ChatGPT社内知識機能(Company knowledge)とは?RAGを構築してできること、特徴、使えるプラン、使い方、注意点まで徹底解説!
最終更新日:2025年11月25日

- ChatGPTの社内知識機能は、複数の社内アプリを接続し、ドキュメント・メッセージ・メール・チケット・プロジェクト情報を一元的に参照できる
- 社内の状況を踏まえた回答と明示された引用元により、意思決定やタスク処理のスピード向上と情報の透明性・信頼性の確保に貢献
- ChatGPT Business/Enterprise/Eduで利用可能で、GPT-5ベースの横断検索モデルを用いて複数の情報源を統合した総合的な回答を生成する。
ChatGPTの社内知識(Company knowledge)機能は、複数の社内アプリを接続し、分散したナレッジ=情報をまとめて参照できるようにする機能です。
社内のドキュメント、メッセージ、メール、チケット、プロジェクト情報などが一元的に扱えるため、必要な情報を探し回る時間を大幅に削減できます。
社内の状況を踏まえた回答を得られるため、日々の意思決定やタスク処理のスピードが向上し、業務の効率化に大きく貢献します。また、引用元が明示されるため、情報の透明性と信頼性を担保しながら利用できる点も強みです。
本記事では、ChatGPTの社内知識(Company knowledge)機能の特徴、できること、料金プラン、使い方、注意点まで徹底解説します。
目次
ChatGPTの社内知識機能とは?
ChatGPTの社内知識機能とは、社内のさまざまなツールに保管されたドキュメント、メッセージ、メール、チケット、プロジェクト情報などを横断的に検索し、社内の状況を踏まえた回答を生成する仕組みです。複数の情報源を手作業で探す必要がなくなり、業務判断のスピードを高めます。
従来のChatGPT連携ソリューション(例:GPTs)は、特定のドキュメントをアップロードする形式が主流でした。しかし、Company Knowledgeは、複数のビジネスツールにまたがる社内データを横断的・統合的に参照して簡単にRAG(検索拡張生成)を実現できる点にあります。
業務アプリとの連携機能(Connectors)を使ってSlack、SharePoint、Google ドライブ、Gmail、GitHub などと接続することで、関連情報をまとめて分析し、引用元を明示したうえで総合的な回答を返します。参照したデータの抜粋や元情報へのリンクも表示されるため、内容をその場ですぐに確認できます。
ChatGPT Business、Enterprise、Eduで利用可能で、ユーザーがもともと閲覧権限を持つ情報だけを使います。そのため、企業の権限管理ポリシーを尊重しながら安全に社内知識機能を活用できます。
社内知識機能では、複数の情報源を横断検索し総合的に回答するよう学習したGPT-5バージョンが利用されています。
ChatGPT社内知識機能を使えるプラン

ChatGPTの社内知識機能は、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu(学生用)で利用できます。
利用可能なプランは変更される可能性があるため、最新情報はChatGPT公式サイトをご確認ください。
ChatGPTの社内知識機能の特徴
ChatGPTの社内知識機能は社内に点在する情報をまとめて検索し、必要な回答をすぐに得られるようにする仕組みです。以下に、その主な特徴を紹介します。
複数アプリを横断した統合検索

Slack、SharePoint、Google ドライブ、Gmail、GitHub、Intercom など、接続したアプリを横断的に検索し、複数の情報源を組み合わせた統合的な回答を生成します。

回答には引用元が明確に表示され、元データをその場で直接参照できます。
どの情報がどこから取得されたのかを即座に確認できるため、議論の裏付けや数字の検証もスムーズに行えます。会議準備や意思決定に必要な資料収集の手間が減り、合意形成までの時間を大幅に短縮できます。
曖昧な質問にも対応する分析エンジン
情報が整理されていない場合でも、ChatGPTは複数の検索を自動で実行し、対立する内容を比較しながら最適な回答を生成します。
「企業目標はどこに着地した?」といった曖昧な質問にも、議論内容や関連データを整理して示します。
最新情報・時系列情報の把握に強い処理設計
取得した情報は「新しさ」と「品質」に基づいてランク付けされ、最新で信頼性の高い内容を優先的に活用します。
SlackやGoogleドキュメント、スプレッドシートなどから取得した情報を自動で時系列に整理し、必要に応じて特定時点のデータも抽出できます。
権限に基づく安全なデータアクセス
社内知識機能は、ユーザーが本来閲覧できる範囲だけを参照する仕組みで動作します。企業アカウントの権限設定がそのまま反映されるため、不要なデータにアクセスされる心配がありません。
さらに、OpenAIはデフォルトで企業データを学習に使用しない設計を採用しており、安全性に配慮した運用が可能です。
管理者による細かな制御
Enterprise と Edu の管理者は、接続アプリごとのアクセス権限を細かく設定でき、カスタムロールやグループ単位の制御にも対応します。
また、Enterprise Compliance APIによって会話ログを参照でき、監査や法令遵守に必要な管理体制を整えることができます。
参考:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-company-knowledge/
ChatGPTの社内知識機能でできること
ChatGPTの社内知識機能は、社内データを横断的に読み解き、調査・企画・分析業務を効率化します。以下に、実際にどのような場面で活用できるのかを紹介します。
インサイトの統合と戦略作成支援

