インテック、AIと画像解析を活用した演技解析システムで、日本体操協会の日本代表トランポリン選手を支援

株式会社インテックは、2023年2月16日、AI技術と画像解析を活用した同社の姿勢推定技術を用いて、公益財団法人日本体操協会の日本代表トランポリン選手を支援すると発表した。

この支援においてインテックは、トランポリン競技のような非日常的な動作を高精度に検出できる姿勢推定AIを開発し、選手に具体的な指導が行える演技解析システムを構築。同システムをトレーニングセンター（練習場所）へ常時設置すると共に、特許の取得も目指すとしている。

＜本ニュースの10秒要約＞

• トランポリン競技の動作を高精度に検出できる姿勢推定AIを開発、選手への具体的な指導を実現
• 一般的なカメラの映像から人間の骨格点をAIが検出。ターゲット選手だけの認識・検出も可能
• 選手の姿勢を約95％という高精度で認識。特許取得や医療DX／工業DXといった領域でも活用へ

トランポリン日本代表のトップスポンサーであるインテック

インテックは、2万人以上の社員を擁するTISインテックグループに属する形で、システム開発をはじめとするIT事業を展開している企業だ。近年は、AIやRPAといったデジタル技術を活用して、新たな市場の創造にも取り組んでいる。

同社は、男女トランポリン日本代表のオフィシャルトップスポンサーという顔も持つ。2019年から開始したこのスポンサー活動において同社は、選手を応援すると共に、同社が持つ技術を活用した形での競技支援を検討。その結果として今回、演技解析システムの構築によるトランポリン選手の支援を開始するに至った。

トランポリンの「技の難しさ」「演技の美しさ」を数値化

トランポリンの演技は、10回連続で行ったジャンプに対して「滞空時間の長さ」「着地点の正確さ」「演技の美しさ」「技の難しさ」という4基準で採点が行われる。この4基準のうち、インテックの先端技術研究所では「技の難しさ」「演技の美しさ」の2点に着目。AI技術と画像解析を用いた姿勢推定技術で、この2点における演技の数値化を実現した。

同社の姿勢推定技術では、動画に映った人間の骨格点をAIにより検出できる。かつてのモーションキャプチャーや3D計測のようにマーカーやセンサーを装着する必要がなく、一般的なカメラ1台で撮影した二次元映像で姿勢解析を容易に行うことが可能だ。

この姿勢推定技術の開発にあたりインテックは、日本体操協会から得たデータを活用してデータセットを独自で作成。トランポリン競技に適したアルゴリズムと併せてAIに学習させることで、トランポリン競技のような非日常的な動作を高精度に検出できる姿勢推定AIの開発に成功している。

骨格点情報から動作を解析、採点に関わる姿勢を検出

姿勢推定AIにより実現したインテックの演技解析システムでは、トランポリン競技の映像から選手の姿勢を約95％という高精度で認識。また、姿勢推定技術の活用によって骨格点の遷移情報から動作解析を行い、採点に関わる姿勢の検出や動作のタイミングの自動計算も実現した。

同システムの大きな特徴は、専用の装置や高解像度カメラなどを必要とせず、一般的なビデオカメラやスマートフォンなどで撮影した動画データでも解析が可能である点だ。観客／トレーナー／別の選手が写り込んだ映像であっても、ターゲットの選手のみを認識・検出し、データを取得することができる。

システムを手軽に活用できるよう、スマホアプリ化も

インテックの演技解析システムについて日本体操協会は、選手の演技を可視化できる点を高く評価。選手へのアドバイスがより具体的に行えるようになるため、選手の指導だけでなく指導者の教育にも活用できると考えている。

インテックは今後、トランポリン日本代表選手の日々の練習に演技解析システムが取り入れられるよう、
トレーニングセンターへの常時設置を図る。同時に、システムを手軽に活用できるようスマホアプリ化なども検討。さらに、同システムの運用で蓄積したノウハウについて、医療DX／工業DXといった領域での活用を進めるとしている。

参照元：PRTIMES

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