AIを活用した「コネクテッドワーカーソリューション」のFairyDevices、総額約21億円の資金調達を実施
最終更新日:2023年06月08日
FairyDevices株式会社は、2023年6月6日、シリーズBラウンドの2ndクローズとして総額約21億円の資金調達を実施したと発表した。
FairyDevicesは、ウェアラブルデバイスやAIを活用した「コネクテッドワーカーソリューション」により、現場業務のDXを支援している企業だ。今回の資金調達では、ダイキン工業株式会社などが引受先として名を連ねており、FairyDevicesのシリーズB累計調達額は31億円に達している。
<本ニュースの10秒要約>
- 「コネクテッドワーカーソリューション」により、現場業務のDXを支援しているFairyDevices
- 「匠の技」を、ウェアラブルデバイスやAIでデジタル化、熟練工が減少する現場で共有可能に
- ダイキン工業などが引受先となる形で約21億円を調達、今後も生産年齢人口減少という課題に対応
熟練工AIの実現に取り組むFairyDevices
現在の日本では、働き手の不足が深刻な社会問題と化している。2022年に総務統計局が発表した資料によると、高齢者人口が総人口に占める割合は29.1%で過去最多となり、世界の中でも日本の高齢者人口の割合は最高となった。また国立社会保障・人口問題研究所の発表では、毎年50万人以上の熟練者が引退を迎えており、働き手不足のみならず現場技術の喪失も日々加速している。
こうした課題に対応すべくFairyDevicesは、熟練工AIの実現に取り組んでいる。「遠隔支援で経営効果を出しつつデータがたまる」「AIが、副操縦士(コパイロット)のように現場作業を側面支援」「機械がチームメイトになる」という3段階で開発を進め、2019年には熟練工が減少する現場向けのソリューション「コネクテッドワーカーソリューション」を発表するに至った。
「匠の技」を共有可能にする「コネクテッドワーカーソリューション」
「コネクテッドワーカーソリューション」は、産業現場において属人化されやすいいわゆる「匠の技」を、ウェアラブルデバイスやデータ解析の活用によってデジタル化し、熟練工が減少する現場で共有可能にするソリューションだ。同ソリューションでは、デジタルデバイスを装着した現場作業員(コネクテッドワーカー)への熟練工による遠隔支援や、AIを活用した作業記録の作成などを実現。メンテナンス工場/プラント/物流といった現場で、作業効率と作業品質を向上している。
2019年の発表以来、「コネクテッドワーカーソリューション」は多くの現場で導入されるようになった。ダイキン工業株式会社の空調現場や、ヤンマーエネルギーシステムが参画する南極・昭和基地など、有名企業での導入事例も多い。利用者数は毎年約350%で伸張しており、利用国数もインド/ベトナム/オーストラリアをはじめ18カ国にまで拡大している。
現場情報をデータ化した業務ソリューションを開発/提供
FairyDevicesが今回実施した資金調達では、ダイキン工業やヤンマーベンチャーズ株式会社、NTTテクノクロス株式会社などが引受先となっている。ダイキン工業はFairyDevicesについて、グローバル規模での空調機事業などを展開するにあたり重要なパートナーになっていると評価。今後は協業地域をさらに拡大し、共に世界的な社会課題の解決に取り組みたいとコメントしている。
調達した資金についてFairyDevicesは、プロダクト開発やマーケティング、人材採用などへの投資を予定。今後も、現場情報をデータ化した業務ソリューションの開発/提供を通じて、先進国の生産年齢人口減少という喫緊の社会課題に対応するとしている。
参照元:PRTIMES
製造業でのAI導入事例を詳しく知りたい方はこちら、また、製造業に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp