n8nとは?AIエージェント開発プラットフォームとしての特徴、性能、料金プラン、利用方法、 活用事例、Difyとの違いまで徹底解説!
最終更新日:2025年09月29日

- n8nはコードとノーコードを融合したワークフロー自動化基盤で、AIエージェントや500以上のアプリ連携を単一の画面で高速に構築可能
- セルフホスト/クラウドに両対応し、DockerやKubernetesでの運用、RBACやSSOなどの権限管理機能でセキュアに拡張できる
- 無料のセルフホストと実行回数ベースの有料クラウドプランを提供し、スモールスタートから大規模展開まで段階的に導入可能
n8nは、AIエージェント開発プラットフォームです。コードとGUIの両方を組み合わせ、ノーコードやローコードでAIエージェントや複数アプリとの連携を高速かつ柔軟に実現できます。
オンプレミス導入やクラウドホスティングを選択できる点も強みで、ビジネスプロセスの自動化に幅広く活用されています。
本記事では、n8nの特徴、料金プラン、利用方法、 活用事例、Difyとの違いまでを徹底的に解説します。 AIエージェントに強い会社の選定・紹介を行います 今年度AI相談急増中!紹介実績1,000件超え! ・ご相談からご紹介まで完全無料 完全無料・最短1日でご紹介 AIエージェントに強い会社選定を依頼
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n8nとは?
n8nは、ドイツのn8n GmbHによって開発されたオープンソースを基盤とするワークフロー自動化サービスです。技術者向けに設計されており、ドラッグ&ドロップによる簡単な操作とコードによる高度な制御を併用できます。
ZapierやMake(旧Integromat)といったSaaSツールと同様に、様々なアプリケーションやAPIを連携させ、一連の作業を自動化することができます。
Sustainable Use License(持続利用ライセンス)に基づき、自社環境でセルフホストすることも、クラウドで運用することも可能です。しかし、注意点として内部利用は自由である一方、商用利用や外部提供には制限があります。
n8nがAIエージェント開発で注目される理由
n8nがAIエージェント開発の文脈で特に注目される理由は、AIとの親和性と自由度にあります。
OpenAI (GPT)、Google Gemini、Anthropic Claudeといった主要なLLM(大規模言語モデル)はもちろん、LangChainのようなAIエージェント開発フレームワークとの連携ノードも用意されています。これにより、単なる定型作業の自動化に留まらず、AIによる判断や生成を含む高度なワークフローを構築できるのです。
また、n8nはセルフホスト(自社サーバーで運用)が可能です。ライセンス費用を抑えられるだけでなく、セキュリティポリシーが厳しい企業でも機密情報を外部に出すことなく利用できます。
n8nの料金プラン
n8nには、無料でも利用できるセルフホスト版と有料プランに加入する必要があるクラウド版の二つがあります。セルフホスト版は、自前でサーバーを用意する必要があり、サーバー代が別途かかります。
以下の表は有料版の料金体系です。
プラン名 | 月額料金(年間契約) | 実行回数上限 | 主な内容 |
---|---|---|---|
Starter | €20 | 2,500実行 |
|
Pro | €50 | 10,000実行 |
|
Business | €667 | 40,000実行 |
|
Enterprise | 要問合せ | カスタム |
|
n8nはSustainable Use Licenseの下で提供されており、内部利用は自由ですが、商用利用や外部提供には制限があります。
組織内でのデータ保護を目的にセルフホストする場合は問題ありませんが、顧客に対してホスティングや外部アクセスを提供する場合は商用ライセンスが必要です。
詳しくは、公式ドキュメントをご確認ください。
料金は、随時変更の可能性があるため、最新の料金は公式サイトにてご確認ください。
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n8nの6つの特徴
以下では、n8nの重要な特徴、そしてDifyとの違いを解説します。
直感的UIで工数削減
n8nは直感的なビジュアルエディタを備えており、ドラッグ&ドロップでワークフローを構築できます。ネイティブノードやカスタムコードを組み合わせることで、日常的な自動化から高度なAIエージェントの構築まで対応可能です。
これによりアイデアを即座に動く形にし、関係者全員で具体的な挙動を確認しながら議論を進めることが可能になります。この高速なPoCサイクルは、市場の変化に迅速に対応し、競合優位性を築く上で不可欠です。
一方で、JavaScriptでカスタムコードを記述する「Codeノード」も用意されており、複雑なロジックやn8nが標準で対応していないAPIとの連携も可能です。
この「ローコードの手軽さ」と「コードによる無限の拡張性」のハイブリッド性がn8nを際立たせています。
豊富な連携と拡張性
n8nは500以上のアプリやサービスと統合可能で、SlackやTeams、SMS、CRM、データベースなど多様な環境と接続できます。専用ノードがない場合でもHTTPリクエストノードを利用して外部サービスと接続でき、cURLリクエストを直接取り込むことも可能です。
