ChatGPTアカウント共有は可能?使いまわしのリスクや適切な導入方法を徹底解説!
最終更新日:2025年03月18日

ChatGPT Plusアカウントは月20ドルですので、個人で使うのにそれほど高価なものではありませんが、企業やチームでメンバーの人数分、例えば100アカウント揃えるとなると、決して小さな経費とは言えないのではないでしょうか?
そのため、「ChatGPTのアカウントを共有できないか」と考える企業が増えています。しかし、それには重大なリスクが潜んでいます。
そこで、企業やチームなどの組織でChatGPTを安全かつ効果的に活用するために、本記事ではChatGPTアカウントの使いまわしに潜むリスク、個別アカウントの管理から法人向けサービスの活用、効率的なプロンプト共有まで、企業のAI戦略を成功に導く具体的な方法を徹底解説します。
ChatGPTとはなにか、機能、使用上の注意点をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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目次
ChatGPTのアカウント共有は可能なのか?
結論から言えば、ChatGPTは同一アカウントでの同時ログインを技術的には許容しています。例えば、ブラウザ版とスマホアプリ版など異なるデバイスで同一ユーザーが同時ログインすることは可能ですし、規約に違反するものではありません。
しかし、異なるユーザーが同一アカウントを使いまわして共有することはOpenAIの利用規約に抵触します。
OpenAI公式の利用規約と方針
OpenAIの利用規約によると、ChatGPTのアカウント共有は禁止されています。
You may not share your account credentials or make your account available to anyone else and are responsible for all activities that occur under your account.
(編集部訳:お客様は、ご自身のアカウントの認証情報を共有したり、ご自身のアカウントを他者に利用させたりすることはできず、ご自身のアカウントで行われるすべての行為について責任を負うものとします。)
無料プラン、ChatGPT Plusプラン、ChatGPT Proプランと言った個人用アカウントは1人1アカウントの使用が想定されており、複数人での共有は利用規約に違反します。アカウントを複数のユーザーで共有することにより、アカウントが停止される可能性があります。
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ChatGPTアカウント共有で発生するリスクと問題点
技術仕様的に可能なChatGPTのアカウント共有は、一見便利に思えるかもしれませんが、実際には多くのリスクと問題点を抱えています。これらの課題を理解することで、個人や組織がChatGPTを安全かつ効果的に活用できるようになります。
アカウント停止などのペナルティリスク
OpenAIの利用規約では、個人アカウントの共有は明確に禁止されています。この規約に違反した場合、アカウントの一時停止や永久停止などのペナルティが課される可能性があります。
これは、業務に支障をきたすだけでなく、ChatGPTに蓄積された重要な情報やプロンプトへのアクセスが突然失われる事態を招きかねません。また、アカウント停止は組織の信頼性にも影響を与え、取引先や顧客との関係にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
実際に、海外のSNSやWeb掲示板を見ると、「アカウントを友人と共有したら警告を受けた」「突然アクセスできなくなった」といった投稿が見られます。もちろん、これらは詳細な状況を検証された事例ではありませんし、実際にアカウント停止になっていたとしても原因の検証はされていません。
それでも、複数IPアドレスから同時ログインする、または短時間に大量のリクエストが送信する、というような個人利用では考えにくい行為がOpenAIの監視システムに記録されている可能性は十分考えられます。
これらのリスクを回避するためには、個人用と組織用のアカウントを適切に使い分け、組織内では正規のライセンスを取得したサービスを利用することが重要です。
関連記事:「ChatGPTログイン中に遭遇するエラーメッセージの意味」
セキュリティ上の重大なリスク
アカウント共有は、セキュリティ面で深刻な脆弱性を生み出す可能性があります。共有アカウントのパスワードが複数の人間に知られることで、不正アクセスのリスクが高まります。
例えば、組織を離れた元従業員がアカウントにアクセスし続ける可能性があります。また、パスワード管理が甘くなりがちで、強度の低いパスワードが使用されやすくなります。
さらに、共有アカウントでは、誰がどのような操作を行ったのか追跡が困難になります。これは、セキュリティインシデントが発生した際の調査や対応を著しく困難にします。
組織内での責任の所在が不明確になり、問題発生時の迅速な対応が妨げられる恐れがあります。
関連記事:「ChatGPTの使用に伴うリスク、企業や個人が取るべき安全対策について解説」
プライバシーとデータ保護の問題
ChatGPTの会話履歴には、個人情報や機密情報が含まれる可能性があります。アカウントを共有すると、これらの情報が意図せず他者に閲覧される危険性が高まります。
例えば、ある従業員が顧客情報をChatGPTに入力した場合、その情報が同じアカウントを使用する他の従業員に見られてしまう可能性があります。
また、ChatGPTは入力された情報を学習に使用する場合があります。共有アカウントでは、誰がどのような情報を入力したのか把握できないため、意図せず機密情報が外部に漏洩するリスクが増大します。
これは、データ保護法違反や企業の知的財産権侵害につながる可能性があります。
関連記事:「ChatGPTは安全なのか?情報漏洩が起きる原因や情報漏洩を防ぐためのポイントを説明」
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組織・チームでのChatGPTアカウントの正しい活用方法
ChatGPTをビジネスで効果的に活用するには、適切な導入方法と管理が不可欠です。以下では、企業がChatGPTを安全かつ効率的に利用するための具体的な方法を解説します。
関連記事:「ChatGPTの電話番号認証は必要?有料版・API利用での違い・エラー回避方法まで徹底解説!」
