パナソニック、特許調査支援サービス「PatentSQUARE」の「AI自動分類」機能をカネカに導入
最終更新日:2023年02月16日
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社は、2023年2月14日、同社の特許調査支援サービス「PatentSQUARE」が持つオプション機能「AI自動分類」を、株式会社カネカに導入したと発表した。
「PatentSQUARE」はパナソニックの特許調査ノウハウをシステム化したサービスであり、「AI自動分類」は知財部門における分類付与業務をAIによって自動で行う機能だ。導入先となるカネカは、この「AI自動分類」により年間1,800時間の調査工数削減を見込んでいる。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 特許調査の分類付与業務をAIによって自動で行う、「PatentSQUARE」の「AI自動分類」
- 蓄積された評価データから客観的かつ高精度で分類を判断、ノイズ情報を自動でカット
- カネカは年間1,800時間の工数削減を実現、特定の熟練者に負担が集中する問題も解決
パナソニックの調査ノウハウをシステム化した「PatentSQUARE」
特許調査は、あらゆる企業にとって重大な業務となるが、機械/精密機器/化学/医薬品/情報通信といった業界ではより重大さが増す。特許は国内外で膨大な数が存在し、また調査では多くの文献を読み込む必要もあるため、研究開発に取り組む技術者にとっては調査業務の効率化・生産性向上が急務となっている。
こうした特許調査を支援するサービスが、「PatentSQUARE」だ。「PatentSQUARE」は、様々な技術・開発現場で活用されているパナソニックの調査ノウハウをシステム化したサービスであり、調査ノウハウを持たない現場の技術者・開発者でも使いやすいという特徴を持つ。約30年にわたって多くの知財専門家や研究開発者から利用されており、そのフィードバックからサービス・機能の拡充も続けている。
AIが客観的かつ高精度な分類判断を行う「AI自動分類」
「PatentSQUARE」は、オプション機能として「AI検索機能」と「AI自動分類」を備える。
「AI検索機能」は、自然文を使って類似特許を検索できる機能であり、表記ゆれを気にしたり同義語などのキーワードを追加したりする必要がない。検索結果はAIスコアの降順に表示されるため、関連性の高いと思われる文献から査読が可能だ。特許調査に慣れていない現場技術者も、手軽かつ素早く特許調査を行うことができる。
「AI自動分類」は、社内分類の付与業務における課題を解消する機能だ。知財部門などが担う社内分類の付与業務を行う際には、「ノイズ(不要な情報)が多く振り分け工数が増大」「技術知見がなく判断が困難」「分類作業のボリュームがリソースを圧迫」といった課題が多出する。「AI自動分類」は、すでに蓄積された評価データから客観的かつ高精度な分類判断を行うことで、付与業務の課題解消を可能にしている。
必要な情報の検索漏れを防ぎつつノイズを削減
今回「PatentSQUARE」の「AI自動分類」を導入したカネカは、特許のSDI調査(定期的・継続的に行う特許調査)における毎月の調査対象が約1,000件に達しており、各事業部の技術者にとって大きな負荷となっていた。
この負荷の削減にあたりカネカは、特許調査におけるノイズを自動的にカットできれば、調査が大幅に効率化できると考えた。必要な情報の検索漏れを防ぎつつノイズを削減するには、AIの活用が最適であると判断し、「AI自動分類」を導入するに至っている。
作業時間を従来の1/2にまで圧縮、調査品質のバラつきも解消
「AI自動分類」の導入によりカネカは、SDI調査の作業時間を従来の1/2にまで圧縮した。全社合計では、年間1,800時間の工数削減を実現している。また、分類付与作業の負担軽減によって特許調査そのもののスピードも速まり、調査結果の取りまとめに要する期間は従来の1/3に短縮。AIによって調査品質のバラつきも解消し、特定の熟練者に調査負担が集中する問題も解決した。
パナソニックは今後も、特許調査負荷の軽減や特許情報の活用促進への貢献を目指し、AI・ICT技術を活かしたサービスの開発・改良に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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