NTTデータグループのクニエ、チュニジアでのAI画像診断支援の実証実験を米DeepTek社と共に開始

株式会社クニエは、2022年11月29日、チュニジアにおけるAI画像診断支援の実証実験を、DeepTek社（DeepTek Inc／米国）と共に開始したと発表した。

クニエはNTTデータグループに属するコンサルティングファームであり、DeepTek社はAI画像診断支援ソリューションを開発・提供しているスタートアップ企業だ。開始された実証実験では、AIによる診断精度向上や医師業務の効率化・高度化の効果について検証を行う。

＜本ニュースの10秒要約＞

• 途上国のビジネス支援も行うクニエと、AI医療画像診断のDeepTek社が協働
• AIによる診断精度向上や業務効率化・高度化の効果を検証。チュニジア保健省も協力
• 有効性が確認できた場合、AI画像解析技術を広く展開。アフリカの医師不足解決に貢献

放射線科医の業務効率化と誤診削減が期待できるAI画像診断支援

医療体制が整っていない開発途上国では、先進国であれば助かる可能性が高い病気であっても命を落とす人が多い。途上国が抱える医療課題の中でも医師不足は深刻な状態であり、人々が十分な医療が受けられない大きな要因となっている。

医師不足については、特に放射線科医が世界的に不足しており、結核罹患率が高いアフリカ諸国ではさらに不足が著しい。X線やCTなどの画像診断機器の設備を整備しても、医師が不足していると医療サービスの向上は困難となる。

これらの課題をアフリカにて解決すべく、AI技術を用いた画像解析を診断の補助として導入することが検討されるようになった。AI画像診断支援では、放射線科医の業務効率化と誤診削減が特に期待できる。クニエとDeepTek社による今回の実証実験も、こうした医師不足の解消を図る取り組みとして開始された。

開発途上国におけるビジネス開発を支援してきたクニエ

クニエは、ビジネスコンサルティング企業としてクライアントの挑戦を支援し、高度な専門性と経験を活かしたソリューションを広範に提供している。またこれら事業の一環として、開発途上国におけるビジネス開発を支援してきた経緯も持つ。

一方のDeepTek社は、肺画像に特化したAI医療画像診断ソリューションや遠隔読影サービスを開発・提供しているスタートアップ企業だ。同社のソリューションは、肺画像の解析のみならず診断結果をカルテに記録する機能も備え、医師の業務負荷軽減も可能となっている。

クニエの親会社であるNTTデータは、DeepTek社は出資を行っている。この経緯からクニエはDeepTek社に働きかけ、共同で実証実験を行うに至った。

DeepTek社のAI画像診断支援ソリューションを活用して実証

チュニジアにて開始された実証実験では、DeepTek社のAI画像診断支援ソリューションを活用し、実際の患者の肺画像データを用いた検証が行われる。

実証が行われる施設は、同国の公立高次病院であるアブデラハメンマミ病院（Abderrahmen Mami Hospital）だ。同病院のサーバーにAI画像解析システムを構築し、院内サーバーでのみデータ処理を行うことで、個人情報保護および患者の匿名性担保が図られる。

チュニジアは、アフリカ諸国の中でも医療サービスの質が高いことで知られる。医療サービスのデジタル化に対しても非常に意欲的な国であり、今回の実証実験においてもチュニジア保健省が協力を行う。

AIによって医師業務の効率化および高度化を支援、医師不足の解決に貢献

この実証実験についてクニエとDeepTek社は、AI画像解析技術の有効性が確認できた場合、同技術のチュニジア全土や周辺諸国に向けた展開を企図。AIによって医師業務の効率化および高度化を支援し、アフリカ諸国での医師不足課題の解決に貢献するとしている。

またクニエは、開発途上国の医療課題の解決に貢献すべく、所属するNTTデータグループの技術・知見も活用する形でさらなる事業展開を進めるとしている。

参照元：PRTIMES

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