エクセル・クリエイツ、日本初の3D医用画像AI特許出願。鹿児島大学と法医学向け画像診断システムの共同開発
最終更新日:2025年02月12日

大阪の医療機関向けソフトウェア会社、株式会社エクセル・クリエイツは2025年1月、ディープラーニングを活用した医用3D画像向けの異常検出方法を特許出願した。
本技術は、少量の正常画像データのみを教師データとして学習させることで異常を検出できる画期的な手法だ。
同社は鹿児島大学と共同で、この技術を活用した死後CT画像解析プロジェクトを実施しており、深刻な人手不足に直面している法医学分野での活用が期待されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 少量の正常画像データのみで学習可能な医用3D画像向け異常検出AIシステムの特許を出願
- 鹿児島大学との共同プロジェクトで死後CT画像の解析に活用、頭蓋内出血や頭蓋骨骨折の自動検出システムを開発中
- 法医学分野における医師不足の解消に加え、救急医療での骨折検出やがん診断など幅広い医療分野への応用を目指す
開発背景と課題
外科手術や死因究明のための解剖において、CTやMRI画像の事前確認は必須だ。しかし、この作業には経験豊富な放射線科医や法医解剖医の専門的な判断が必要となる。
現状では、経験値の高い医師の数が限られており、依頼に十分に対応できていない。この状況を改善するため、異常箇所を自動的に検出するシステムの開発が強く求められていた。
技術的特徴と革新性
従来のAI開発では大量の教師データが必要だったが、医療分野では特に希少症例のデータ収集が困難という課題があった。
本技術は、製造業で使用されている手法を応用し、正常画像のみを教師データとして使用。正常との差異から異常を検出する新しいアプローチを実現した。
さらに、3D画像をそのまま学習対象とすることで、2D画像では困難だった骨折の連続性や分岐などの立体的な構造把握を可能にした。
プロジェクトの現状と実用化への道筋
現在、鹿児島大学との共同プロジェクトにおいて、頭蓋内出血と頭蓋骨骨折を検出するAIシステムの開発が進められている。
このシステムにより、解剖実施率が低い日本の法医学分野における医師の負担軽減が期待できる。さらに、救急医療における骨折や出血箇所の検出、がんなどの病変検出など、応用範囲の拡大を目指している。
参照元:PR TIMES
日本初・・2024年11月同社調べ。日本国内における「病変検出推定支援システム」として。

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