KDDIグループ、AI開発のELYZAを連結子会社化。生成AIにおけるグローバルモデル以外の選択肢を実現へ
最終更新日:2024年03月21日
KDDI株式会社は、2024年3月18日、株式会社ELYZAとの間で生成AIの社会実装に向けた資本業務提携を締結したと発表した。
この提携は、KDDIおよびそのグループ会社であるKDDI Digital Divergence Holdings株式会社と、ELYZAが締結したもの。ELYZAは、グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを開発した企業であり、同年4月よりKDDIの連結子会社として生成AIの社会実装をさらに加速する。
<本ニュースの10秒要約>
- KDDIとグループ会社が、生成AIの社会実装に向けてELYZAと資本業務提携を締結
- グローバルモデルに匹敵する日本語LLM「ELYZA LLM for JP」を発表したELYZA
- 日本語に最適化された汎用LLMや、業界/領域に特化したLLMへのニーズに応える
生成AIに関する取り組みを進めてきたKDDI
KDDIは、社会の情報基盤を支えるインフラ企業として電気通信事業を展開している。経済発展と社会課題の解決を両立する未来社会の創造に取り組む同社は、昨今の少子高齢化による人手不足を懸念。デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革を進めるべく、生成AI活用の取り組みを開始した。2022年には、DXに係るグループ会社の事業戦略の企画・立案・推進機能などを担うKDDI Digital Divergenceも設立。2023年5月からは、社員1万人を対象として生成AIチャットサービス「KDDI AI-Chat」の実業務使用も行っている。
KDDIはまた、生成AIを含むAI領域への出資にも取り組んで来た。「Open Innovation Fund 3号(運営者:グローバルブレイン株式会社)」などを通じて、顧客体験価値の向上と企業/自治体へのソリューション提供などを推進。こうした取り組みの一環として同社グループは、ELYZAと資本業務提携を締結した。
グローバルモデル以外の生成AIを企業へ提案できるELYZA
ELYZAは、AI研究の第一人者である東京大学・松尾豊教授の研究室のメンバーが立ち上げたAI企業だ。日本国内におけるLLM(大規模言語モデル)の研究開発/社会実装を牽引すると共に、企業のLLM活用や独自LLM開発の支援、AI SaaSの開発/提供といった事業も展開。2024年3月には、グローバルモデルに匹敵する700億パラメータの日本語LLM「ELYZA LLM for JP」も発表している。
KDDIは、グローバルモデル以外の生成AIを企業へ提案できる存在として、ELYZAに注目した。生成AIの実利用が進む昨今の日本では、グローバルモデルだけでは本格的な課題解決に至れないケースが散見されている。こうした状況において、日本語に最適化された汎用LLMや、業界/領域/個社に特化したLLMへのニーズが向上。また、生成AIを実際にビジネスの現場に導入して運用するための支援/ツールに対するニーズも高まってきた。こうしたニーズに応えるには、ELYZAが持つ知見と技術が最適であると考え、今回の提携に至っている。
KDDIグループの計算基盤も援用し、日本語汎用LLMの研究開発を加速
今後KDDIグループとELYZAは、オープンモデルを活用した日本語汎用LLMの研究開発をさらに加速する。開発に際しては、ELYZAが培ってきたLLM研究開発力に加えて、KDDIグループの計算基盤も援用。合わせて、領域特化型のLLM開発や生成AIを活用したDX支援・AI SaaS提供にも取り組み、2024年春より生成AI関連のサービス提供を企業/自治体向けに開始する予定だ。
参照元:KDDI株式会社
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