LeapMind、超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera」の極小量子化技術で海外初特許を取得
最終更新日:2022年09月20日
LeapMind株式会社は、2022年9月16日、同社が開発する超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera」の基盤技術について、台湾にて特許を取得したと発表した。
同社はエッジAIの開発を手がける企業であり、「Efficiera」はエッジAIにおける電力・コスト・放熱といった技術的な課題を解決するアクセラレータIPだ。今回取得した特許は、ディープラーニングモデルの軽量化手法である量子化を突き詰めた極小量子化技術に関するものであり、同社にとっては初の海外特許取得となる。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- ディープラーニングモデルの量子化を突き詰めた極小量子化技術で、台湾にて海外初特許を取得
- エッジAIの技術的課題を解決する「Efficiera」において、基盤技術とされている極小量子化技術
- 今後も継続的に特許取得を推進、次世代の情報端末を実現するためのキーテクノロジーを提供
エッジAI搭載製品の迅速な市場投入を可能にする「Efficiera」
LeapMindは、2012年の創業時より「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を理念を掲げ、次世代の情報端末を実現するエッジAIの開発に取り組んでいる。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術には特に強みを持っており、製造業を中心として150社以上におよぶ開発実績も持つ。
エッジAI搭載製品の迅速な市場投入を可能にする製品として同社が開発したのが、超低消費電力AI推論アクセラレータIPである「Efficiera」だ。「Efficiera」は、FPGAデバイス上あるいはASIC/ASSPデバイス上の回路として動作するCNNの推論演算処理に特化する形で、電力・コスト・放熱といった様々な技術的課題の解決を実現した。
ディープラーニングにおいてモデルの軽量化を実現する極小量子化技術
「Efficiera」は、極小量子化技術を基盤技術とする形で開発されている。この極小量子化技術は、ディープラーニングにおいてモデルの軽量化や容量・計算量の削減を可能にするものだ。具体的には、推論モデルを構成するパラメータを通常の単精度浮動小数点数(32ビット)から1ビット/2ビットに置き換えることで、軽量化を実現。通常は性能劣化の限界とされる8ビットを大きく下回りながらも、性能の劣化を最小限にまで抑えることに成功した。
この極小量子化技術を用いて「Efficiera」を提供すると共にLeapMindは、「Efficiera」に最適化したディープラーニングモデルの開発も推進。物体検知・異常検知・ノイズ低減の学習モデルも提供している。
より良い技術開発の実現を目指して特許取得の取り組みを推進
「Efficiera」や極小量子化技術についてLeapMindは、特許出願とその権利化に向けた取り組みを2021年5月より国内外で展開している。より良い技術開発の実現およびAIの社会実装加速を目的とするこの取り組みにおいて、同社は数件の特許を取得。7件目の事例として今回、台湾での特許取得に至った。
台湾にて同社が取得したのは、極小量子化技術を実現するための「Efficiera」の構成に関する特許だ。発明の名称は「ニューラルネットワーク回路、エッジデバイスおよびニューラルネットワーク演算方法」とされ、特許登録日は8月1日、特許番号はI773245となっている。
台湾において技術力が認められた
海外では初となる今回の特許取得についてLeapMindは、台湾においても同社の技術力が認められた結果であると自負。今後も継続的に特許取得を推進すると共に、「次世代の情報端末を実現するためのキーテクノロジーを提供する」というビジョンの実現に向けてエッジAIの実用化に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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