航空業界におけるAI活用事例5選!飛行機の旅・空港が変わる?【2024年最新】
最終更新日:2024年09月23日
様々な業界においてAIを活用することで、業務の効率化や新たなサービスの開発などが進んでいます。新型コロナウイルスの流行により大きな打撃を受けた航空業界でも、同様にAIの導入が始まっています。
特にテクノロジーの導入が進んでいる業界を参考に、自社でのAIを検討したいと思っている方も多いのではないでしょうか?今回は航空業界におけるAI活用の目的やAIがどのように活用されているのか、事例も含めてご紹介します。
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目次
航空業界におけるAI活用の目的
新型コロナウイルスの影響で旅行や出張の機会がなくなり、航空業界は大きな打撃を受けました。新型コロナウイルスが落ち着いてからもすぐに状況が回復するのも難しく、ソーシャルディスタンスも含めて新たな対応も求められています。
そのような状況で多くの航空会社は、AIを始めとしたテクノロジーへの投資をはじめています。AI導入を始めとしたテクノロジー導入の目的は大きく分けて2つです。
コスト削減・業務効率化
1つ目はコスト削減です。航空業界ではチケットの予約、チェックイン、保守点検など様々な業務が介在しており、多くのスタッフが業務に携わっています。また搭乗ゲートや出入国ゲート、手荷物検査など物理的な接点もまだまだ多いのが現状です。
まだまだ昔ながらのシステムが多い中で、今後ソーシャルディスタンスなどの一般化や、出張・旅行の需要が減ってきたことによる業務の効率化が求められています。このようにコスト削減や業務効率化に大きな寄与が期待されているのがAIの導入です。
顧客体験価値向上
2つ目は顧客体験価値の向上です。顧客の要望が増えてきたことで人の手だけではすべて対応しきれないことも増えてきています。その結果顧客の印象が悪くなり、すぐ別の航空会社に移行してしまうという可能性も増えてきています。
そのようなことを避けるために、自社ならではの顧客体験価値を高めることで自社へのロイヤルティ向上も大きな課題になってきています。
また、AIの機能が向上してきたことで、従来人の手だけでは提供しきれないサービスを提供できるようになってきています。例えば、顧客の発言や過去の旅行履歴などから最適なサービスを提供したり、需要と供給のバランスを計算することで最適の価格を提供したり、新しいサービスを提供できることで顧客との新たな関係性を築くことにもつながります。
航空業界×AIでできる5つのこと
航空業界におけるAIの活用が増えている中で、具体的にどのように活用されているのか、5つのできることをご紹介します。
飛行ルートの自動計算
飛行ルートにより安全性が変わったり、燃料の使用量が変わったり、また二酸化炭素排出量も大きく変わってきます。従来はパイロットの経験などをもとに最善の飛行ルートを計算したり、実際に飛行したりしていました。しかし、この経験則だけでは、どうしても無駄が発生してしまう場合も多くありました。
AIを活用すれば、天気や全体の交通量、機体性能などを計算することができ、効率のよい飛行ルートを計算できます。それにより燃料の消費量や二酸化炭素排出量の削減に繋がるなどビジネスの最適化はもちろん、SDGsへの貢献も可能です。
プッシュブックなど地上支援業務の自動化
航空会社の業務には飛行だけでなく、航空機を移動させるプッシュバックなどの地上支援業務が存在します。例えば、プッシュバックには従来ドーバーを取り付け、トラクターの運転、監視員、ドーバー取り付け員など様々なスタッフが必要であり、重労働でした。
AIを導入することで無人のトラクタでプッシュバックを行え、ドーバーの取り付けも必要なくなり、少人数での対応が可能になります。
航空機のドア自動装着
航空機へのドアの装着は、一つのミスが大きな事故に繋がる可能性があり、従来は熟練した職人の技術により数センチもずれずに装着がされていました。しかし、今後インバウンドの機会が増えていく中でより多くの飛行機の発着を処理することも大きな課題となっています。
AIで熟練の技術者の技術データを収集し画像解析を行うで、航空機のドアの自動装着も可能になってきています。数センチ単位までの接近をAIで行うことにより、労力の大幅な削減につながったり、技術者が引退した後の人材確保の心配もなくなるでしょう。
出入国時の顔認証
パスポートの確認や顔と写真の照合を人力により対応していたため、どうしても時間がかかってしまい、混雑にもつながっていました。
