自然言語処理AIのFRONTEO、日本医科大学と共同でウイルスベクター予測モデル構築に向けた研究を開始
最終更新日:2024年02月16日
株式会社FRONTEOは、2023年3月28日、ウイルスベクター予測モデル構築に向けた共同研究を日本医科大学・分子遺伝学研究室と開始したと発表した。
FRONTEOは、自然言語処理に特化した自社開発AIエンジンを用いて企業のビジネスを支援するデータ解析企業だ。今回の共同研究では、ヘルペスウイルスベクターの構築・機能解析に向けて、FRONTEOが持つ自然言語処理AI技術が活用される。
<本ニュースの10秒要約>
- 自然言語処理特化型のAIエンジンを開発・提供し、ライフサイエンス分野にも事業を広げるFRONTEO
- 論文情報や遺伝子データを自然言語処理AIで解析、新規治療用ヘルペスウイルスベクターの開発を促進
- FRONTEOが構築したモデルで予測、日本医科大学が予測を検証。従来は見えなかった事象の発見に努める
自然言語処理特化型のAIエンジンを開発・提供しているFRONTEO
FRONTEOは、膨大な量のテキストデータの中から意味のある重要な情報を抽出できるAIを開発・提供している。自然言語処理特化型のAIエンジンとして「KIBIT」などを開発し、企業の国際訴訟を支援する「eディスカバリ(電子証拠開示)」や「デジタルフォレンジック調査」といったリーガルテック事業を展開。日本に留まらず、米国/韓国/台湾とグローバルにサービス提供に取り組んできた。
リーガルテック事業で蓄積したAI技術を活用する形でFRONTEOは、2014年より事業フィールドを拡大。ビジネスインテリジェンス分野や経済安全保障に加えて、ライフサイエンス分野でもAIを用いた事業を開始した。ライフサイエンス分野においても同社は、「テキストデータを知見に変える」ことでビジネス支援を提供。創薬支援や認知症診断支援などの形で、クライアントに貢献している。
ヘルペスウイルスベクターの開発に取り組む日本医科大学・分子遺伝学研究室
今回FRONTEOが共同研究を行うことになった日本医科大学・分子遺伝学研究室は、神経疾患や腫瘍を標的とする新規治療用ヘルペスウイルスベクターの開発に取り組んでいる。
ヘルペスウイルスは、遺伝子治療用ベクターや腫瘍溶解性ウイルスへの活用が期待されているウイルスだ。ウイルスベクターは、遺伝物質を細胞に運ぶベクターのうちウイルスをベースとするものを指し、培養細胞や生体の標的細胞に対して外来遺伝子を効率的に導入させるために用いられる。腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞に感染して増殖することでがんを破壊・死滅させる作用を持つ。
しかしヘルペスウイルスは、ゲノムサイズが極めて大きいという特徴を持つため、どの遺伝子/エレメントが感染性と腫瘍溶解性に関与しているかを実験的に特定することが難しい。そのため、ヘルペスウイルスベクターの機能向上は容易ではなく、その研究開発にも多大な時間と労力を要していた。
最適化された新規ヘルペスウイルスベクターの樹立に活用
ヘルペスウイルスベクター開発における課題について、論文情報やオープンソースの遺伝子データを自然言語処理AI技術で解析すると、開発時間の短縮が可能ではないかと両者は判断。今回の共同研究を実施するに至った。
両者による共同研究では、FRONTEOがまず感染性と腫瘍溶解性の同時最適化予測モデルを構築する。この構築に際して同社は、自社開発の自然言語処理AI技術を用いて各種データの解析を実施。構築されたモデルによる予測は、日本医科大学がその内容について実験的検証を行い、最適化された新規ヘルペスウイルスベクターの樹立に活用される。
FRONTEOは今後も、医療・介護の現場に存在する様々な構造化・非構造化データの横断的解析を進め、従来は見えなかった事象の発見に努めるとしている。
参照元:PRTIMES
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