アドビ、PDF用の「Acrobat Reader」「Acrobat」にて「AI Assistant」の英語ベータ版を提供開始
最終更新日:2024年02月23日
米アドビ社は、2024年2月20日、同社製品「Acrobat Reader」および「Acrobat」にて「AI Assistant」のベータ版(英語)提供を開始すると発表した。
「AI Assistant」は、PDFを扱う「Acrobat Reader」「Acrobat」において対話型AI体験を提供するAIエンジンだ。内容要約やインサイトの生成、質問への回答や文章の生成を可能にすることで、全世界の約3兆ものPDFから新しい価値を引き出すとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- PDFを扱う「Acrobat Reader」「Acrobat」で対話型AI体験を提供する「AI Assistant」
- 内容要約の生成や質問への回答、プレゼンなどの利用目的に合わせた文章作成も実現
- ドキュメント内容をAIトレーニングには使用せず。約3兆のPDFから新しい価値を創出
アドビ社が約30年前に提供を開始したPDF
アドビ社は、写真/デザイン/ビデオ/web/UXなどを制作するためのデスクトップアプリ/モバイルアプリ/サービスで広く知られる企業だ。同社はその一方で、AIを活用したパーソナライゼーション/データ分析などの製品やサービスも展開。デジタル文書の作成/編集/共有/スキャン/署名を容易に行えるサービスも提供してきた。
個人/組織が重要な情報を保持する文書として広く活用されているPDFも、アドビ社が約30年前に提供を開始したフォーマットだ。PDFの読み取り/編集/変換が可能な同社の「Acrobat」と、PDFの閲覧ツールである「Acrobat Reader」もまた、今なおPDFを利用する際に用いる最もスタンダードな製品として親しまれている。
生成AIによるデジタルドキュメント体験の変革
アドビ社が今回「Acrobat Reader」と「Acrobat」にて提供を開始する「AI Assistant」は、生成AIによるデジタルドキュメント体験の変革に向けた同社の取り組みの第一歩となる。
この「AI Assistant」では、長文のドキュメントから即座に要約とインサイトを生成すると共に、質問への回答や文章の共有を実現。情報ソースを容易に確認できる形でインテリジェントな引用も生成し、さらには電子メール/プレゼンテーション/レポートなどの利用目的に合わせた文章を作成することもできる。
「AI Assistant」の開発に際してアドビ社は、モバイル上で応答性の高いPDFの閲覧体験を実現する「Acrobat」の「Liquid Mode」と同じAIと機械学習モデルを活用。PDFの構造/内容を既に深く理解している同モデルを用いることで、出力内容の品質/信頼性向上を可能にした。
正式提供は、ベータ版の提供が終了した時点で開始
「AI Assistant」の開発はアドビ社のAI倫理プロセスに沿って行われており、ユーザーの同意なく同機能がドキュメントの内容を保存したりAIのトレーニングに使用したりすることもない。今後も同社は「AI Assistant」の開発を進め、多種多様なドキュメントタイプに対応したインサイト提供や、AIによるオーサリング機能の提供なども目指すとしている。
「AI Assistant」の正式提供は、ベータ版の提供が終了した時点で開始される予定だ。現在は英語版のみの提供となっているが、他の言語も順次追加される予定となっている。
参照元:adobe
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