LIFULL、全社員の82%が生成AI活用により年間4.2万時間の業務効率化を実現
最終更新日:2024年10月30日
株式会社LIFULLは2024年10月29日、2023年10月から2024年9月までの1年間における社内での生成AI活用状況を発表した。
同社単体従業員の82%が生成AIを業務に活用し、総勤務時間の3.2%に相当する年間41,820時間の業務時間創出に成功。特に、エンジニアやデザイナー職でほぼ100%の活用率を達成し、バックオフィスや営業職でも74.9%以上の高い活用率を実現している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 生成AIの全社的な活用により、年間41,820時間の業務時間創出と82%の従業員による効率化を実現
- 従業員の66.4%が業務の質向上を実感し、エンジニア職で100%、営業職でも74.9%の高い活用率を達成
- 顧客対応の最適化や10万件規模のデータ分析など、具体的な業務改善事例を創出し不動産DXを推進
生成AI活用の成果と効果
LIFULLの生成AI活用は、具体的な数値で効果を示している。総従業員649名のうち532名が「業務効率化できている」と回答し、前回調査比で10.2%増加した。月間の時間創出は4時間未満が43.3%と最多だが、8時間以上の効率化を実現している従業員も18.5%存在し、前回調査比で4.8%増加している。
特筆すべきは、従業員の66.4%が「業務の質も向上した」と回答している点だ。活用シーンとしては「文章・資料の作成/編集/添削」が最も多く、全体の約6割にあたる326名が活用している。また「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析」「アイデア出し/壁打ち/比較検討」も高い活用率を示している。
これらの活用により、目標達成に繋がるコア業務の比率が前年同期間比で2.9%~5.3%向上している。
具体的な活用事例と成果
LIFULLの生成AI活用は、具体的な業務改善事例として成果を上げている。顧客対応フローでは、生成AIを用いた多角的な分析により顧客の優先度を判断する仕組みの構築や、お問い合わせ情報や過去の対応履歴を活用したパーソナライズされたメール文面の自動生成システムを構築により、半年間で1,680時間の業務効率化を実現した。
さらに、LIFULL HOME’Sのサービスにおいては、生成AIを用いて10万件という大規模な検索キーワードの分析を実施し、検索エンジンの最適化を行っている。これらの取り組みは、従来では困難だった規模の分析や業務効率化を可能にしている。
今後の展望と業界への影響
LIFULLは経済産業省認定のDX認定事業者として、今回の成果を自社内に留めず、不動産業界全体のDX化推進に活用する方針だ。特に2024年5月に発表した株式会社ツクルバとの「不動産DXパートナーシップ協定」を通じて、アナログな手法が根強く残る不動産業界への生成AI活用ノウハウの展開を目指している。
今後は、まだ活用できていない17.1%の従業員の活用促進や、既存ユーザーの活用シーン拡大を通じて、生成AIの活用をさらに当たり前の状態にしていく計画だ。また、社外向けプロダクトとしても生成AIを活用した「AIホームズくんBETA」のLINE版機能拡張を発表するなど、社内外でのAI活用を積極的に推進している。
AI Market の見解
LIFULLの生成AI活用事例は、企業全体でのAI導入成功モデルとして注目に値する。Slackチャットボットの導入から始まり、顧客対応の自動化、大規模データ分析まで、段階的に活用範囲を広げている点が効果的だ。非技術職での高い活用率は、導入戦略の成功を示している。
また、具体的な時間削減効果と業務品質向上を数値で示せている点が重要だ。これは他企業のAI導入の参考指標となる。市場への影響としては、不動産業界というアナログ性の強い分野でのDX推進モデルケースとなり、同業他社のAI導入を加速させる可能性が高い。また、業務効率化の具体的成果は、企業におけるAI投資の正当性を示す重要な事例となるだろう。
参照元:PR TIMES
生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
AIに関するご相談はAI Marketへ
AI Marketでは
メルマガ会員登録(無料)
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp