AIカンパニーの米パロアルトインサイト、緊急時の需要予測システムをリンガーハットと共同開発
最終更新日:2023年02月10日
米パロアルトインサイト社は、2022年8月18日、緊急事態対応型の需要予測システムを株式会社リンガーハットと共に開発したと発表した。
パロアルトインサイトは、シリコンバレー発AIテクノロジーカンパニー。今回開発されたシステムは、自然災害などの緊急事態下で変化する需要をAIにより予測するものであり、リンガーハットが運営する長崎ちゃんぽん専門店などでテスト運用が既に開始されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 緊急事態に対応した需要予測するAIシステムを、パロアルトインサイトとリンガーハットが開発
- 販売実績・気象情報・地域情報といったデータから需要を予測、適正な発注数の算出などを実現
- リンガーハット店舗にてテスト運用を既に開始、2022年から23年にかけて全国約700店に本導入予定
あらゆる環境に対応できる強靭な需要予測モデルを実現
今般の新型コロナウイルス感染拡大により、消費者の行動様式は大きく変化した。また、国際的な物流の乱れやインフレといった動きも影響し、これまで活用されていた需要予測モデルは通用しなくなりつつある。パロアルトインサイトとリンガーハットは、今後も起こりうる様々な緊急事態に対応し、あらゆる環境下でも柔軟に対応できる強靭な需要予測モデルを実現すべく、新たなシステムの共同開発に至った。
多様に変化する消費者の需要を、AIを活用して予測
今回開発されたシステムは、自然災害やパンデミックといった緊急事態下において多様に変化する消費者の需要を、AIを活用して予測するというもの。予測に際しては、これまでの販売実績や気象情報、地域に関する情報といったデータを基盤として活用する。消費者の需要予測から、適正な発注数の算出や在庫管理・出荷量予測・スタッフ配置を実現し、サプライチェーンの無駄削減を推進。また、通常シナリオと緊急シナリオに一瞬で切り替えることで、オペレーションの遅延解消や業務効率化も可能となっている。
長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」やとんかつ専門店「とんかつ濵かつ」を運営するリンガーハットでは、売り上げを予測するAIシステムを2018年から開発・運用していた。そのため、過去3年分の売り上げデータを学習させたAIシステムを既に構築しており、今回の新システム開発においても過去のデータを活用。新システムでは、直近4~5日分の売り上げデータの変化が反映されるよう改修も行い、緊急時対応の精度と柔軟度を高めている。
全国約700店の「リンガーハット」などに本導入予定
新たに開発された緊急事態対応型システムは、リンガーハットが運営する2店舗にて2022年8月よりテスト運用が開始された。この運用では、同システムをベースとした「自動発注アプリ」および「店舗シフト管理アプリ」を使用。両アプリでは、日付を選択するとその日の予測売り上げ金額と予測来店客数が表示され、1時間ごとの需要予測を店舗ごとに行える。属人的に行っていたシフト管理や需要予測をシステム化し、業務の負担軽減や判断精度向上を可能にしている。
リンガーハットは同システムについて、テスト運用の結果を検証した後、2022年から23年にかけて全国約700店の「リンガーハット」「とんかつ濵かつ」における本導入を予定。一方のパロアルトインサイトは、今後も日本のAIを民主化し、AIの力であらゆる社会課題の解決を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
AIによる需要予測の手法、メリット・デメリット、導入事例についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。
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