ChatGPTは、Slackの顧客フィードバック、Google スライドのアンケート、Intercomのサポートチケットなど、複数のアプリに分散する情報を自動的に統合し、戦略文書やロードマップに必要な内容を整理します。
たとえば「10月のキャンペーン結果を分析し、経営陣向けレポートを作成して」と依頼すると、Google ドキュメント(概要資料)、Google スライド(製品指標)、HubSpot(キャンペーンデータ)などを参照し、成果・課題・新規リード増加率といった要点をまとめて提示します。
最新情報を活用したレポート自動生成

HubSpotの商談データ、Google ドキュメントの振り返りメモ、メールで共有された重要ポイントなどレポート作成に必要な最新情報をまとめて取得し、パフォーマンスサマリーを自動生成します。
ツール間を行き来しながら手動で情報を集める必要はありません。
プロジェクト状況の把握と計画立案

GitHubの未処理TODO、Linearのチケット、Slackの開発チャンネルに投稿された未解決バグなどを統合し、次回リリースに向けた計画案を作成できます。
ChatGPTは、未対応項目・進行中項目・追加が必要な項目を整理し、プロジェクト全体の状況がひと目でわかる状態で提示します。
さらに「経費精算を申請するには?」のような単純な質問にも即時回答します。詳細な状況説明を行わなくても、接続された社内データをもとに文脈を理解して適切な計画書案を生成できます。
ChatGPTの社内知識機能の使い方
社内知識機能を使い始めるには、メッセージ入力欄の下にある「社内知識」をクリックし、Slack、Google ドライブ、Gmail、GitHub、SharePoint などの業務アプリを接続します。
初回接続後は、機能がオンになっている間、ChatGPTがこれらのアプリを自動的に横断検索し、RAG(検索拡張生成)の技術を用いて関連情報を統合して回答を生成します。
検索中は画面右側のサイドバーに参照している情報源が表示され、どの文書やメッセージをもとに回答しているのかを確認できます。引用リンクをクリックすれば、元のドキュメントをすぐに開いて詳細を確認することも可能です。
ChatGPTの社内知識機能を使う上での注意点
ChatGPTの社内知識機能を利用する際には、機能上の制限や安全性に関するいくつかのポイントを理解しておく必要があります。特に、利用可能な機能の制約と、企業データの扱いに関する仕様は重要です。
まず、社内知識機能をオンにしている間は、ウェブ検索やグラフ生成、画像生成といった他の機能が利用できません。
これらを使用したい場合は、社内知識機能をオフに切り替える必要があります。また、現時点では新しい会話を開始するたびに、この機能を手動でオンにする必要があります。
社内データの安全性については、既存のアクセス権限をそのまま尊重して動作し、ChatGPTはユーザーが本来閲覧できる情報にのみアクセスします。
ChatGPTの社内知識機能(Company knowledge)に関するよくある質問まとめ
- ChatGPTの社内知識機能はどのプランで利用できますか?
ChatGPTの社内知識機能(Company knowledge)は、ChatGPT Business・ChatGPT Enterprise・ChatGPT Eduで利用できます。
- 機能のオン・オフや接続設定はどのように行いますか?
メッセージ入力欄の下にある「社内知識」(Company knowledge)ボタンをクリックすると機能を起動できます。
初回使用時にSlackやGoogle ドライブなどの業務アプリを接続し、その後は機能をオンにするだけで横断検索が有効になります。新しい会話を始める際は、都度この機能を手動でオンにする必要があります。
まとめ
ChatGPTの社内知識機能は、複数の社内アプリから情報を統合し、組織の実際の状況に基づいた回答を返す機能です。
引用元が明示されるため信頼性が高く、レポート作成から戦略立案、プロジェクト計画まで幅広い業務を支援します。安全性と権限管理にも配慮されており、Enterpriseレベルの利用にも適した仕組みとなっています。

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