Amazon CodeWhispererとは?Amazon Q Developerとの統合で変わったことは?AWSのコード生成AI徹底解説!
最終更新日:2024年11月11日
システム開発の高速化、効率化をお考えの方で、Amazon CodeWhispererの活用をお考えの方も多いかもしれません。
本記事では、
尚、2024年4月30日より、Amazon CodeWhispererはAmazon Q Developerに統合され、Amazon Q Developerに統合されています。
関連記事:「コード生成AIとは?企業ユースにおすすめのサービスでプログラミングを効率化!」
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目次
Amazon CodeWhispererとは?
Amazon CodeWhispererは、Amazonが提供する機械学習ベースのコード生成AIサービスです。多くのエンジニアの助けとなる強力なツールです。
開発者が書いたコメントや既存のコードを分析し、コンテキストに基づいて適切なコード候補を生成します。開発者の意図を理解し、コンテキストに応じた適切なコード候補を提示することで、コーディングの効率化と品質向上を支援してくれるツールです。
断片的なコードの提案や補完はChatGPTでも可能ですが、Amazon CodeWhispererを使えば、より高効率で大量のコーディング支援が可能になります。
AWSエコシステムに特化しているAmazon CodeWhispererに対して、競合コード生成サービスとは以下のような違いがあります。
料金プラン
2024年4月30日より、Amazon CodeWhispererはAmazon Q Developerの一部となっています。Amazon Q Developerの料金プランは以下の通りで、個人利用の場合は無料から始めることができます。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- 無料プラン
- プロフェッショナルプラン:月額約2850円(19ドル)~
個人利用の場合は無料で利用でき、AWS Builder IDでサインアップするだけで使用可能です。企業での利用を想定したプロフェッショナル版も提供されています。
Amazon Q Developerに統合されて何が変わった?
2024年4月30日より、Amazon CodeWhispererはAmazon Q Developerの一部となり、いくつかの重要な変更が行われました。
すべてのCodeWhispererの機能はAmazon Q Developerに統合されました。加えて、Amazon Q Developerには、CodeWhispererにはなかった以下の新機能が追加されました。
- 自然言語によるAWSリソースの理解と管理
- データ統合パイプラインの構築
- 会話型コーディング
また、CodeWhispererではプロフェッショナルプラン(有料)だった以下の機能が、Amazon Q Developerでは無料で提供されるようになりました。
- ソフトウェア開発機能(旧 機能開発)
- コード変換機能(Javaの言語バージョン更新機能)
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Amazon CodeWhispererの重要な6つの特徴
Amazon CodeWhispererの主要な特徴は以下の通りです。
リアルタイムコード生成
コードのコメントや既存のコードに基づいて、リアルタイムでコードの提案を行います。単一行から関数全体まで、さまざまな範囲のコードを生成します。
開発者はコーディングの手間が省けるだけでなく、コードの最適化を進めることが可能になります。
セキュリティスキャン
Amazon CodeWhispererは、効率が良く、読みやすいコードを提案するだけでなく、コード内の脆弱性を検出し、修正の提案もします。開発しているツールやサービスのセキュリティ面を強化することもできます。セキュリティ基準が高まっている昨今において、この点は重要なポイントです。
広範な言語サポート
Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#など、複数のプログラミング言語に対応しています。最近では、Go、Rust、PHP、Rubyなどの言語サポートも追加されました。あらゆる開発用途に対応できるサービスとなっています。
統合開発環境のサポート
Visual Studio Code、IntelliJ IDEA、AWS Cloud9など、主要なIDE(統合開発環境)と統合されています。開発者は慣れ親しんだ環境でCodeWhispererを利用でき、ストレスなく開発を進めることができます。
統合されたAmazon Q Developerでは、CodeWhispererの機能に加えて、IDEでの会話型コーディングなど、より広範な開発支援機能を提供しています。
プロフェッショナル機能
企業向けに提供されるプロフェッショナルプランでは、SSOやIAM Identity Centerの統合、コードの参照ポリシー管理などの機能が使用できます。これにより開発環境の安全性をより高めた上で、サービス品質を向上させます。
ライセンス情報の照合
Amazon CodeWhispererのリファレンストラッキング機能は、生成されたコードとオープンソースコードとの類似性をチェックし、ライセンス情報を提供します。
コード生成時に、CodeWhispererは生成されたコードとパブリックコードリポジトリ内のコードとの類似性を自動的に分析します。類似性が検出された場合、そのコードの出典となる可能性のあるGitHubリポジトリへのリンクと、関連するライセンス情報が表示されます。
コードの透明性を高め、適切なクレジット表示やライセンス遵守を促進するのに役立ちます。ただし、完全な法的保証を提供するものではないため、重要なプロジェクトでは法務チームや専門家に相談することが推奨されます。
