GoogleがAI Studioで「vibe coding」機能を提供開始、プロンプトからAIアプリを数分で構築可能に
最終更新日:2025年10月28日

Googleは2025年10月26日、Google AI Studioに「vibe coding」と呼ばれる新しいAI駆動のコーディング体験を導入した。
この機能により、ユーザーは単一のプロンプトから数分でAI搭載アプリケーションを構築でき、APIキーの管理やモデルの統合といった技術的な複雑さを排除することが可能となった。
- 単一のプロンプト入力でGeminiモデルが必要なAPIやモデルを自動接続し、マルチモーダルアプリを生成する新機能
- アノテーションモードによる直感的な編集機能と、待機時間にアイデアを提案するブレインストーミング画面を実装
- 無料枠を超えた場合も独自のAPIキーで開発継続が可能となり、中断のない開発体験を提供
Google AI Studioの新しいvibe coding機能は、従来アプリ開発において障壁となっていた複数のAPI、SDK、サービスの統合作業を自動化する。
ユーザーが構築したいマルチモーダルアプリを自然言語で説明すると、Geminiモデルが必要な機能を理解し、適切なモデルとAPIを自動的に接続する仕組みだ。

例えば、写真を幻想的な画像に変換する「マジックミラーアプリ」の開発も、その旨を伝えるだけで実現できる。創造的なひらめきが必要な場合には「I’m Feeling Lucky」ボタンが用意され、アイデア創出を支援する。
開発体験の向上に向けて、複数の補助機能も導入された。App Galleryはビジュアルライブラリとして刷新され、Geminiで実現可能なプロジェクトアイデアの探索、プレビュー、スターターコードの学習、既存アプリのリミックスが可能となった。
また、アプリのビルド中には、Geminiが生成するコンテキストに応じたアイデアを循環表示するブレインストーミング読み込み画面が待機時間を有効活用する。

アプリの修正プロセスも簡素化された。新しいアノテーションモードでは、変更したい部分を直接ハイライトし、Geminiに指示を出すだけで修正が完了する。
「このボタンを青にする」「カードのスタイルを変更する」「画像を左からアニメーション表示させる」といった直感的な指示が可能で、コードを詳細に記述する必要がなくなった。
この視覚的な対話方式により、ユーザーは創造的なフローを維持しながら開発を進められる。
継続的な開発環境の提供にも配慮がなされている。無料枠を使い切った場合でも、ユーザーは独自のAPIキーを追加することで開発を中断せずに続行でき、無料枠が更新されると自動的に切り替わる。
これらの統合された機能により、コードを一行も書いたことがない人でもアイデアを実現できる環境が整備され、優れたアイデアと動作するアプリの間にある障壁が大幅に低減された。
AI Market の見解
本機能は、生成AIの実用化における重要な進展を示している。従来のローコード・ノーコード開発環境が提供してきたテンプレートベースのアプローチと異なり、vibe codingは自然言語処理とマルチモーダルAIの統合により、より柔軟で高度なアプリケーション生成を実現している点が技術的に注目される。
特にアノテーションモードは、視覚的入力とテキスト指示を組み合わせたマルチモーダルインターフェースの実装例として、今後のAI開発ツールの方向性を示唆していると想定される。
ビジネス的には、開発スキルの有無に関わらずAIアプリケーションの構築を可能にすることで、プロトタイピングの速度が劇的に向上し、アイデアの検証サイクルが短縮される効果が期待できる。
これは特にスタートアップや小規模チームにとって、技術的負債を最小化しながら市場投入までの時間を短縮する手段となる。
一方で、GoogleがGeminiモデルとの統合を前提とした開発環境を提供することで、開発者のエコシステムをGoogle AIプラットフォームに囲い込む戦略的意図も見て取れる。
参照元:Google
vibe codingに関するよくある質問まとめ
- vibe codingは完全無料で利用できるのか?
基本的には無料枠内で利用可能だが、無料枠を超えた場合は独自のAPIキーを追加することで継続利用できる。
無料枠が更新されると自動的に無料利用に戻る仕組みとなっている。
ただし、具体的な無料枠の上限や料金体系については記事内で明示されていないため、Google AI Studioの公式ページで確認する必要がある。
- vibe codingで作成したアプリはどのように動作するのか?
vibe codingで生成されたアプリは、Geminiモデルが自動的に選択・統合した各種APIやモデルを利用して動作する。
例えば、動画生成にはVeo、画像編集にはNano Banana、情報検索にはGoogle Searchといった複数のサービスが必要に応じて組み合わされる。
ユーザーはこれらの技術的詳細を意識せずに、自然言語での指示だけでアプリケーションを構築・修正できる。

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