エクサウィザーズ、建設現場の監視映像からダイジェスト動画を自動生成するAIシステムを戸田建設と共同で開発
最終更新日:2023年03月23日
株式会社エクサウィザーズは、2023年3月16日、戸田建設株式会社と共同で「不安全行動ダイジェスト動画自動生成AIシステム」を開発したと発表した。
同システムは、建設現場に設置された点検用移動カメラの動画からAIが解析し、重要シーンのみを抽出してダイジェスト動画を自動で生成するというもの。建設現場の管理者が短時間で安全点検を行えるよう、開発されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 建設現場のカメラ動画をAIが解析、重要シーンのみを抽出してダイジェスト動画を自動で生成
- ブレが激しい映像などの削除を実現。管理者の動画確認時間を大幅に短縮し、ストレージコストも削減
- 不安全なシーン映像を用いて現場改善も可能。特に重要なシーンは別途保存してデータベース化も
建築現場における労働災害防止や安全管理水準の向上を、AIで実現
エクサウィザーズは、AIを利活用したサービスの開発・実装に取り組む企業だ。AIプラットフォーム事業とAIプロダクト事業という2つの事業セグメントを持ち、両事業を通じて独自のアルゴリズム・データを蓄積。ロボット/AIカメラといったのハードウェア領域においても先進技術を持ち、2022年12月末時点の累計特許取得件数は85件におよぶ。
今回エクサウィザーズと共同でAIシステム開発に取り組んだ戸田建設は、建築工事や土木工事などに関するエンジニアリング/コンサルティング業務を手がける総合建設企業だ。建築作業現場における労働災害防止や安全管理水準の向上、また2024年4月から建設業に適用される「時間外労働時間の上限規制」に対応した業務省力化も図るべく、今回のシステム開発に臨んだ。
明らかに不要だと思われる映像を除外し、重要場面のみを抽出・要約
近年の建設現場では、災害防止に向けた取り組みとして移動カメラの導入が進んでいる。危険な場所・動きを現場で把握する移動カメラは、点検力の平準化を実現する一方で、撮影動画の量自体が増加するという課題も生んだ。動画の増加はストレージコストを増大させ、長時間動画視聴による負担を現場管理者に強いている。
動画にまつわるこの課題を解消すべく、「不安全行動ダイジェスト動画自動生成AIシステム」は開発された。同システムは、動画の中で明らかに不要だと思われる映像を除外し、重機と人が近接している重要場面のみを抽出・要約することで、管理者の動画視聴時間を短縮するというものだ。
不要映像の判断は、AIが行う。距離推計/除外処理をもとにしてAIがシーンの重要度を評価し、「ブレが激しい映像」「重機や人のみが撮影されている映像」の削除を実現した。この抽出・要約により同システムは、これまで15倍再生でも55分を要していた管理者の視聴時間を、7分40秒にまで短縮。データのストレージコストについても、削減が期待されている。
社会課題の解決に向けてAIサービス/プロダクトを開発
「不安全行動ダイジェスト動画自動生成AIシステム」では、要約映像から管理者が発見した不安全なシーンについて、映像を交えて作業員に説明することで現場の改善を図ることもできる。また、管理者が特に重要であると判断したシーンについては、別途保存してデータベース化することも可能であり、将来的にはこれらのデータを用いた大規模モデルの構築も想定されている。
エクサウィザーズは今後も、社会課題の解決に向けてAIサービス/プロダクトの開発を進め、幸せな社会の実現を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
画像認識の仕組みや種類を詳しく知りたい方はこちら、また、画像認識に強い開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp