中国市場にAIを使用した革新的な顧客サービス「DRUNKGPT」が採用
最終更新日:2024年08月19日
アリババクラウドは2024年8月19日、同社のLLM(大規模言語モデル)「Qwen」が資生堂のスキンケアブランド「DRUNK ELEPHANT(ドランク エレファント)」の中国市場向けAIチャットボット「DRUNKGPT」に採用されたと発表した。この革新的なアプリケーションは、商品推奨からスキンケアアドバイスまで、パーソナライズされた24時間365日の顧客対応を実現。ドランク エレファントの中国進出を強力に後押しし、テクノロジーに精通した若い消費者との新たなエンゲージメント方法を確立する。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- アリババクラウドのAI技術「Qwen」を活用し、ドランク エレファントが中国市場向けにAIチャットボット「DRUNKGPT」を開発
- 24時間365日対応のAIスキンケアアシスタントが、パーソナライズされたアドバイスと商品推奨を提供し、顧客体験を向上
- 音声対話機能やマルチエージェントフレームワークなど、最新のAI技術を駆使してブランド認知度と顧客エンゲージメントを強化
DRUNKGPTの開発背景と特徴
DRUNKGPTは、ドランク エレファントが資生堂中国のデジタルトランスフォーメーションオフィスと協力し、アリババクラウドの技術を活用して開発した独自のインタラクティブな消費者向けアプリケーションだ。この取り組みの主な目的は、革新的なデジタルエンゲージメントの機会を提供し、より豊かなブランド体験を消費者に届けることにある。DRUNKGPTの中核となるのは、消費者のスキンケアに関する懸念に対応し、パーソナライズされたアドバイスを提供する24時間365日対応のAI搭載スキンケアアシスタントだ。
このアシスタントは、アリババクラウドの最新基盤モデル「Qwen-max」を活用し、数千億のパラメータを持つ高度な言語処理能力を備えている。さらに、応答の精度と関連性を向上させるため、ブランドの知識データベースを基にさらなるトレーニングが施され、SFT(Supervised Fine-Tuning)、RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)、ベクターリコール、マルチエージェントフレームワークなど、アリババクラウドの様々なAIサービスで最適化されている。
DRUNKGPTの機能と利用方法
中国の消費者は、ドランク エレファントのミニプログラム内の「Drunk Moment」ページからDRUNKGPTにアクセスできる。ユーザーはテキストまたは音声入力で対話が可能で、アリババクラウドの自動音声認識(ASR)と音声合成(TTS)技術により、リアルタイムでテキストと音声の両方の形式で応答を受け取ることができる。この音声対話機能は、消費者とのエンゲージメントをさらに高める効果が期待されている。
DRUNKGPTは単なる問い合わせ対応ツールではなく、ブランドの哲学を伝え、スキンケアに関する顧客の疑問に答え、パーソナライズされた商品推奨を行う新しい顧客エンゲージメントプラットフォームとして設計されている。特に、中国市場におけるドランク エレファントの「成分引き算主義」という独自の哲学への理解を促進する役割も担っている。
ドランク エレファントとアリババクラウドの協業による期待効果
この協業により、ドランク エレファントは中国市場での顧客対応を大幅に強化し、ブランド価値の向上とテクノロジーに精通した若い消費者とのエンゲージメント強化を目指している。ドランク エレファント中国のブランドディレクター、蔡軼軒(アンディ・ツァイ)氏は、アリババクラウドのAIの変革力を活用することで、スキンケア小売業を新たなレベルに引き上げることができると期待を寄せている。
一方、アリババクラウドジャパンのリージョナル・プロダクト・ディレクター、ロッキー・リュウ氏は、小売業をはじめとする多くの業界で生成AIの導入が進んでいる中、アリババクラウドがAI製品のフルスタックソリューションを提供できることの意義を強調している。この協業は、クラウドコンピューティングやAIなどの先進技術を活用し、美と文化を通じて生活を豊かにするという両社の共通のコミットメントを体現するものとなっている。
今後の展望と期待される影響
DRUNKGPTの導入は、ドランク エレファントの中国市場戦略における重要な一歩となる。このデジタルイニシアティブは、中国でのオフラインローンチイベントにも統合され、ブランド認知度を高めるとともに、中国市場における同ブランドの哲学への理解を促進する役割を果たす。
今後、DRUNKGPTの機能拡張や他のブランドへの展開など、アリババクラウドと資生堂グループの協業がさらに深化する可能性がある。今回のDRUNKGPTの開発と導入は、両社の関係をさらに強固なものとし、先端技術の活用を通じて美の追求と文化的価値の創造に貢献するという共通のビジョンを体現している。
参照元:PR TIMES
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