インテージヘルスケアと岡山大学、AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」で難治性疾患治療薬を開発へ
最終更新日:2022年08月29日
株式会社インテージヘルスケアと国立大学法人岡山大学は、2022年8月26日、AI創薬による新薬開発に関する共同研究を開始したと発表した。
本研究では、インテージヘルスケアのAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet(ディープカルテット)」を活用し、悪性腫瘍をはじめとする難治性疾患治療薬の開発が目指される。
<本ニュースの10秒要約>
- インテージヘルスケアのAI創薬プラットフォームを用いて、岡山大学が難病治療薬を開発
- 深層強化学習や機械学習などの技術と共に有機合成化学者の知見も活用する「Deep Quartet」
- AI創薬で化合物の最適化を進め、悪性腫瘍などの治療薬となる新規化合物を獲得へ
4つの要素で構成されるAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」
インテージヘルスケアは、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチや医薬品開発などをコア事業と定めており、その一貫として「Deep Quartet」の開発・提供も手がけている。「Deep Quartet」は、同社と株式会社理論創薬研究所、そして株式会社アフィニティサイエンスの3社が連携して提供しているAI創薬プラットフォームだ。
「Deep Quartet」は、「Quartet(四重奏)」という名が示す通り、「Deep reinforcement learning」「LigandScout」「CzeekS」「Medicinal Chemist」という4つの要素で構成される。「Deep reinforcement learning」は深層強化学習の技術であり、「LigandScout」はファーマコフォアモデルを用いるソフトウェア、そして「CzeekS」は網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習ベースの技術だ。この3つを組み合わせたフローに、「Medicinal Chemist」すなわち有機合成化学者の知見を加えることで、効率的な創薬を可能にしている。
AIによって難治性疾患治療薬の創薬を目指す
今回開始された共同研究では、岡山大学・細野祥之教授(学術研究院医歯薬学域 薬理学)が手がける研究開発テーマにおいて、「Deep Quartet」が活用される。この研究開発テーマでは、Immunoglobulin様細胞外ドメインをターゲットとして難治性疾患治療薬の創薬が目指されてきた。
Immunoglobulin様細胞外ドメインを持つ受容体型チロシンキナーゼは、リガンド分子とのタンパク質間相互作用(PPIs)を介し、悪性腫瘍の発生・進展において無数の重要な働きを担うことで知られる。そのため阻害剤の開発が望まれているが、低分子化合物が結合できるポケットが少ないなどの理由によってその設計は困難を極めていた。今回の共同研究では、AIによってこうした課題の解消が図られる。
AI創薬によるアプローチでシード化合物の最適化を進める
この研究においてインテージヘルスケアと岡山大学は、既にインシリコスクリーニングによってシード化合物を見出しており、多様なモデルにおいてその効果も確認しているという。これらの情報をもとに両者は今後、AI創薬によるアプローチでシード化合物の最適化を進め、悪性腫瘍などの治療薬として期待が可能な新規化合物を獲得するとしている。
参照元:PRTIMES
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