Proxima Technology、最適制御AI「Smart MPC」の新機能開発などに向けてDRONE FUNDから5000万円を調達
最終更新日:2024年01月29日
株式会社Proxima Technologyは、2024年1月24日、DRONE FUND株式会社からJ-KISS型新株予約権の発行により5000万円を調達したと発表した。
Proxima Technologyは、数理的なアルゴリズムの社会実装を目指して最適制御AI「Smart MPC」の提供などを手がける企業だ。今回の調達はシリーズAエクステンションラウンドとして実施し、獲得した資金については「Smart MPC」の新機能開発などに充当する。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 数理的なアルゴリズムの社会実装を目指して最適制御AIなどを展開するProxima Technology
- モデル予測制御と機械学習を組み合わせ、多くの企業で適用も進む最適制御AI「Smart MPC」
- 従来の制御技術では成し得なかった動作の実現に期待、新機能開発に向けて開発体制強化へ
「アルゴリズムで世界を変える」というビジョンを掲げるProxima Technology
Proxima Technologyは、「アルゴリズムで世界を変える」というビジョンを掲げ、より多くの人々が数学による恩恵を受けられる社会の実現を目指している。このビジョンの実現に向けて同社は、機械学習/最適化/制御/3次元データ解析といった多様な分野で数理的なアルゴリズムの社会実装を推進。事業としては、データ解析ソリューションの提供やAIプロダクトの開発を展開している。
AIプロダクトとして同社は、点群データおよび3DCADを含めたBIM/CIM向けアプリケーション向けの「SIXAM」を開発/提供。この「SIXAM」では、ディープラーニングを用いた点群AIや、点群からの3次元モデル・テクスチャ生成、AIによる診断/可視化/予測/分析などを可能にした。点群AI分野において同社は世界的な評価も獲得しており、コンピュータビジョンの学会「ICCV 2021」では世界4位の成績を達成している。
モデル予測制御を比較的簡単に運用可能な「Smart MPC」
「SIXAM」と並ぶProxima Technologyの代表的なAIプロダクトが、「Smart MPC」だ。この「Smart MPC」は、
モデル予測制御の長所を引き継ぎつつ、その欠点であるモデリングの難しさを機械学習によるデータドリブンな方法で解決した、同社独自の制御AI。データを取得する環境さえ用意できれば、これまで高い導入コストが必要だったモデル予測制御を、比較的簡単に運用することができる。
「Smart MPC」は、少数データでも適格な学習が可能であり、安定した学習結果の出力も可能だ。計算量が小さくすることで、MIMO(多入力多出力)系や拘束条件の取り扱い、また最適化も実現。遅延などの無駄時間にも強く、未来予測に基づく適切制御を続けることもできる。
これらの利点が評価され、「Smart MPC」は多くの企業で既に導入/適用が推進。川崎重工業株式会社は、 双腕台車付きロボット「Nyokkey」やヒューマノイドロボット「Kaleido」などの制御に「Smart MPC」を適用している。
Proxima Technologyに期待しているDRONE FUND
今回Proxima Technologyが実施した資金調達において引受先となったDRONE FUNDは、ドローン/エアモビリティ関連のスタートアップへの投資に特化したベンチャーキャピタルだ。「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指し、陸海空の自律型ロボットを社会実装すべく国内外で合計70社以上のポートフォリオを形成している。
DRONE FUNDは、Proxima TechnologyがAIによるモデル予測制御の民主化を進めていると考え、そのポテンシャルは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に大きく貢献する可能性があると判断。特に、従来の制御技術では成し得なかった動作の実現に期待を持ち、今回の投資を決定するに至った。
「Smart MPC」の適用先拡大に向けた取り組みも推進
今回の資金調達により、Proxima Technologyのラウンド調達総額は1.4億円に達した。資金の使途として同社は、「Smart MPC」の新機能開発に向けた開発体制の強化などを挙げる。また、ドローン/ロボティクス/モビリティなど、「Smart MPC」の適用先拡大に向けた取り組みも進めるという。
同社は今後も、様々な業界の持つ制御の課題解決を加速するとしている。
参照元:PRTIMES
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