Claude Code セキュリティレビューとは?特徴・機能、使用例、導入方法まで徹底解説!
最終更新日:2025年08月12日

- Claude CodeにAI活用のセキュリティレビュー機能が追加され、脆弱性を自動検出・修正提案
- GitHub Actionsと連携してプルリクエスト時の自動チェックとインラインコメント機能を提供
- Anthropic社内でRCEやSSRF攻撃の脆弱性を事前発見した実績があり実用性を証明
Anthropic社のAIエージェントClaude Codeに新たに追加された「セキュリティレビュー」機能は、AIによってコードの脆弱性を自動で検出・指摘し、必要に応じて修正まで支援する高度なレビュー機能です。
ターミナルでの即時実行やGitHub Actionsとの連携により、開発フローの中で自然にセキュリティ対策を行うことができ、リリース前のリスクを最小限に抑えることが可能になります。
本記事では、「セキュリティレビュー」に焦点を当て、特徴・機能、使用例、GitHub Actionsを使った自社開発フローへの導入方法を詳しく紹介します。
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目次
Claude Codeのセキュリティレビューとは?
セキュリティレビューはAnthropicが2025年8月にClaude Codeに導入した機能で、コード生成AIを活用したコードの脆弱性分析と修正支援を提供します。ターミナル上でのコマンド実行や、GitHub Actionsを通じて、開発者は本番環境にコードが到達する前にセキュリティ上のリスクを検出し、対応することが可能です。
参考:Automate security reviews with Claude Code
Claude Codeとは?
Claude Codeは、Anthropicが2025年に発表したAIエージェント型のコーディング支援ツールです。ターミナル上で動作し、自然言語コマンドに従ってコードの解析・編集・実行・Git操作までを自動で行います。
従来の補完型AIとは異なり、プロジェクト全体を理解しながら作業を遂行できる点が特徴です。
また、VS CodeやJetBrainsなどのIDEとも連携可能で、Claude Opus 4を基盤モデルとして高い文脈理解と持続的処理能力を発揮します。
なぜセキュリティレビューが重要か?
アジャイル開発やDevOpsが主流となり、ソフトウェア開発のスピードはかつてないほど向上しています。Claude CodeをはじめとするAIコーディングエージェントの登場は、この流れをさらに加速させ、生産性を劇的に高める一方で、新たなセキュリティリスクを生み出しています。
AIが生成したコードに潜む脆弱性を見逃せば、それが重大なセキュリティインシデントにつながりかねません。
開発者自身がセキュリティの専門家であるとは限らず、すべてのコードの安全性を担保することは容易ではありません。この課題に対し、Anthropic社は「Claude Code」に自動セキュリティレビュー機能を導入しました。
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セキュリティレビューの機能・特徴
セキュリティレビューには、効果的なセキュリティ対策を実現するために以下のような機能と特徴があります。
- 即時実行と自動チェック
- 高精度な検出と柔軟な設定
- 修正提案と一貫した対応
即時実行と自動チェック
セキュリティレビューは、Claude Codeのターミナル上で/security-review
コマンドを使っていつでも実行できます。
さらに、GitHub Actionsと連携することで、プルリクエストが作成された際に自動でレビューが走り、該当箇所にインラインコメントとして脆弱性の指摘が追加されます。上記の画像は、GitHub Actionsによって自動で投稿されたセキュリティ指摘コメントです。
これにより、セキュリティチェックを開発フローに自然に統合し、作業効率を落とすことなく品質を高めることが可能になります。
高精度な検出と柔軟な設定
セキュリティレビューは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、認証・認可の欠陥、依存関係の脆弱性、不適切なデータ処理といった典型的な問題を高い精度で検出します。
GitHub Actionsでは、誤検出や既知の問題を除外するためのカスタムルールも設定でき、チームごとの運用方針に合わせて柔軟に調整できます。
実際にAnthropic社内でもこの機能が導入され、重大なセキュリティリスクの早期発見に貢献しています。
修正提案と一貫した対応
検出された脆弱性に対しては、問題の内容と正案が提示されます。ユーザーはその場でClaudeに修正を依頼でき、レビューから改善までを一連の流れで完結できます。
GitHub上では指摘箇所に直接コメントが追加され、その提案を承認するだけで、迅速に問題を解決できます。開発チーム全体で内容を把握・共有可能です。
また、CI/CDとの統合によってすべてのコード変更に対してセキュリティチェックを自動化し、プロジェクト全体の安全性と標準化を実現します。
CI/CDパイプラインへの統合
既存のCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインに組み込むことができ、チーム全体のセキュリティポリシーに合わせたカスタマイズも可能です。これにより、セキュリティレビューのプロセスを標準化し、すべてのコードが本番環境にデプロイされる前に一定のセキュリティ基準を満たすことを保証します。
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セキュリティレビューが企業にもたらす3つの大きなメリット
Claude Codeのセキュリティレビュー機能は、企業に以下のような大きなメリットをもたらします。
開発初期段階での脆弱性の発見と修正
セキュリティの問題は、開発サイクルの後半で発見されるほど修正コストが増大します。この機能は、コーディングの早い段階で脆弱性を特定し修正を促す「シフトレフト」のアプローチを強力に支援します。
結果として、手戻りが減り、開発全体の効率が向上します。
セキュリティレビュープロセスの標準化と一貫性の確保
開発者個人のスキルや経験に依存しがちだったセキュリティレビューを、チーム全体で一貫した基準で自動的に実施できるようになります。これにより、属人化を防ぎ、組織全体のセキュリティレベルの底上げにつながります。
開発者の生産性向上
