DATAFLUCTの自動需要予測サービス「Perswell」、東武鉄道で特急券の需要予測に活用へ
最終更新日:2023年12月23日
株式会社DATAFLUCTは、2023年12月20日、同社のサプライチェーンマネジメントサービス「Perswell」が東武鉄道株式会社にて特急券の需要予測に活用されると発表した。
DATAFLUCTはデータサイエンスで企業と社会の課題を解決する企業であり、「Perswell」は機械学習と外部データによる自動需要予測が可能なサービスだ。東武鉄道の特急券需要予測について「Perswell」は既に実証を行っており、最長14週間後の潜在需要数を30分単位で予測することで600名以上の潜在需要を掘り起こしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 需要予測/納期遅延予測および生産/発注の最適化を高精度で行う「Perswell」
- 特急の満席が相次ぐ東武鉄道、課題をデータ分析で解消すべく「Perswell」を活用
- 実証実験では特急利用者の潜在需要を30分単位で予測、2024年5月に本格導入予定
DATAFLUCTのサプライチェーンマネジメントサービス「Perswell」
DATAFLUCTは、埋もれているデータから新たな価値を生み出すことで社会課題の解決に取り組む企業だ。データの形式にとらわれない「マルチモーダルデータ活用」に強みを持ち、データの収集/蓄積/加工/分析サービスを一気通貫で提供。需要予測によるロスの削減や脱炭素に向けた行動変容などに着目したサービスも展開し、誰もがデータを有効活用できる世界の実現を目指している。
同社の「Perswell」は、最新の機械学習と様々な外部データを活用するサプライチェーンマネジメントサービスだ。需要予測/納期遅延予測および生産/発注の最適化を高精度で行うと共に、これらの処理の自動化も実現。利用企業の基幹システムと連携することで、データ抽出から需要予測・発注処理までを自動化でき、大幅な工数削減を実現する。
特急の需要/供給バランスを、データ分析で最適化
今回「Perswell」の活用を開始する東武鉄道は、関東圏の私鉄としては最大の路線距離を持つ。その一方で、特急列車による観光/ビジネスの旅客輸送にも注力しており、2023年には新型のフラッグシップ特急「スペーシアX」も導入することで観光需要を喚起。東京と日光・鬼怒川エリアなどをつなぐ特急列車では、紅葉シーズンなどの繁忙期において満席が多く発生している。
満席が相次ぐ状況を受けて東武鉄道は、運行本数を増便や車両の増結による輸送力増強を検討したが、過去の実績や担当者の推計による運行計画だけでは需要と供給にギャップが生じる可能性を危惧。この課題をデータ分析によって解消しようと考え、「Perswell」の活用を決定するに至った。
通常より多くの乗客が特急を利用可能になった
DATAFLUCTと東武鉄道は2023年6月から9月にかけて、「Perswell」により列車ごとの潜在需要を可視化し、その結果を運行計画に反映すべく、実証実験を行った。この実証実験では、特急券の発売数を始めとする東武鉄道の保有データと、天候/気温/新型コロナウイルス感染症重症者数/地域イベントといった外部データを、「Perswell」が学習。これらのデータから「Perswell」は、2~14週間後の特急利用者の潜在需要数を30分単位で予測した。
実証において「Perswell」は、増便などの判断に実用的に利用可能な精度で予測を実現。予測結果に基づいて通常3両編成の特急を6両編成にすることで、通常より600名以上多くの乗客が特急列車を利用できるようになった。
東武鉄道における「Perswell」の本格導入は、2024年5月の予定だ。DATAFLUCTは「Perswell」を通じて、変化し続けるビジネスの状況を捉えた新しい鉄道運営の実現を支援するとしている。
参照元:PRTIMES
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