「PIXTA」、自社グループ内にアノテーション部門を新設。機械学習をスピーディーかつ低コストで支援
最終更新日:2023年01月20日
ピクスタ株式会社は、2023年1月19日、同社が運営するデジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」において、アノテーション部門を新たに発足したと発表した。
このアノテーション部門は、同社グループの海外開発拠点・PIXTA VIETNAM社と連携する形で立ち上げられた。同部門を通じて「PIXTA」は、販売素材におけるアノテーション付与や骨格データ付与といったサービスの提供を実現。今後は、機械学習の知見を活かしてクライアント企業のAI開発支援も行うとしている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 機械学習の開発を担う海外開発拠点・PIXTA VIETNAM社、そのAI開発チーム内にて設立
- 販売素材におけるアノテーション付与や骨格データ付与といったサービス提供を実現
- 高度な検索代行も可能に。アノテーションツールの自社開発やAI開発への寄与も目指す
機械学習案件の売上が前年の3倍にまで拡大した「PIXTA」
「PIXTA」は、プロ・アマチュア問わず誰もが写真・イラスト・動画・音楽といったデジタル素材をオンラインで売買できるマーケットプレイスだ。2006年5月の開設以来、あらゆるジャンル/媒体の制作を素材の面から支え、クリエイティブな分野の人々から高い支持を獲得している。
AI領域においても「PIXTA」は、素材となるデータの提供事業を展開。2018年には機械学習用途として画像データの販売を開始し。「人物画像データセット」「マスク着用日本人画像データセット」「人物俯瞰画像データセット」といった商品で需要を拡大してきた。多くの企業から問い合わせも受けるようになり、機械学習案件での売上は前年の3倍にまで拡大している。
アノテーションへの要望に応えるべく新部門を設立
機械学習用途の画像データ販売を拡大するに連れて「PIXTA」は、アノテーションに関する相談を多く受けるようになったという。
それまで「PIXTA」においてアノテーションへの対応は、提携企業の力を借りる形で行われたいた。しかし問い合わせが増加し続ける状況を目の当たりにして運営元のピクスタは、よりスピーディーかつスムーズに要望へ応える必要があると判断。そのための施策として、アノテーション部門を発足するに至った。
同部門は、機械学習を使った開発などを担うPIXTA VIETNAM社とピクスタが連携する形で設立された。PIXTA VIETNAM社は、現地ベトナムにて2016年5月に立ち上げたピクスタの海外システム開発拠点であり、同年10月には機械学習に取り組むAI開発チームを発足。肖像権審査の効率化や類似画像検索機能の追加、タグ情報の自動付与といった取り組みを、「PIXTA」において手がけてきた。
AI開発チームが持つ技術と、画像審査の人材を結集
「PIXTA」のアノテーション部門は、 PIXTA VIETNAM社のAI開発チーム内にて設立された。同部門は今後、AI開発チームが持つ技術と、ピクスタが擁する画像審査の経験豊富な人材とを結集する形で、アノテーションサービスの提供を行う。
具体的なサービスとしては、バウンディングボックス(外接矩形)/キーポイント(骨格データ付与)など多種多様な最先端のアノテーション技術を、クライントの要望に応じて提供する。自社グループ内の部門で業務を行うことで、納期スピードは約半分、コストも約6~7割に抑えることが可能となった。
また同部門では、教師データとして必要な要件を満たした画像データの収集も支援。8,000万点を超える「PIXTA」の画像データに対して高度な検索を行い、人力では困難な条件の画像収集を実現するとしている。
クライアント企業のAI開発支援を目指す
「PIXTA」におけるアノテーション部門発足によりピクスタは、アノテーション付与といったサービス提供に取り組むと共に、アノテーションツールの自社開発も推進。同ツールの開発に際しては、同社がこれまで画像審査によって蓄積してきたデータと技術も活用される予定だ。
さらに同社は、AI開発チームやアノテーション部門における開発の質・スピードを共に向上させることにより、スケールの大きなデータを取り扱うAI開発への寄与も企図。自社での開発で得た知見により、クライアント企業のAI開発支援を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
画像認識の仕組みや種類を詳しく知りたい方はこちら、また、画像認識に強い開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
他にも、アノテーションの仕組みを詳しく知りたい方はこちら、またアノテーション会社をお探しの方はこちらの記事もご参考ください。
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