エイトノットの自律航行システム「AI CAPTAIN」を搭載した水上タクシー、広島市で日本初の営業運航を開始

株式会社エイトノットは、2023年1月19日、同社開発の自律航行システム「AI CAPTAIN」を搭載した小型EV船が、広島市にて水上タクシーの営業を開始したと発表した。

「AI CAPTAIN」は、AIが自動で船舶の最適なルートを設定し、目的地までの安全な自律航行を実現するシステムだ。同システムは今回、広島市内の旅客船運航事業者に導入されたことで、自律航行EV船による一般旅客向け水上タクシー営業を全国で初めて開始するに至っている。

＜本ニュースの10秒要約＞

• 「AI CAPTAIN」によって自律航行を実現したEV船で、一般旅客向け水上タクシー営業を全国で初めて開始
• AIが自動で船舶の最適なルートを設定し、目的地までの安全な自律航行を実現するシステム「AI CAPTAIN」
• 広島県知事も「高いポテンシャルを秘めている」と評価。今後も「海のDX」「船舶のロボット化」を推進

瀬戸内海で自律航行技術の開発に取り組んできたエイトノット

エイトノットは、ロボティクスとAIの専門家集団として「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進している企業だ。主として小型船舶向け自律航行技術の開発に取り組み、同技術の社会実装を通じて船舶乗組員の支援や運用コストの最適化などの実現を図っている。

同社の開発事業は、2021年の設立時より一貫して広島県を中心とする瀬戸内海において進められてきた。自律航行技術の開発も、離島地域における水上交通の課題解決を目的とするものだ。2022年6月に広島県「“サキガケ”プロジェクト実証実験実施業務」に採択されたことで、同社は開発を加速。広島市内の旅客船運航事業者である有限会社バンカー・サプライと、自律航行の実現に向けて協議も重ねてきた。

自動ルート設定や障害物・他船回避、自動離着桟などが可能な「AI CAPTAIN」

今回開始された広島市での水上タクシー営業は、エイトノットの船舶自律航行システム「AI CAPTAIN」により実現した。

「AI CAPTAIN」は、目的地に応じた自動ルート設定や障害物・他船回避、定点保持や自動離着桟などを、AIにより可能にしたシステムだ。利用者がタブレットの画面にて目的地をタップするだけで、船舶を安全に航行することができる。

現在も「AI CAPTAIN」は開発が進行中であり、将来的には「陸上船長」が可能となる機能の搭載も予定。4台のカメラで周囲360度を見渡す遠隔監視機能や、航行開始／停止を陸上からでもから指示できる遠隔操作機能、複数台を一台のPCやタブレットから監視する機能などの開発も進められている。

湯﨑知事は「非常に高いポテンシャルを秘めている」と評価、継続支援の意向を示す

広島市での水上タクシー営業は、「あらゆる水上モビリティを自律化し、海に道をつくる」というエイトノットのミッションに共鳴したバンカー・サプライによって行われる。「AI CAPTAIN」搭載船舶の営業航行は、2022年10月末の同システム発表以来、初の事例となる。

この営業では、広島市営桟橋からグランドプリンスホテル広島、レストランカリブへの水上タクシー移動を可能にしている。営業開始前には、湯﨑英彦広島県知事がグランドプリンスホテル広島前にある桟橋から広島市営桟橋までを同船舶にて移動。湯﨑知事はこのタクシーについて「非常に高いポテンシャルを秘めている」と評価し、県による継続支援の意向を示した。

エイトノットは今後も、水上輸送をより身近なものにするべく「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進するとしている。

参照元：PRTIMES

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