武蔵精密工業のAIグループ会社・Musashi AI、トヨタ自動車にAI外観検査装置を追加導入
最終更新日:2023年11月01日
武蔵精密工業株式会社は、2022年12月14日、同社のグループ会社がトヨタ自動車の生産現場に対して、トランスミッションギヤ向けのAI外観検査装置を追加導入したと発表した。
この導入を行ったグループ会社は、AIの技術開発や製造現場への実装を手がけるMusashi AI株式会社だ。同社のAI外観検査装置は、最短1~3か月程度で現場に導入できるというものであり、トヨタ自動車に向けては同年12月時点で計8台のAI外観検査機を導入するに至っている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- AIの技術開発や製造現場への実装を手がけるMusashi AI、トヨタ自動車に計8台のAI外観検査機を導入
- AIの画像認識処理技術を活用し、高精度で不良品を検出。目視検査のミス削減、検査基準の明確化も
- 電気自動車に関する外観検査需要が今後大幅に拡大すると予想、今後もAI外観検査機の開発に注力
無人搬送車やエッジAIデバイス、AI外観検査機などを開発/提供するMusashi AI
武蔵精密工業は、四輪/二輪車用向け部品を製造している企業だ。これらのコア事業において電動/自動運転といった次世代モビリティー向けの商品展開を進めると共に、先端AI技術を活用する事業も推進。その一環として、2019年にはMusashi AIを設立するに至った。
Musashi AIは、イスラエルの技術パイオニア・Ran Poliakine氏が代表を務めるSixAI Ltd.との合弁会社として設立された。「人にはもっと人らしい仕事を」という理念を掲げて製造現場へのAI実装に取り組み、無人搬送車やエッジAIデバイス、そしてAI外観検査機などの開発/提供を行っている。
外観検査において、AIの画像認識処理技術を活用
Musashi AIのAI外観検査機は、武蔵精密工業が80年以上にわたり蓄積してきた製造業での知見を活かす形で開発された。同製品では、製品/部品のキズや汚れなどを確認する外観検査において、AIの画像認識処理技術を活用することで高精度の不良品検出を実現。検査を自動化すると共に目視検査のミスを減らし、また検査基準の明確化やシステム化も可能にしている。
生産ラインに実装しやすい汎用性を持ったデザインである点も、同製品の特徴だ。AIによる画像認識の学習などもスムーズに行われるため、最短の場合は1~3か月程度で生産現場に導入することを可能にした。
Musashi AIは、電気自動車および電動化に関連する部品に関する外観検査需要が今後大幅に拡大すると予想し、AI外観検査機の開発に注力。グローバル展開も加速させ、世界のものづくりの現場に向けた幅広い技術提供を図っている。
2020年よりトヨタ自動車へのAI外観検査装置導入を開始
トヨタ自動車におけるMusashi AIのAI外観検査装置導入は、2020年より開始された。同年12月、トヨタ自動車本社工場のトランスミッションギヤの生産ラインにAI外観検査装置が実装され、量産稼働を開始。その後も、トヨタ自動車の本社工場を含む生産現場に向けて段階的な納入を続けてきた。
AI外観検査装置が導入される以前のトヨタ自動車の現場では、1人の従業員が1日約数万歯の歯面を見る工程が生じていた。従業員の負担が大きかったが、自動化によってこの負担の大幅な軽減を実現。現場からも喜びの声が上がったとして、トヨタ自動車はMusashi AIのAI外観検査装置を高く評価している。
先端AI技術開発によるインダストリー4.0の推進を続ける
今回発表された追加導入により、トヨタ自動車にて稼働するMusashi AIのAI外観検査装置は計8台となった。Musashi AIを擁する武蔵精密工業は、今後も先端AI技術開発によるインダストリー4.0の推進を続けると共に、カーボンニュートラルへの貢献を目指したエネルギーソリューション事業など新事業の創出・拡大にも広く注力するとしている。
参照元:PRTIMES
他にも、製造業でのAI導入事例を詳しく知りたい方はこちら、また、製造業に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
外観検査とは何か、意義、手法種類についてこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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