AI搭載型の咽頭内視鏡システム「nodoca」、12月より感染症診断の公的保険が日本で初めて適用開始
最終更新日:2022年09月20日
アイリス株式会社は、2022年9月14日、同社が開発したAI搭載型の咽頭内視鏡システム「nodoca」について、インフルエンザウイルス感染症診断の公的保険適用が同年12月より開始されると発表した。
「nodoca」は、咽頭の画像と問診情報をAIで解析することで感染症診断を補助するAI医療機器だ。今回の保険適用は中央社会保険医療協議会により了承されており、AI医療機器を用いる診断への新機能・新技術区分(C2区分)での適用は日本初の事例となる。
<本ニュースの10秒要約>
- 咽頭の画像と問診情報をAIで解析し、「匠の技」だったインフルエンザ診断の補助を実現した「nodoca」
- 適用開始日は2022年12月1日、AI医療機器を用いる診断への新機能・新技術区分での適用は日本初
- 現在の迅速検査キットと患者費用負担および医療機関収入は同額、今冬に発売開始予定
「匠の技」をデジタル化するAI医療機器として開発
インフルエンザウイルス感染症の診断に際しては、インフルエンザ濾胞(ろほう)の検出が重要となる。しかしインフルエンザ濾胞を視診のみで高精度に見分けるのは困難であり、これまでは熟練の医師による「匠の技」とも言える判断が必要とされていた。
アイリスは、こうした医師の「匠の技」をデジタル化するAI医療機器の開発に取り組む企業だ。インフルエンザウイルス感染症の診断について同社は、この疾患に特徴的な所見などをAIで検出することで熟練医の視診を再現できると考え、AI医療機器である「nodoca」の開発に至った。
咽頭所見と診療情報をAIで解析、特徴的な所見や症状などを検出
「nodoca」は、50万枚以上の咽頭画像データベースを元に開発された、AI搭載型の咽頭内視鏡システムだ。咽頭画像を撮影した上で、撮影された画像上のリンパ組織(扁桃やリンパ濾胞を含む)などの咽頭所見と診療情報をAIで解析し、インフルエンザウイルス感染症に特徴的な所見や症状などを検出する。
「nodoca」のAIアルゴリズムは、のべ100以上の医療機関および1万人以上の患者から得た画像を活用する形で構築された。またAI解析に適した口腔内・咽頭画像を撮影できる専用カメラも、同社は併せて開発している。
なお「nodoca」は、2022年4月26日付で製造販売承認を取得。日本で初めて「新医療機器」として承認を取得したAI搭載医療機器となっている。
適用開始日は2022年12月1日、保険点数は305点
「nodoca」の公的保険適用は今回、適用開始日を2022年12月1日、保険点数(診療報酬)を305点(3,050円)と定める形で、中央社会保険医療協議会より了承された。305点という点数は、現在の医療現場で広く用いられているインフルエンザウイルス迅速検査キットを用いた診断と同じ点数であり、患者費用負担および医療機関収入は同額となる。
アイリスは今後、今冬の発売開始に向けて「nodoca」の開発を進めると共に、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」のミッションを掲げて医療進歩に貢献しうる挑戦を続けるとしている。
参照元:PRTIMES
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