環境配慮型の新素材を開発するTBM、素材開発を加速すべくMI(マテリアルズ・インフォマティクス)活用を開始
最終更新日:2024年07月05日
株式会社TBMは、2023年1月5日、素材開発業務においてMI(マテリアルズ・インフォマティクス)活用に向けた取り組みを開始したと発表した。
TBMは、石灰石を主原料とする環境配慮型の新素材「LIMEX」の開発・製造に取り組む企業だ。MIは、統計分析などインフォマティクス(情報科学)の手法によって材料開発を高効率化する取り組みであり、この施策により同社は環境配慮型素材の開発加速を図る。
<本ニュースの10秒要約>
- インフォマティクスの手法によって材料開発を高効率化、新素材「LIMEX」などの開発を加速
- 世界中で高まる環境配慮素材へのニーズを受け、素材開発の短期化を図るべくMI導入を決定
- 開発・製造に関する技術データ基盤も確立して競争力を強化、MIソリューションの構築も予定
環境配慮型の新素材「LIMEX」「CirculeX」を開発するTBM
TBMは、2011年の創業時よりLIMEXおよびLIMEX製品の開発・製造・販売に取り組んでいる。LIMEXは、炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含んだ無機フィラー分散系の複合素材であり、石油/水/森林資源といった資源の保全に貢献できる特徴を持つ。既に10,000以上(事業所数含む)の企業/自治体等に採用されており、G20などの国際会議でも紹介されてきた。
同社はさらに、LIMEXや使用済みプラスチックなどを原料とする再生素材として「CirculeX」も開発。従来は使用後に焼却/廃棄されてきた資源を再生材料として活用することで、石油資源の保全やCO2排出量の削減への貢献も実現した。このCirculeXについても、「使えば使うほど世界のプラごみを減らせるゴミ袋」といった製品の全国展開を既に開始している。
統計的な手法を用いて、革新的な新素材の開発を短期化できるMI
LIMEXとCirculeXを展開する中でTBMは、世界中で環境配慮素材へのニーズが急速に高まっていることを察知した。そしてこのニーズに応えるためには、素材開発の短期化や機能性の高度化、製造品質の向上が不可欠であると判断。そのための施策として今回、MI活用に向けた取り組みを開始するに至った。
MIは、革新的な機能を有する新素材の開発や製造条件探索の短期化を、統計的な手法を用いて実現する取り組みだ。これまで多大な時間と費用を要していた材料開発を高効率化することが可能であり、世界各国の化学・素材メーカーも既に成果を上げ始めつつある。日本政府も、MI普及に向けた様々な取り組みを主導しており、機械学習を活用して材料設計に関するデータを分析する大手企業も現れ始めた。
このMIを活用してTBMは、素材開発の加速を実現すると共に、開発・製造に関する技術データ基盤も確立し、グローバルでの事業拡大に向けた競争力の強化も図るとしている。
米MIベンチャーのプログラムを導入、MIソリューションの構築も見据える
TBMが開始したMI活用は具体的には、Enthought社の「マテリアルズ・インフォマティクス・アクセラレーションプログラム」を導入する形で行われる。Enthought社は米国のMIベンチャーであり、日本企業での導入実績も既に持つ。
Enthought社のプログラムを活用してTBMは、社内のMI能力開発や人材育成を推進。体系的なデータ管理体制の構築も進め、さらには素材開発課題を解決するMIソリューションの構築も見据えている。
参照元:PRTIMES
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