Code Llamaとは?モデル種類・料金・活用メリット・始め方・コード生成での注意点を徹底紹介!
最終更新日:2025年01月28日
システム開発の現場で、コードを書く時間やバグ修正に追われる方も多いのではないでしょうか?
Meta社が2023年8月にリリースした「Code Llama」は、プログラミングコードの生成に特化しており、自然言語での指示にも対応し、プログラマーやエンジニアから支持を集めています。
2024年1月29日にリリースされた「Code Llama 70B」は、オープンモデルの中でもトップレベルの性能を誇る最新LLM(大規模言語モデル)です。
本記事では、Code Llamaの概要や利用料金などの基本情報から、活用メリットや導入方法、利用時の注意点までを紹介します。開発シーンにCode Llamaの導入を検討している企業担当者にとって、Code Llamaがどのように役立つのかを詳しく知ることができる内容となっています。
ぜひ最後までご覧いただき、Code Llama活用のヒントをつかんでください。
関連記事:「コード生成AIの特徴や活用シーン、おすすめのサービスを詳しく解説」
AI Marketでは
目次
Code Llamaとは?
Code Llamaとは、Meta社が自社のLLM「Llama 2」を基盤に構築した高度なプログラミングコード生成AIです。途中まで書いたプログラムの続き、コードに関連する説明文などを自然言語の指示で生成できます。
Code Llamaは、Llama 2で用いた学習データにコード固有のデータセットが加えられています。最大100,000トークンのコンテキスト長をサポートしており、より長いシーケンスを安定して生成できるよう最適化されている点が大きな特徴です。
また、Code Llamaはコードと自然言語の両方を入力として受け取り、コードだけでなく、自然言語でコードの内容を説明するドキュメントも生成できます。Python・C++・C#・Java・PHPなど、主要な言語を網羅しているのも実用性に優れている点です。
Code Llama は、コーディングに関するベンチマークでオープンモデルの中でも最先端のパフォーマンスを達成しています。HumanEval と MBPP でそれぞれ最大 53% と 55% のスコアを獲得しました。
特に、Python向けにファインチューニングされたCode Llama – Python 7B は、7Bという小型サイズにもかかわらず、 HumanEval および MBPP で Llama 2 70B よりもパフォーマンスが優れています。
このような機能から、Code Llamaはコード全体のコード補完やデバッグなどに利用でき、プログラマーやエンジニアのコーディングをサポートするツールとして期待されています。
Code Llamaの基盤「Llama 2」とは?
Code Llamaの基盤モデルであるLlama 2は、Meta社が開発したオープンソースのLLM(大規模言語モデル)で、高い自然言語処理能力を持つ点が特徴です。
Llama 2は、推論やコーディング、知識テストといった幅広いタスクを対象とするベンチマークにおいて、他のLLMよりも高い性能を示しています。特に、マルチタスク処理能力に優れ、複雑なタスクや高度な要求にも対応できる柔軟性が評価されています。
Llama 2の高い自然言語理解能力が、Code Llamaに採用された大きな理由です。
Code LlamaはLlama 2を基盤とすることで、コード生成や補完、デバッグといったタスクに加え、コードに関する自然言語生成でも高い品質を実現しています。
関連記事:Llama 2(ラマ2)とは?日本語使える?将来性や特徴、MetaのオープンソースLLMの使い方徹底解説!
Code Llamaのモデル種類
Code Llamaからは以下3種類のモデルが提供されています。
モデル名 | 概要 |
---|---|
Code Llama | さまざまなプログラミング言語に対応する基礎的なコードモデル |
Code Llama – Python | Pythonに特化したモデル 1,000億トークンのPythonコードを用いてさらに微調整されたモデル |
Code Llama – Instruct | 自然言語の指示を理解するためにファインチューニングされたモデル |
それぞれのモデル種類は、7B・13B・34B・70Bのパラメータを持つ4つのサイズでリリースされています。
例えば、7Bと13Bは中間補完(FIM)機能で学習されており、既存のコードにコードを挿入するタスクにも適用可能です。一方で、34Bや70Bモデルは、大規模プロジェクトや高度なコーディング支援が必要な場面に適しています。
各モデルは多様なプログラミング環境やニーズに応じて使い分けることができ、より効果的な開発を実現できます。
参考:Introducing Code Llama, a state-of-the-art large language model for coding |Meta
▼累計1,000件以上の相談実績!お客様満足度96.8%!▼
Code Llamaの活用メリット
Code Llamaを活用することで、システム開発の効率や質が大幅に向上します。以下では、具体的な活用メリットを紹介します。
システム開発効率の向上
Code Llamaは16,000トークンもの膨大なシーケンスデータで学習されており、他のコード生成AIでは難しい大規模な開発にも適用可能です。また、最大100,000トークンのコンテキストを扱うことができます。
特にCode Llama – Instructでは、イメージするプログラムを自然文で指示するだけで、短時間で高品質なコードを大量に生成できます。
また、生成したコードに対してエラーの検出や修正提案も行う機能も備えています。
このような機能を活用すれば、開発経験が浅いプログラマーやエンジニアでもスピーディに実装を進めることができ、大規模なプロジェクトでも開発時間を総合的に短縮可能です。
したがって、Code Llamaはシステム開発の効率を大幅に向上させられるツールとして、あらゆる規模のプロジェクトで効果的に活用できます。
エンジニア教育コストの削減
Code Llamaのコード補完や生成、自然言語機能を活用すれば、初心者でもプロレベルのコードを作成できます。
例えば、Code Llama – Instructでは「実装されているコードがどのように動作するのか」や「タスクを達成するにはどのように記述すればよいか」など、コードに関する内容を自然文で質問できます。
そのため、プログラミング言語特有の専門用語や構文を詳しく知らない初心者でも学習をスムーズに進めることができ、エンジニア教育にかかるコストを大幅に削減可能です。
また、Code Llamaのデバッグ機能ではコード全体を渡すことが可能なため、デバッグに必要な時間を削減でき、教育だけでなく実務でも効率化が図れます。
したがって、Code Llamaは初学者のスキル向上をサポートしつつ、教育にかかる人的・時間的コストを最小限に抑えるツールとして役立ちます。
エラーリスクの軽減
Code Llamaの自動エラー検出機能と修正提案を活用することで、バグの発生を未然に防ぐことが可能です。そのため、開発初期から品質を高めるだけでなく、修正にかかるコストや時間を削減できます。
自然言語生成とプログラムコード生成の両方に対応するモデルでは、特に安全性と性能のバランスが課題になる傾向にあり、初歩的なバグを含むコードを生成することも少なくありません。
その点、Code Llama – Instructは、高いコード生成能力と安全性を両立するよう設計されています。そのため、プログラミング経験の浅いエンジニアでも信頼性の高いコードを作成でき、全体としてエラーリスクの軽減につながります。
多様なプログラミング言語対応
Code Llamaは、以下に挙げるような主要なプログラミング言語に対応しています。
- Python
- C++
- Java
- PHP
- TypeScript (JavaScript)
- C#
- Bash
そのため、さまざまなプログラミング言語を扱う開発プロジェクトに対して1つでサポートできます。異なるプログラミング言語が混在するプロジェクトやマイグレーションプロジェクトでも、スムーズに進められます。
また、新しいプログラミング言語を取り入れる際の参入障壁を大きく下げられる点も大きなメリットです。Code Llamaの自然言語指示機能や補完機能を活用することで、特定の言語に精通していない場合でも、必要なコードを迅速に作成できる環境が整います。
Code Llamaの多言語対応能力により、言語対応能力の柔軟性を高め、開発プロセス全体の効率化と生産性向上に貢献します。
▼累計1,000件以上の相談実績!お客様満足度96.8%!▼
Code Llamaの始め方
Code Llamaをローカルマシンで使用するには、以下のどれかのページから、Code Llamaのモデルコードなどのダウンロードとセットアップが必要です。
それぞれのプラットフォームで、無料のアカウント登録が必要です。
7B、13B、34Bの各モデルに応じてモデルのサイズが異なりますので、自身の環境に合わせてモデルを選択します。セットアップ時には、事前に訓練されたモデルを使って、プロンプトと結果を調整していきます。
Code Llamaは商用利用できる?
