャンパンピンクとグリーンの幻想的な世界の中に、実在しないAIモデルが佇むものとなっている。

同広告グラフィックでは、いくつかの生成AIの技術をミックスする形で連動ムービーも制作された。このムービーでは、ビジュアルのみならず音声も全て生成AIで制作。女性ナレーションは、同社社員の声を含む複数の女性から声のサンプリングをした上で、AI技術を用いて話声が制作された。音楽も、全て生成AIで作成されている。

クリエイティブディレクターを担った木之村美穂氏

「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」にてクリエイティブディレクターを担った木之村美穂氏は、STUDIO DOG代表としてグローバル企業のファッション・化粧品広告制作にてプロデューサー・ディレクターを多く務める人物だ。2021年にはWEB3／AI／ファッションテクノロジーを専門に扱う新会社を米ロサンゼルスにて立ち上げ、現在も同地より最新テクノロジーを使ったビジュアル制作を発信している。

「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」のデジタルクリエイターであるChristian Guernelli氏は、イタリアから米ロサンゼルスに移住し、ファッション領域にて独特のカラー構成と最新テクノロジーをミックスしたビジュアルを展開している人物だ。超現実的なAI画像や3DCGを生み出すことに情熱を注いでおり、「Times」「Newsweek」「Forbes」などでそのデジタルデザインとアートワークが特集された経歴も持つ。

パルコは今後、モード感のあるAIを使った新しい表現のファッション広告として「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」を訴求し、ホリデーシーズンを盛り上げるとしている。

参照元：PRTIMES

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