個別アカウントの作成と管理
企業内でChatGPTを活用する際は、個々の従業員に専用のアカウントを作成することが推奨されます。これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えつつ、各ユーザーの使用状況を適切に管理できます。
アカウント作成時は、強力なパスワードの設定や二段階認証の導入など、基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。また、定期的なパスワード変更やアクセス権限の見直しを行うことで、長期的なセキュリティ維持が可能になります。
さらに、社内でのChatGPT利用ガイドラインを策定し、機密情報の取り扱いや適切な使用方法について従業員教育を実施することが重要です。これにより、意図せぬ情報漏洩やコンプライアンス違反を防ぐことができます。
関連記事:「生成AIのガイドラインとその重要性や具体的な作成ポイントについて解説」
法人向けChatGPTサービスの活用
OpenAIは、企業やチームのニーズに特化したChatGPT EnterpriseとChatGPT Teamを提供しています。
ChatGPT Enterpriseの主な特徴として、エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー保護機能を備えています。これにより、企業の機密情報を安全に扱うことができます。また、大規模導入のための管理機能が充実しており、一括メンバー管理、SSO、ドメイン認証などが可能です。
さらに、高性能なGPT-4へのアクセスが使用制限なしで提供されるため、より高度なAI機能を活用できます。パフォーマンス面でも優れており、最大2倍の速度向上が実現されています。加えて、高度なデータ分析機能も搭載されているため、AIの活用から得られるインサイトを最大限に活用することができます。
また、ChatGPT Teamは、2名以上の小規模チームから中規模の企業やチームでの利用に適しており、一つのアカウント内で複数のユーザーが個別にログインできる仕組みです。つまり、各メンバーは個別のログイン資格情報を持つことができ、チーム内で共同作業が可能になります。
これらの機能により、企業は安全かつ効率的にAI技術を業務に統合できます。また、カスタマイズ機能や専門的なサポートも提供されるため、各企業の特定のニーズに合わせたソリューションを構築することが可能です。
さらに、コラボレーション促進により、チーム内でのプロンプトやナレッジの共有が容易になります。
Azure OpenAIやAWSを使ってAPI経由で使う
AIプラットフォームを導入して、OpenAIが提供するGPTのAPIを活用すれば、1アカウントで理論上無制限の人数が同時にChatGPTを活用できます。
例えば、Azure OpenAIをMicrosoft Teamsに統合し、カスタムアプリとしてChatGPTをチーム内で利用することが可能です。これにより、チームメンバーはチャットや会議でChatGPTに質問を投げかけることができます。
さらに、Azure AI Bot Serviceを利用して、ChatGPTをチームのコミュニケーションツールに組み込みます。これにより、AIによる自動応答や情報提供が可能になります。
関連記事:「AIを活用したチャットボットAPIの連携、メリット、注意点や代表的なAPIまで徹底解説」
または、 AWSを企業内で活用しているのであれば、AWS LambdaとAPI Gatewayを利用して、ChatGPT APIをチームのアプリケーションに統合可能です。これにより、チームメンバーはアプリケーション内でChatGPTを利用できます。
プロンプトは別システムで共有
ChatGPTの効果的な活用には、適切なプロンプト(指示文)の作成が鍵となります。組織内で有用なプロンプトを共有することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
プロンプト共有の具体的な方法として、以下のようなアプローチが考えられます。
- 社内ナレッジベースの構築
効果的なプロンプトを集約し、カテゴリー別に整理したデータベースを作成します。これにより、従業員が必要なプロンプトを素早く見つけ、活用できるようになります。 - 定期的なプロンプト改善ワークショップ
チーム間でプロンプトの使用経験を共有し、より効果的なプロンプトを共同で開発・改善していくセッションを設けます。 - プロンプトテンプレートの作成
頻繁に使用するタスクや文書タイプに対応したプロンプトテンプレートを作成し、チーム内で共有します。これにより、業務の標準化と品質の向上が図れます。
これらの方法を組み合わせることで、企業はChatGPTの潜在能力を最大限に引き出し、業務プロセスを大幅に効率化できます。ただし、共有されるプロンプトに機密情報が含まれないよう、常に注意を払う必要があります。
関連記事:「ChatGPTを会社で利用する方法、注意すべき点、対策を説明」
まとめ
ChatGPTのアカウント共有は技術的には許容されていますが、OpenAIの利用規約に違反しますので重大なリスクを伴います。セキュリティ侵害、データ漏洩、アカウント停止などの問題が生じる可能性があります。
企業での安全な活用には、個別アカウントの作成管理、ChatGPT Enterpriseなどの法人向けサービスの利用、効果的なプロンプト共有が重要です。必要であれば、自社の生成AI活用戦略を見直し、ChatGPTの適切な導入を検討してください。
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ChatGPTのアカウントを共有についてよくある質問まとめ
- ChatGPTのアカウント共有は可能ですか?
技術的には可能ですが、OpenAIの利用規約に違反します。個人用アカウントは1人1アカウントの使用が想定されており、複数人での共有はセキュリティリスクや利用規約違反のペナルティにつながる恐れがあります。
- ChatGPTアカウント共有のリスクには具体的にどのようなものがありますか?
主なリスクには、セキュリティ侵害、データ漏洩、プライバシー問題、そしてアカウント停止などのペナルティがあります。共有アカウントでは不正アクセスのリスクが高まり、機密情報が意図せず他者に閲覧される可能性があります。
また、OpenAIの利用規約違反によりアカウントが停止され、重要な情報やプロンプトへのアクセスが失われる可能性もあります。

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