医療AI研究開発用の画像データプラットフォームを開発するカリスト、総額2億円の資金調達を実施
最終更新日:2023年04月14日
カリスト株式会社は、2023年4月10日、シードラウンドでの総額2億円の資金調達を実施したと発表した。
カリストは、医療AI研究開発用の医用画像データプラットフォーム運営などを手がけるスタートアップ企業だ。今回の資金調達は伊藤忠テクノロジーベンチャーズをリード投資家として実施されており、調達した資金は医用画像データプラットフォームの構築と共にカスタム創薬AI/医療AIの開発にも活用される。
<本ニュースの10秒要約>
- 医療AI研究開発用の医用画像データプラットフォームを構築するスタートアップ企業、カリスト
- プラットフォームを活用し、精度とロバスト性が高いカスタム創薬AI/医療AIの開発にも取り組む
- 伊藤忠テクノロジーベンチャーズをリード投資家として2億円を調達、世界一の医療AIインフラ企業へ
流通量を増やさない限り、医用画像データの不足は解消できない
カリストは、若手医療AI研究者であるカリス(韓昌熙)氏が2022年に設立した企業だ。カリス氏は、16歳で東京大学に合格して博士号(情報理工学)を取得した後、ケンブリッジ大学/ミュンヘン工科大学/ミラノビコッカ大学などでも研究を行い、国立国際医療研究センター病院にて元客員研究員を務めた経歴も持つ。
医療AI研究者として医用画像データ不足の解消に関する研究に取り組んだカリス氏は、実際に流通するデータを増やさない限りこの不足は解消できないと判断。また、多様かつ良質な医用画像データが医療機関の中で眠ったままとなり、医療AIの研究開発と臨床導入が進んでいない日本の現状も憂慮。こうした課題を解決すべく、カリストを立ち上げるに至った。
医療AI分野の「ミールキット」「オーダーメイド料理」を提供
カリストは、現在の医療AI分野ではインフラが最も求められており、その不足を「ミールキット」「オーダーメイド料理」により解消しようと考えている。ここでの「ミールキット」は医療AIの研究開発にすぐ使えるデータセットを指し、「オーダーメイド料理」はニーズに合わせてカスタマイズされた創薬AI/医療AIを指す。
「ミールキット」にあたるデータセットは、医療AIの研究開発においては必要不可欠だが、現状ではデータ収集が難しく費用・時間も膨大にかかるものだ。医療AI開発企業が切望しているこの医用画像データセットを、カリストは最先端の医療AI技術と医学的知見を活用して販売するとしている。
「オーダーメイド料理」にあたるカスタム創薬AI/医療AIの開発では、「肺がんの進行が分かる時系列データ」といった特殊データをプラットフォーム内から抽出して活用。医療AI技術も併せて活用することで、精度とロバスト性が高いカスタム創薬AI/医療AIの開発を実現するとしている。
世界一の医療AIインフラ企業となることを目指す
カリストが今回行った資金調達では、伊藤忠テクノロジーベンチャーズをリード投資家として、またNOWおよび個人投資家4名を引受先として、J-KISS型新株予約権を発行。調達額は、総額2億円に達した。
調達したこの資金によりカリストは、日本のAI医療機器の製品数を劇的に増やすべく、放射線/病理分野を軸として医療AIインフラの整備を推進。多様かつ良質な肺CT/脳MRIデータセットを販売しながら、カスタム創薬AI/医療AIの開発も進めることで、世界一の医療AIインフラ企業となることを目指すとしている。
参照元:PRTIMES
画像認識の仕組みや活用分野を詳しく知りたい方はこちら、また、画像認識に強い開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp