木村屋總本店とNEC、恋愛番組のAI分析結果を味で表現した「恋AIパン」開発
最終更新日:2024年01月19日
株式会社木村屋總本店は、2024年1月17日、恋愛感情と食品を紐づけて味を表現した「恋AIパン」5種を開発したと発表した。
同商品は、AIを活用した食品開発の実績を持つNEC(日本電気株式会社)と木村屋總本店がタッグを組む形で開発されたものだ。恋愛番組内の会話や楽曲の歌詞をNECのAIで分析した上で味覚に紐づけ、「運命の出会い味」「初めてのデート味」といったパンの開発を実現している。
<本ニュースの10秒要約>
- 若年層の新規顧客や認知獲得に課題があった木村屋總本店が、NECのAIとタッグ
- Abema「今日、好きになりました。」から感情傾向を可視化、食品50種を導き出す
- パッケージ制作もAIを活用、「涙の失恋味」「結ばれる両想い味」などを発売へ
“パンのパイオニア”木村屋總本店と、AI食品開発に取り組んできたNEC
木村屋總本店は、明治2年の創業時から“パンのパイオニア”企業として、各種パン/和菓子/洋菓子の製造および販売を続けている企業だ。歴史を尊重する一方で、時代に合わせた進化も続け、顧客の味覚の楽しみと健康に貢献。研鑽努力を重ねることでさらなる進歩が生まれると考えながら、思いを込めた製品/サービスの提供に取り組んでいる。
同社は主に、百貨店/スーパーといった販売チャネルにおいて自社の商品を展開しているが、ゆえに若年層の新規顧客や認知獲得については課題があった。創業155年を迎える中で同社は、この課題の解決を企図。同様の課題を解決すべく、これまでプリンやクラフトビールなどAIを活用した食品開発に取り組んできたNECとタッグを組み、「恋AIパン」を開発するに至った。
会話データ15時間分を分析、恋愛シーンごとの感情傾向を可視化
「恋AIパン」は、株式会社Abema TVの恋愛番組「今日、好きになりました。」における参加者の会話と、フルーツ/スイーツが登場する曲の歌詞をNECのAIで分析する形で開発された。開発に際しては、フルーツ/スイーツが登場する約3.5万曲の歌詞もデータとして活用。分析された恋愛感情と食品を紐づけることで、パン開発を実現した。
分析に用いられたのは、NECのAI技術群「NEC the WISE」内の「NEC Enhanced Speech Analysis-高性能音声解析-」と「NEC Data Enrichment」だ。音声認識技術を活用した「NEC Enhanced Speech Analysis-高性能音声解析-」では、番組の会話データ15時間分をテキストとして抽出。データ意味理解技術を活用した「NEC Data Enrichment」では、32個の感情ワードとの相関を表した感情スコアを付与することで、恋愛シーンごとの感情傾向を可視化した。「NEC Data Enrichment」ではまた、歌詞分析から食品のイメージが持つ感情傾向も可視化。このプロセスからAIは、食品50種を導き出した。
木村屋總本店の職人は、この食品50種の中から相性の良い食品の組み合わせを選定。最終的に、恋愛感情を味覚で再現する「恋AIパン」を完成させた。
パッケージや商品解説文もAIで作成
「恋AIパン」は、パン本体のみならずパッケージ制作などにもAIが活用された。NEC開発のLLM(大規模言語モデル)である「cotomi」を活用し、食品や感情データを基にする形で商品パッケージを制作。また、特設サイトで用いられる商品解説文についても、「cotomi」で作成されている。
「恋AIパン」の販売は、2024年2月1日より木村屋總本店の直営店やオンラインショップ、関東近郊のスーパーにて順次開始される予定だ。2月1日には「涙の失恋味」「結ばれる両想い味」が、3月1日には「やきもち味」が、4月1日には「運命の出会い味」「初めてのデート味」が、それぞれ発売される。
参照元:PRTIMES
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