寺院デジタル支援の366、電話/音声AIで高齢者の安否を確認する「おてらコール」をNTT東日本と共同開発
最終更新日:2023年12月27日
株式会社366は、2023年12月25日、高齢者見守りサービス「おてらコール」をNTT東日本(東日本電信電話株式会社)と共同開発したと発表した。
366は、デジタル化による寺院支援を手がける企業だ。「おてらコール」は、電話/音声AIによる高齢者の安否確認を寺院が行えるシステムであり、開発ではNTT東日本の「シン・オートコール」が活用されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 電話/音声AIによる高齢者の安否確認を、寺院が行えるシステム「おてらコール」
- AI・クラウド技術で一斉に情報伝達できるNTT東日本の「シン・オートコール」を活用
- 2024年1月より3都県で実証実験を実施、地域/社会に寄り添う活動を望む寺院を支援
「信仰が日常にある世界」の実現を目指す366
366は、宗教法人の経営サポートや課題解決支援を手がけるコンサルティングファームだ。各分野のプロフェッショナル人材の力を効果的に活用すると共に、宗教者との関係を通して「信仰が日常にある世界」の実現を目指している。
同社は、少子化/核家族化といったライフスタイルの変化が日本人の弔いの形を変えたことに注目し、現代人の宗教性に対応した葬送環境の整備を目指して、樹木葬をはじめとする「墓地・納骨堂事業」を展開。また、寺院の実情に応じて運営を包括的にサポートする「顧問事業」や、宗教者と市民のコミュニケーションを再構築するための「DX事業」も手がけている。
寺院による高齢者の見守りサービスを企画
宗教法人を支える中で366は、新たな在り方を目指す寺院が増えつつあることに注目した。
現在、日本国内には7万7000を超える寺院が存在し、その多くは人口減少/檀家数減少などによって在るべき姿に変化が求められている。寺院が社会から求められる存在であり続けるために、宗教活動に留まらず「人々のコミュニティ」として地域/社会に寄り添う活動を展開したいと考える寺院が増えてきたのだ。
その一方で、近年一人暮らしをする高齢者は増加している。1980年時点における65歳以上の総人口比は男性4.3%/女性11.2%に留まっていたが、2020年時点では男性15.0%/女性22.1%にまで増加。高齢者が社会的に孤立することで犯罪被害/孤独死につながるケースも増加し、2023年の孤独・孤立対策推進法成立など行政による取り組みも広がりつつある。
こうした動きを受けて366は、寺院による高齢者の見守りサービスを企画。NTT東日本の技術提供を受けることで、「おてらコール」を開発するに至った。
一人で暮らす高齢者の固定・携帯電話に発信
「おてらコール」は、寺院による高齢者の安否確認に電話と音声AIで貢献するシステムだ。開発に際しては、AI・クラウド技術で録音した肉声などを固定/携帯電話へ一斉に情報伝達できるNTT東日本の「シン・オートコール」が活用された。
この「おてらコール」によって寺院は、事前に録音した60秒ほどの法話と安否確認のための簡単な質問を、一人で暮らす高齢者の固定・携帯電話に対して発信することが可能となった。電話を受けた高齢者は、身の回りの相談事を登録することができる。何らかの異常を寺院側が察知した場合は、家族や地域の社会福祉関係者に連絡し、連携をとりながら対応することも可能だ。
366は今後、同社と連携している東京都/愛知県/高知県の寺院にて「おてらコール」の実証実験を予定。2024年1月より実施するこの実験の結果を踏まえ、同サービスを活用する寺院数の拡大に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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