オリンパス、内視鏡用のクラウドAI対応アプリケーションを開発する英Odin Vision社を買収完了

オリンパス株式会社は、2023年6月5日、英Odin Vision社（Odin Medical Ltd.／本社：英国ロンドン）の買収を完了したと発表した。

Odin Vision社は、内視鏡画像診断に関する革新的なクラウド型AI技術を提供している企業だ。同社の買収を通じてオリンパスはデジタル戦略を強化し、AI技術を活用したリアルタイム診断や慢性疾患の低侵襲治療の実現を目指すと共に、デジタルソリューションの開発機能を担う「Digital Excellence Centers」の設立も進める。

＜本ニュースの10秒要約＞

• AI技術を活用したリアルタイム診断や慢性疾患の低侵襲治療の実現を目指し、オリンパスが買収
• 内視鏡画像診断の革新的なクラウド型AI技術を開発している英国スタートアップ、Odin Vision社
• 「Digital Excellence Centers」のロンドン新設も予定するオリンパス、デジタル戦略を強化へ

現在は世界をリードするメドテックカンパニー、オリンパス

オリンパスは、光学機器メーカーとして長い伝統を持つと共に、医療事業にも取り組んで来た企業だ。2019年にはヘルスケア業界へ専心すべく全社的な変革を行い、イノベーションと価値創造に取り組むグローバル企業への進化を実現。2023年現在は、世界をリードするメドテックカンパニーとして、医療従事者を支援するソリューションやサービスを提供している。

メドテックカンパニーとしてのオリンパスは、内視鏡事業と治療機器事業に注力している。特に内視鏡事業では、1950年に世界で初めてガストロカメラを実用化して以来、軟性内視鏡／硬性鏡／ビデオイメージングシステムなど様々な製品／サービスを展開。診断および低侵襲治療において良い臨床結果を生むことで、医療経済へベネフィットをもたらすと共に、世界の人々の健康やQOL向上にも貢献している。

手技／臨床／医療機器データのリアルタイム収集・分析を目指す

内視鏡事業においてオリンパスは、同社の内視鏡システムと革新的なデジタルソリューションを組み合わせることで、手技／臨床／医療機器のデータをリアルタイムで収集・分析できるシステムの開発を企図した。このシステムが実現すれば、医療従事者の負担軽減や臨床現場の業務効率向上などが可能になると、同社は期待。組み合わせるデジタルソリューションは、最新のAIアルゴリズムやソフトウェアを活用したデジタルプラットフォームを想定した。

このシステム開発にあたりオリンパスが注目したのが、Odin Vision社だ。同社は2018年創業のスタートアップ企業であり、内視鏡用のクラウドAI対応アプリケーションの開発を手がける。同社についてオリンパスは、創造的なイノベーションの限界に挑むスタートアップ企業であり、オリンパス単独では実現できない技術を持つと評価。2022年12月には買収について合意契約を締結し、今回の買収完了に至った。

新たな診断／治療技術で診療水準を引き上げ、患者に貢献

Odin Vision社の買収によりオリンパスは今後、AI技術を活用したリアルタイム診断、そして慢性疾患に対する低侵襲治療の実現に取り組む。この開発に際しては、Odin Vision社のAI技術やソフトウェアの専門知識／開発能力を活用。新たな診断／治療技術によって診療水準を引き上げ、患者のアウトカム改善にも貢献するとしている。

またオリンパスは、Odin Vision社が拠点を置くロンドンにおいて「Digital Excellence Centers」の新設を予定。ハンブルク／ボストン／東京などに擁する主要な技術開発拠点でもデジタルソリューションの開発を活性化させ、将来的にはシリコンバレーやテルアビブへの「Digital Excellence Centers」進出も検討している。

参照元：PRTIMES

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