Hacobu、物流危機を救うAI活用の新サービス「MOVO PSI」の提供を開始。キリンとアサヒ飲料での実証で輸送コストと在庫を大幅削減
最終更新日:2024年10月29日
株式会社Hacobuは、2024年11月1日より、AIを活用した生産・販売・在庫管理サービス「MOVO PSI」の提供を開始する。同サービスは、JDSCと共同で開発し、キリンビバレッジとアサヒ飲料での実証実験で効果を確認。
キリンでは輸送コスト約9.1%削減、在庫日数約13.2%削減、アサヒ飲料では輸送コスト約6.2%削減、在庫日数約6.5%削減を達成した。両社は2025年春までに全VMI拠点での導入完了を目指し、持続可能な物流インフラの構築を推進する。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 物流2024年問題に対応するため、HacobuとJDSCが共同開発したAI搭載の生産・販売・在庫管理プラットフォームの本格展開開始
- キリンビバレッジとアサヒ飲料での実証実験で、輸送コストと在庫日数の大幅な削減効果を確認し、両社での全面導入が決定
- 将来的には他業界へも展開し、企業間でのデータ共有・活用によるオープンプラットフォーム化を目指す取り組み
深刻化する物流危機と業界課題
2024年4月からのトラックドライバーへの働き方改革関連法適用により、物流の停滞が懸念される「2024年問題」が発生している。政府は2023年6月に物流適正化のガイドラインを発表し、発注量および発送量の適正化を推奨した。
さらに、飲料業界特有の予測困難な需要変動により、各社は欠品リスク回避のため余剰在庫を抱える傾向にあり、効率的な輸送手配が困難となっている。
MOVO PSIの技術的特徴と機能
MOVO PSIは、メーカー、卸売業、小売業の企業間をつなぐPSI情報プラットフォームだ。2つのAIモデルを搭載し、1つ目は受注予測と在庫変動の把握、2つ目は補充数量の最適化を行う。
JDSCの需要予測ソリューション「demand insight」をベースに開発され、企業間を跨いだ連携により、社会全体の輸送効率向上を推進する。
実証実験の具体的成果
キリンビバレッジでは2023年10~11月の2か月間の実験で、輸送コスト約9.1%削減、在庫日数約13.2%削減を達成した。
アサヒ飲料は2024年3月~4月に実施し、年始の需要変動が大きい期間のデータで検証したにもかかわらず、輸送コスト約6.2%削減、在庫日数約6.5%削減を実現した。両社とも実際のオペレーション条件下で効果を確認している。
AI Market の見解
MOVO PSIの開発は、物流業界が直面する構造的な課題に対するAIを活用した実践的なソリューションとして評価できる。特に注目すべきは、2つのAIモデルによる需要予測と最適化の組み合わせだ。
これにより、従来は個社最適化に留まっていた物流効率化を、企業間での連携による社会全体の最適化へと昇華させる可能性を持つ。大手飲料メーカー2社での実証実験で具体的な数値効果が確認されたことは、本サービスの実用性を裏付けている。
参照元:PR TIMES
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