Googleの会話型生成AI「Bard」、名称を「Gemini」に変更。有料サービスとモバイルアプリ版も同時に発表
最終更新日:2024年08月07日
Google社は、2024年2月8日、同社が開発している会話型生成AI「Bard」の名称を「Gemini」に変更すると発表した。
同社は、自社開発したLLM(大規模言語モデル)「Gemini」を活用する形で会話型生成AIの開発を続けている。「Bard」から「Gemini」への名称変更は、同サービスがLLM「Gemini」のテクノロジーを核とすることをより広く訴求するための施策だ。この発表では、有料サービス「Gemini Advanced」およびモバイルアプリ版「Gemini」も併せて明らかにしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 自社開発したLLM「Gemini」を活用する形で会話型生成AIの開発を続けているGoogle
- 「Gemini」のテクノロジーが核であることをより広く訴求するため、名称を変更
- 有料版「Gemini Advanced」およびモバイルアプリ版の「Gemini」も、併せて発表
2023年より会話型生成AIを発表してきたGoogle
Google社は、想像力を刺激して生産性を向上する新しい方法を世界中の人々に提案すべく、AIの開発に取り組んでいる。そして、面接の準備やコードのデバッグ、新しいビジネスアイデアのブレインストーミングなどを可能にするサービスとして、2023年より「Bard」の名称で会話型生成AIを発表した。
「Bard」は、ユーザーが質問を入力すると、自然な文章で回答する会話型生成AIだ。ベースとなるLLMはバージョンアップを経るたびに「LaMDA」「PaLM」「PaLM2」変更されており、2023年12月には英語版にて同社の最新LLMである「Gemini Pro」に対応を開始。2024年2月には、同サービスが対応する全言語にて「Gemini Pro」への切り替えが完了している。
引き続き40以上の言語に対応した生成サービスを提供
Google社は「Bard」の提供において、ユーザーが同社のLLMを体験できるようにすることをミッションとしてきた。このミッションを達成するためには、「Bard」のベースとなるLLM「Gemini」が高性能であり、そのため様々な生成サービスが可能になったことを、より広範に訴求する必要があると判断。そのための施策として、今回の名称変更を決定した。
名称変更後の「Gemini」では、「Pro 1.0」モデルにて引き続き40以上の言語に対応した生成サービスを、230以上の国と地域にて提供する。また今回の発表にて同社は、「Gemini」の新たなサービスとして「Gemini Advanced」およびモバイルアプリ版の「Gemini」も併せて発表している。
「Gemini Advanced」と、モバイルアプリ版「Gemini」
新サービスとなる「Gemini Advanced」は、Google社の高性能かつ最大のAIモデルである「Ultra 1.0」を搭載した有料サービスだ。「Ultra 1.0」により同サービスは、論理的推論やニュアンスを含んだ指示の理解、またクリエイティブなプロジェクトでの共同作業など、複雑なタスクの能力が大幅に向上。用途として同社は、個人的な家庭教師として活用や、より高度なコーディングの支援、またデジタルクリエイターのアイデア実現支援などを想定している。
モバイルアプリ版の「Gemini」は、「スマートフォンからも会話型生成AIへ簡単にアクセスしたい」という要望に応えるべく開発されたものだ。テキスト/画像での質問や会話などが外出先でも行えるため、「パンクしたタイヤを撮影して対処方法を検索する」「パーティーの招待状に使う画像を生成する」といった利用も可能となる。
「Gemini Advanced」は、2024年2月時点では英語版のみが利用可能となっている。モバイルアプリ版の「Gemini」は、AndroidおよびiOSで英語版の提供が開始されており、日本では2024年2月後半以降に提供が開始される予定だ。
NotebookLM、Google SGE(現AI Overview)など、Googleの各サービスのバックで稼働するAIモデルもGeminiに統一されていくでしょう。
参照元:Google
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