Code Llamaは研究用途だけでなく商用利用も可能です。ただし、以下の「GitHubのライセンスドキュメント」にあるように、商用利用について条件が設けられていることに注意しましょう。月間アクティブユーザー数が7億人以下のサービスや製品においては、Code Llamaを商用目的で利用できます。
“If, on the Llama 2 version release date, the monthly active users of the products or services made available by or for Licensee, or Licensee’s affiliates, is greater than 700 million monthly active users in the preceding calendar month, you must request a license from Meta”
Llama 2 バージョンのリリース日に、ライセンシー(使用者)またはライセンシーの関連会社が使用、または開発した製品またはサービスの月間アクティブ ユーザー数が、前月において 7 億人を超えている場合は、次の月にライセンスをリクエストする必要があります。
引用:LICENSE(訳文は編集部責)
上記にあるように、7億人を超える場合には、Meta社から個別のライセンス許可を取得する必要があります。許可の取得はMeta社の裁量に委ねられており、許可が得られるまでは商用利用の権利を行使できません。
Code Llamaの利用料金
Code Llamaは、月間アクティブユーザー数が「7億人以下」の場合に限り、無償での商用利用が認められています。そのため、多くの中小企業やスタートアップ企業では、追加の費用負担なく、実質的に無料の商用ツールとして活用可能です。
ChatGPTをはじめ多くのコード生成AIではAPI料金が発生する一方で、Code Llamaではコストを気にせずに先進的な生成AIモデルを活用できる環境が整っています。ただし、今後利用ユーザーの増加などに伴い、利用料金が変更になる可能性もあるため、詳細はMeta社のライセンス規約に従う必要があります。
Code Llama活用時は日本語使用に注意
Code Llamaを活用する際には、特性や機能制限を理解し、適切に運用することが重要です。
Code Llamaは、英語および関連するプログラミング言語での利用を意図して設計されています。日本語を含む他の言語にも一定の対応がありますが、その精度は英語に比べて低いようです。
そのため、プロンプト入力のために日本語を使用する場合は、翻訳ツールで英語に翻訳して利用する、もしくは日本語に対応する別のコード生成AIの利用を検討する必要があります。
他には以下のようなコード生成AIが人気で、よく使われています。
製品名 | 開発元 | 特徴 |
---|---|---|
GitHub Copilot (GitHub Copilot X) | GitHub (Microsoft) |
|
Amazon CodeWhisperer | Amazon Web Services (AWS) |
|
Codestral Mamba | Mistral AI |
|
v0 (ブイゼロ) | Vercel |
|
Code Llama | Meta |
|
Code Llamaについてよくある質問まとめ
- Code Llamaはどのような用途に適していますか?
コード生成、コード補完、デバッグ支援、自然言語によるコード説明生成など、プログラミングに関連する幅広いタスクに利用できます。特に、大規模な開発プロジェクトや、複数のプログラミング言語を扱う環境での効率化に役立ちます。のライセンス許可が必要です。
- Code Llamaはどのプログラミング言語に対応していますか?
Code LlamaはPython・C++・Java・PHP・Typescript(Javascript)・C#・Bashなど、幅広い主要なプログラミング言語に対応しています。
複数言語が混在するプロジェクトでも一貫して活用することが可能です。
- Code Llamaは日本語に対応していますか?
Code Llamaは英語での利用を前提に設計されていますが、日本語にも一定の対応は可能です。しかし、英語に比べて精度が低いため、日本語でプロンプトを入力する場合は翻訳ツールを利用するか、日本語に特化した他のAIツールを検討する必要があります。
まとめ
Code Llamaは、Meta社が開発した高度な生成AIで、特にコード生成に特化したオープンソースの言語モデルです。
大規模な入力コンテキストや複雑なプログラミングタスクにも対応できる、柔軟性と高性能を兼ね備えています。開発効率の向上、教育コストの削減、エラーリスクの軽減など、多くのメリットを提供します。
しかし、Code Llamaはあくまでツールであり、その効果を最大化するには、適切な知識と運用が不可欠です。もし、Code Llamaの導入や活用について、より詳細な情報や専門的なアドバイスが必要な場合は、AI技術に詳しい専門家への相談を検討してください。
ぜひ本記事を参考にCode Llamaを導入し、開発業務のさらなる向上を目指しましょう。
AI Marketでは
AI Marketの編集部です。AI Market編集部は、AI Marketへ寄せられた累計1,000件を超えるAI導入相談実績を活かし、AI(人工知能)、生成AIに関する技術や、製品・サービス、業界事例などの紹介記事を提供しています。AI開発、生成AI導入における会社選定にお困りの方は、ぜひご相談ください。ご相談はこちら
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
運営会社:BizTech株式会社
掲載記事に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-contents@biz-t.jp