このような課題も、AIの顔認証システムを用いることで出入国時の手続きが大幅に削減でき、時短や省力化に繋がります。特に出入国時に必要な顔認証は、パスポートとの整合性です。パスポートは最長で10年間利用されることもあるため、ただ顔の整合だけでなく、10年の経年劣化もシミュレーションした上で識別するようなAIが活用されています。
ダイナミックプライシング
航空会社で最もAIが活用されているのが飛行チケットの価格設定です。需要と供給のバランスを計算に入れることで価格を変更させるというもので「ダイナミックプライシング」とも呼ばれています。
例えば、GWや夏休みなど特に利用され需要が高くなるタイミングでは値段が高くなり、逆に需要が低いタイミングでは費用が低くなるようなものです。このようにダイナミックプライシングを用いることにより顧客の需要に答えることができるうえで、利益の最大化や業務効率化に繋がります。
ダイナミックプライシングとは何か、メリット、デメリットは何かをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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航空会社でのAI活用事例5選
それでは実際にAIを活用している企業の事例を5つご紹介します。
デルタ航空の運航管理
デルタ航空では運行管理でAIを活用したフライトシミュレーションを行い、顧客への影響を最低限にすることを目指しています。グローバルの規格の運航に対応したデルタ航空独自のプラットフォームで航空機の位置や客室乗務員の稼働状況、空港の利用状況などを分析して予測を実施。
それにより火山や地震等の天災、大規模の障害が発生したときにも顧客への影響がでないようにフライト状況を検討するための指標にもなっています。
JALの空港旅客サービス
JALでは、一歩先の価値への挑戦という目標をもとに空港の旅客サービスにAI活用を始めています。従来、乗り継ぎの際の荷物の問い合わせや座席のアップグレードなどは、チェックインで使用するPC以外でそれぞれに回答する必要がありました。そのため毎回質問が来るたびにお客様を待たせなければいけないなど大きな時間ロスが発生していました。
しかし、JALとアクセンチュアはスタッフの音声を自動で読み取り、解析することでタブレットに必要な情報を自動で表示させる取組を行っています。それによりこれまでの問い合わせの時間の短縮だけでなく、お客様との会話にも集中でき、ロイヤルティー向上につながっています。
アラスカ航空の飛行ルート最適化
アラスカ航空は世界で初めて、飛行ルートの最適化にAIを活用しています。天気、乱気流、機体性能、安全ポリシー、管制、全体的な交通量の8時間後をシミュレーションすることで時間、燃料の使用量、二酸化炭素排気量の最適化した飛行ルートを算出し、飛行ルート計画を立てているのです。それにより最適な顧客体験の実現を目指しています。
南紀白浜空港の保安検査
南紀白浜空港では、日立製作所との実証実験で保安検査へのAI活用が始まっています。手荷物検査のX線検査は人の目で判断するのがほとんどでした。しかし、AIを活用することで、従来のX線検査に視覚的サポートを行い業務の効率化、効果向上を目指しています。
南紀白浜空港の保安検査では、X線検査から画像判断を行い「これがスマホ、これはナイフ」などと画像で名称を表示するため、スタッフは名称を補助材料として判断ができます。また、それ以外にも物品が重なっている場合に見やすいように加工することで、見落としがないようにしているようです。
ANAの自動チャット
ANAは従来、航空券のキャンセル対応なども含めた顧客の対応に電話やメールで対応をしておりました。しかし、新型コロナウイルスをきっかけにキャンセル対応しなければいけない案件が増え、電話がつながらなかったり、メールも迅速に対応できなかったりといった事態が起きました。
このような状況を避けるためにANAは自動チャットを導入。問い合わせページからのお客様への質問や、LINEでの質問に対応し、業務効率化を図りました。
AI導入に関するお問い合わせはAI Marketまで
新型コロナウイルスをきっかけに航空業界のビジネスは大きな変革が求められています。AIの導入で省力化することで、業務効率の向上はもちろん、顧客体験の向上も目指しています。航空会社を参考に、自社でもコスト効率化や顧客満足度向上にヒントを得られるかもしれません。
しかし、実際にAI開発を進めていきたいと考えても、どの会社に依頼すればよいかわからない、ということもあるかもしれません。
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