開発者は、セキュリティの専門家でなくても、AIの支援を受けながら安全なコードを記述することに集中できます。脆弱性の特定から修正案の提示までをAIが担うことで、開発者は本来の創造的な作業により多くの時間を費やすことが可能になります。
セキュリティレビューの使用例(Anthropic社内の実例)
セキュリティレビューは、Anthropic社内でも活用されており、実際に以下のような脆弱性をリリース前に発見・修正しています。
リモートコード実行(RCE)の脆弱性の特定
ローカルHTTPサーバを使用する内部ツールにおいて、DNSリバインディングにより外部からアクセス可能となる脆弱性が上記画像のように検出されました。このままでは、認証なしにコード実行リクエストを受け付けてしまいます。
もしユーザーが悪意のあるウェブサイトを閲覧してしまった場合、そのサイトに埋め込まれたJavaScriptなどが、このサーバー(http://localhost:8892/request_data)に不正な命令を送り、ユーザーのPC上で勝手にプログラムを実行できてしまいます
この問題はGitHub Actionにより事前に発見され、プルリクエストがマージされる前に修正されました。セキュリティレビューは以下の具体的な解決策も提示しています。
- 認証トークンやAPIキーを導入する: 正当なリクエストであることを証明するための「合言葉」を毎回含めるようにする。
- ランダムなポートとセキュアなトークンを使用する: サーバーを起動するたびにポート番号とトークンをランダムに生成し、固定の宛先への攻撃を難しくする。
サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)攻撃に対して脆弱であることの警告
社内のクレデンシャル管理プロキシにおいて、外部リクエストの制限がなかったため、外部通信に悪用されるリスクがあることが上記画像のように判明しました。プログラミング言語Rustで書かれたコード(mod.rs)が対象となっています。
github-actions botがClaudeCode AIを利用してコードをスキャンし、人間が見落としがちな巧妙なセキュリティホールを発見・報告しています。れは、攻撃者がサーバーを「踏み台」にして、本来アクセスできないはずの内部ネットワークにある他のサーバーやサービスにリクエストを送信できてしまう脆弱性です。
セキュリティレビューにより指摘され、設計の見直しが行われました。この問題に対する以下のような専門的な解決策を提示しています。
- 厳格な許可リスト(Allowlist)を実装する: アクセスして良いホスト名を明示的にリストアップし、それ以外はすべて拒否する。
- プライベートIP範囲をブロックする: 10.0.0.0/8のような社内ネットワークで使われるIPアドレス範囲や、metadataエンドポイントへのアクセスをすべてブロックする。
- SSRF対策が施されたライブラリを使用する: URLを解析する際には、安全性が確保された専用のライブラリを使うことを検討する。
SSRFのような脆弱性は、コードの一部分だけを見ても発見が困難です。AIは、ユーザーからの入力がどのように処理され、最終的にどこへリクエストが送られるのか、というデータの流れ(データフロー)と文脈を理解して、危険性を判断しています。
セキュリティレビューの導入方法
セキュリティレビューのコマンド使用手順
Claude Codeを最新バージョンに更新します。
そして、プロジェクトのルートディレクトリで/security-review
コマンドを実行するだけです。
GitHub Actionsの設定ファイルを通じてチェック内容をカスタマイズすることも可能です。
GitHub Actionsの導入方法
GitHubのリポジトリに.github/workflowsというディレクトリを作成し、その中にYAML形式の設定ファイル(例: claude_security_review.yml)を置きます。そうすることで、プルリクエストの作成時にセキュリティレビューが自動で行われるようになります。
設定ファイル例は以下です。
name: Claude Code Security Review
# プルリクエストが作成・更新された時に実行
on:
pull_request:
types: [opened, synchronize]
jobs:
security_review:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
# 1. コードをチェックアウト
- name: Checkout code
uses: actions/checkout@v4
# 2. Claude Code Security Actionを実行
- name: Run ClaudeCode AI Security Scan
uses: anthropic/claude-code-security-action@v1 # アクション名は仮のものです
with:
# GitHubトークンを設定
github-token: ${{ secrets.GITHUB_TOKEN }}
詳細な手順は公式ドキュメントに記載されています。
セキュリティレビューに関するよくある質問まとめ
- Claude Codeのセキュリティレビュー機能はどのような脆弱性を検出できますか?
SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、認証・認可の欠陥、依存関係の脆弱性、不適切なデータ処理といった典型的なセキュリティ問題を高精度で検出します。
Anthropic社内ではRCEやSSRF攻撃の脆弱性も実際に発見した実績があります。
- GitHub Actionsと連携する際の設定は複雑ですか?
設定は比較的簡単で、リポジトリに所定のYAML設定ファイルを追加することで、プルリクエストのたびにレビューが自動実行されるようになります。
プルリクエスト作成時に自動でセキュリティレビューが実行され、検出された問題は該当箇所にインラインコメントとして表示されます。
まとめ
Claude Codeのセキュリティレビューは、AIを活用してコードの脆弱性を自動で検出・指摘・修正まで支援する高度なレビュー機能です。ターミナルでの即時チェックや、GitHub Actionsによる自動レビューの導入により、開発フローに自然に組み込める実用的な仕組みとなっています。
SQLインジェクションやXSS、認証の欠陥、依存関係の問題など、一般的なセキュリティリスクにも対応しており、設定次第で柔軟な運用が可能です。
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