多くのSaaS型の自動化ツールでは、連携できるアプリや機能がプラットフォーム側に依存します。しかしn8nはオープンソースであるため、自社独自の基幹システムやニッチな業界特化型ツールとも(APIさえあれば)自由に連携できます。
さらに、JavaScriptやPythonでカスタム処理を加えたり、npmライブラリを導入したりすることで必要に応じて柔軟に拡張できます。
安全性
n8nはセキュリティと拡張性を両立したデプロイ環境を提供します。オンプレミス環境ではDockerやKubernetesを利用して短時間で導入でき、完全にエアギャップされた環境での運用も可能です。
データの安全性についてのレポートであるSOC 2監査をクリアしており、定期的な外部ペンテストで安全性を証明しています。
さらに、役割ベースのアクセス制御(RBAC)やプロジェクト単位の権限管理により、チームメンバーごとに必要な範囲のみにアクセスを制限できます。
データの所有権
最も重要なメリットの一つがデータの所有権です。顧客情報や財務データといった機密性の高い情報を扱うワークフローを、外部のサーバーを経由させることなく、完全にクローズドな自社環境(オンプレミスやプライベートクラウド)で実行できます。
これは、セキュリティとコンプライアンスを重視する企業にとって決定的な利点となります。
低コスト
セルフホストであればn8n自体のライセンス費用は無料です。ランニングコストとして、サーバーの運用コストはかかります。
しかし、実行タスク数に応じた従量課金モデルのSaaSツールと比較して、大規模なワークフローを頻繁に実行する場合にトータルコストを大幅に抑制できる可能性があります。
Difyとの違い
n8nと似たサービスとしてDifyが挙げられます。n8nとDifyの違いについて表でまとめました。
項目 | n8n | dify |
---|---|---|
主な位置づけ | 技術チーム向けのワークフロー自動化プラットフォーム。コードとノーコードを併用でき、業務プロセス全体の自動化に強い。 | エージェント指向のAIアプリ開発プラットフォーム。RAG・エージェント・ワークフローでLLMアプリを構築・運用。 |
連携・拡張 | 500以上のプリビルト統合。未対応サービスはHTTPリクエストやコードノード(JS/Python)で拡張。 | OSSプラグイン/コネクタで多様なモデル・ツールと統合。公式/コミュニティの拡張が可能。 |
ライセンス | フェアコード(Sustainable Use License)、商用利用の際には別途ライセンスを取得する必要がある。 | Apache 2.0ベースに追加条件を加えた「Dify Open Source License」、商用利用可能。 |
会社名 | n8n GmbH | LangGenius, Inc. |
代表的な強み | 業務自動化の網羅性、豊富な統合、実行単位課金の明確さ、SOC 2準拠の実績。 | AIアプリ開発の一体型基盤(RAG/エージェント/データ管理/UI)、OSSでの拡張性。 |
主な違いは、AIに特化しているのがDifyでより汎用的なワークフロー開発にむいているのがn8nと言えます。
参考:n8n公式ドキュメント
n8nでできること・主な機能
以下は、n8nを利用することでできることやn8nの機能について紹介します。
AIエージェントと自動化ワークフロー
複数ステップを持つAIエージェントを構築し、任意のLLM(大規模言語モデル)を統合できます。LangChainとの組み合わせにより、モジュール型のAIアプリケーションを業務プロセスに自然に組み込むことができます。
また、言語処理だけでなく、画像生成、音声処理、データ分析など様々なAIをワークフローに組み込むことができます。
高度なデバッグ機能
デバッグ機能が強化されており、ワークフロー全体を再実行する必要なく特定のステップだけを再テストできます。データをリプレイすることで外部サービスを待たずに動作確認ができ、開発効率を高めます。
また、ログがコードと並列で表示されるため問題の特定が容易です。エラー発生時にはバックアップワークフローを呼び出したり、通知を任意のチャネルへ送信するカスタムアラートを設定することも可能です。
これにより、運用中の不具合も即座に検知・修正できます。
状況にあわせた柔軟なデプロイ
オンプレミスでのセルフホストやクラウド版の利用に対応しており、AIモデルを含めて自社環境で完全に管理できます。DockerやKubernetesを使った導入が容易です。
ソースコードは常に公開されているため、必要に応じて独自に拡張・改修することも可能です。
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n8nの導入方法とAIエージェント作成方法
以下では、導入から簡単なAIチャットエージェントを作る使い方をステップバイステップで解説します。
1.n8nの導入
導入は比較的簡単で、Node.js環境があれば以下のコマンドを実行することですぐにインストールすることができます。
npm install n8n -g
2.n8nの起動
インストールが終了したら、以下のコマンドで立ち上げることが可能です。
n8n start
「Press “o” to open in Browser.」というメッセージが表示されたら、oキーを押しましょう。ブラウザでhttp://localhost:5678が開かれ、以下のような画面になり操作ができるようになります。
3.新しいワークフローを作成
左上の+または右上の「Create Workflow」から空のワークフローを用意して編集画面を開きます。
4.トリガーノードを追加(Chat Trigger)
画面右手にある+からノードメニューを開き、「Chat Trigger」を検索・追加し、会話の開始点を作ります。
5.AI Agentノードを追加
先ほど設置したChat Triggerの右側の+からAI Agentノードを検索・追加し配置します。
6.チャットモデルを設定
AI Agentノードの「Chat Model」接続から「OpenAI Chat Model」などを選択し接続します。
7.認証情報(APIキー)を追加
上記のような画面になったら「Create new credential」から新たにクレデンシャルを作り、APIキーを登録することでLLMモデルを利用可能にします。APIキーはあらかじめ取得しておいてください。
8.テスト実行
画面下部の「Chat」を開き、メッセージを送って応答とログ(入出力)を確認します。LLMから返事が来ていればうまくできています。
9.プロンプト(システムメッセージ)を変更(任意)
AI Agentノードの「Options」から「System message」を追加・編集し、応答スタイルを調整します。
10.メモリを追加して文脈を保持
AI Agentノードの「Memory」接続から「Simple Memory」を追加し、会話のコンテキストを保存できるようにします。
11.保存
右上の「Save」でワークフローを保存します。
以上の手順により、コンテキストを維持しながらやり取りができるAIエージェントを構築することができました。
実際に作成して出力した結果
完成形は上記の画像のようになります。
「AI Marketとは?」という質問をしたところ、「「AI Market(エーアイマーケット)」とは、一般的には人工知能(AI)関連の製品やサービス、技術が取引・提供される市場やプラットフォームの~」という一般的な回答になってしまいました。
そこで、AI Marketについての説明をし、何度かやり取りをした後にAI Marketのユーザーについて尋ねた結果、以下のような出力になりました。
メモリを追加したことによって、過去の会話内容を保存してくれていることがわかります。
より詳しい解説や、次のステップに進みたい場合は公式のドキュメントをご参照ください。
n8nの活用例
セールス・マーケティング自動化
These 8 n8n workflow automations handle sales, support, content, and follow-ups…
They have made my clients over $600K while slashing their team workload & replacing $10K+ worth of expensive software.
I probably shouldn’t share them for free.
But here we are – every workflow… pic.twitter.com/BjTvqeR0Bf
— Tom (@tomcrawshaw01) June 15, 2025
MEO(マップ検索エンジン最適化)自動化
n8nでMEO自動化
〜画像・動画投稿編〜タイマートリガー→各クライアントのGoogleドライブから作成日の古いファイルを取得→投稿→実行結果をSlackへ通知
通知が店舗名:undefinedになるけど、
まぁここはそこまで重要じゃ無い。笑次はインスタとGBP投稿の連携に着手。
未対応… pic.twitter.com/C2XQRG7W25
— ぐっさん|営業なしで案件獲得をサポート (@Gussan_1056) September 24, 2025
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n8nについてよくある質問まとめ
- n8nとは?
技術者向けのワークフロー自動化プラットフォームです。
ドラッグ&ドロップの直感的UIとコード(JavaScript/Python)を併用でき、業務プロセス全体の自動化に適しています。
- 商用利用や外部提供は可能ですか?
Sustainable Use License(SUL)の下で提供され、組織内での利用は自由です。
一方、顧客向けにホスティングしたり外部アクセスを提供する用途には商用ライセンスが必要です。
まとめ
n8nは、ノーコードやローコードで開発することが可能なワークフロー自動化基盤です。Sustainable Use Licenseのもとでソースが公開されており、組織内利用を自由に行うことができます。また、セルフホストとクラウドの両方で利用できるため、状況に合わせて使い分けることが可能です。
さらに、AIネイティブな設計により、LangChainや外部モデルと連携して高度な自動化を実現できるのが特徴で、大幅な業務効率化も報告されいます。 AIエージェントに強い会社の選定・紹介を行います 今年度AI相談急増中!紹介実績1,000件超え! ・ご相談からご紹介まで完全無料 完全無料・最短1日でご紹介 AIエージェントに強い会社選定を依頼
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AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、お客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。
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