犯罪予測システム「CRIME NABI」、AI/IoT実証を支援中の福岡市にて実証実施へ
最終更新日:2022年09月08日
株式会社Singular Perturbationsは、2022年9月7日、同社が開発・提供している犯罪予測システム「CRIME NABI」の実証実験を福岡市にて実施すると発表した。
「CRIME NABI」は、犯罪情報などの過去データから同社独自のアルゴリズムに基づき犯罪の発生を予測するシステムだ。今回の実証実験は、福岡市との「次世代地域安全活動促進サービス検証プロジェクト」として同年9月12日より実施される。
<本ニュースの10秒要約>
- 過去データから独自のアルゴリズムに基づき犯罪の発生を予測するシステム「CRIME NABI」
- 犯罪者の習性に着目したアルゴリズムなどでデータを解析、大幅な計算時間の高速化も実現
- AIなどで社会課題解決を目指すプロジェクトを募集している福岡市にて、実証実験を実施
いつ・どこで未来の犯罪が起きるかを予測する「CRIME NABI」
Singular Perturbationsは、犯罪削減を向けたソリューション開発に取り組んでいる企業だ。高精度・高速な独自手法を含む犯罪予測アルゴリズムをもとに、システム「CRIME NABI」や警備・パトロール支援アプリ「CRIME NABI MOBILE/WEB」を開発・提供している。
今回実証が行われる「CRIME NABI」は、いつ・どこで未来の犯罪が起きるかを予測するシステムとして開発された。予測に際しては、過去の犯罪発生情報や人口統計、また土地利用データや天気などのデータを活用。分析では、時間情報による予測と空間情報による予測という2種類の独自アルゴリズムが用いられる。
時間情報による予測では、「一度犯行に成功すると同じ手口を繰り返す」という犯罪者の習性に着目。犯罪の時間的なパターンを記述できるモデルに対して、理論物理の定式化を適用することで、データ件数が少ない犯罪についても安定した計算と高精度な予測を実現した。空間情報による予測では、犯罪発生や人口密度といった様々な空間パターンを足しあわせ、予測したい犯罪種別を記述できるようモデル化されている。
このようなアルゴリズムはこれまで、計算コストの高さが課題となっていた。しかし「CRIME NABI」では、データを事前圧縮する独自の数理アルゴリズムを用いることで、従来手法よりも大幅な計算時間の高速化を達成している。
AI/IoT実証実験プロジェクトを募集している福岡市
「CRIME NABI」の実証実験が行われる福岡市は、福岡地域戦略推進協議会と共に「福岡市実証実験フルサポート事業」を展開している。同事業は、AIやIoTといった先端技術の活用により社会課題の解決を目指す実証実験プロジェクトを全国から募集し、同市内での実証実験をサポートするというもの。「CRIME NABI」の実証も、市民サービスの向上を目的として実施されることとなった。
「世界の悲しい経験を減らす」
この実証実験は、同年9月12日から12月31日にかけて福岡市を対象として実施される。Singular Perturbationsは今後も、「世界の悲しい経験を減らす」というビジョンと、「コンピューターサイエンスがもたらす知能で安全に関わる全ての人の能力を最大化する」をミッションを掲げて、犯罪予測システムの開発に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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