Amazon CodeWhispererがもつGitHub Copilotとの違い
Amazon CodeWhispererとよく比較されるのが、GitHub Copilotです。どちらもAIを活用したコード生成アシスタントですが、それぞれ異なる特徴と強みがあります。ここでは、その主要な違いについて解説します。
関連記事:「Github Copilotとは?プログラミングがどう変わる?特徴やメリット・注意点わかりやすく解説!」
特化領域とユースケース
Amazon CodeWhispererは主にAWSエコシステム内での開発を支援するために最適化されています。AWSのAPIやサービスに関するコードの推奨やガイダンスを提供し、AWSベストプラクティスに基づいたコーディングを促進します。特にAWSを主に利用している企業に適しています。
一方、GitHub Copilotはより汎用的なAIコードアシスタントとして、多様なプログラミングタスクをサポートし、幅広い言語やフレームワークに対応しています。GitHub を中心としたワークフローを持つ企業や、オープンソースプロジェクトに積極的に関わる組織にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
開発環境のサポート
Amazon CodeWhispererはVisual Studio Code、JetBrains IDE、AWS Cloud9、およびAWS Lambdaコンソールと統合されており、特にAWS開発環境に強みを持っています。GitHub Copilotは、Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains IDE、Vim、Neovim、Azure Data Studioなど、さまざまな統合開発環境(IDE)とシームレスに統合されます。
セキュリティ機能
Amazon CodeWhispererは、独自のセキュリティスキャン機能を内蔵しており、コード内の脆弱性を検出し、修正の提案を行います。セキュアなコーディングをサポートします。また、リファレンストラッカー機能: オープンソースのトレーニングデータを基に、類似している可能性があるコードを検出します。
GitHub Copilotは主にコード生成とオートコンプリートに焦点を当てており、セキュリティ面での指摘はAmazon CodeWhispererよりも劣ります。
トレーニングデータとプライバシー
GitHub Copilotは、主にGitHubのパブリックリポジトリから収集されたデータで訓練されており、豊富なコード例に基づいた推奨を提供します。Amazon CodeWhispererは、AWSの内部データおよび公開されているコードを利用して訓練されており、特にAWSサービスの利用に最適化されています。また、CodeWhispererはオープンソースのトレーニングデータに類似するコードを推奨する場合に、そのライセンス情報を提供し、開発者が適切なライセンス管理を行えるようサポートします。
料金体系
Amazon CodeWhispererを個人で使う場合は無料です。つまり、個人的なプロジェクトや学習目的で使うなら、お金を払う必要がありません。
一方、GitHub Copilotは、個人で使う場合でもお金がかかります。月に約1,500円(10ドル)か、年間で約15,000円(100ドル)を支払う必要があります。
Amazon CodeWhispererの活用シーン
Amazon CodeWhispererは様々な開発シーンで活用することができます。以下は、具体的な活用シーンの例です。
マイクロサービスアーキテクチャの設計支援
Amazon CodeWhispererは、マイクロサービスアーキテクチャの設計と実装を支援します。例えば、各サービス間の通信やデータ管理を効率化するためのコードを提供します。スケーラブルで柔軟なシステムの構築が容易になります。
テストコードの自動生成
Amazon CodeWhispererは、ユニットテストや統合テストの自動生成にも役立ちます。例えば、新しい機能を追加する際に、その機能を検証するためのテストコードを自動で生成します。テストカバレッジが向上し、バグの早期発見と修正が可能になります。
新しいプログラミング言語の学習
Amazon CodeWhispererは、複数のプログラミング言語をサポートしており、開発者が新しい言語を学ぶ際に役立ちます。すぐにサポートやアドバイスを受けられる環境があることで、開発者の学習スピードは向上し、学習効率は格段にあがります。
ボイラープレートコードの生成
開発プロジェクトでは、しばしば繰り返しの多いボイラープレートコードを書く必要があります。CodeWhispererは、これらのボイラープレートコードを自動生成し、開発者がより創造的なタスクに集中できるようにします。例えば、CRUD操作のコードや基本的なAPI呼び出しのコードなどです。
AWS CodeWhispererについてよくある質問まとめ
- AWS CodeWhispererでサポートしている言語は?
Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#、Go、Rust、PHP、Rubyなど、あらゆるプログラミング言語に対応しています。
- AWS CodeWhispererの活用シーンは?
- マイクロサービスアーキテクチャの設計支援
- テストコードの自動生成
- 新しいプログラミング言語の学習
- ボイラープレートコードの生成
まとめ
Amazon CodeWhispererをうまく利用することで、プログラミングやサービス開発の生産性は向上するだけでなく、コードの品質担保にもつながります。最新のAI技術を駆使して、開発者が直面する様々な課題を解決し、より多くの開発プロジェクトを成功させましょう。
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