サンウェルズとALAN、AIを用いたパーキンソン病患者向け運動機能評価システムの開発に成功
最終更新日:2023年12月01日
株式会社サンウェルズは、2023年11月30日、AIを用いたパーキンソン病患者向け運動機能評価システムの開発に成功したと発表した。
サンウェルズは、パーキンソン病専門の介護施設「PDハウス」を全国で運営する企業だ。開発に成功したシステムは、パーキンソン病の運動機能における進行度を簡便に可視化できるものであり、慶應義塾大学医学部発ベンチャーの株式会社ALANが共同で開発している。
<本ニュースの10秒要約>
- AIを用いたシステムで、パーキンソン病の運動機能における進行度を可視化
- パーキンソン病施設のサンウェルズと、慶大発ベンチャーのALANが共同開発
- 2023年11月時点で実用可能なレベルに到達、試験運用でさらなる改良を進める
進行度の可視化が、AIを用いれば可能になると判断
サンウェルズは、「パーキンソン病だからできない」ではなく「パーキンソン病でもできる」を実現する介護施設として、「PDハウス」を運営している。同施設では、専門医が監修したパーキンソン病特化型のリハビリプログラムに加えて、神経内科専門の医師による訪問診療、さらには看取りまで対応した24時間の訪問看護といったサービスを提供。患者一人ひとりの状態に合わせて、運動機能の維持やQOL改善に取り組んでいる。
パーキンソン病は進行性の疾患であるため、定期的な病気の進行度を把握し、その進行度に合わせてケア/リハビリプログラムを実施し、その効果判定をすることが重要となる。この進行度の可視化が、AIを用いれば可能になるとサンウェルズは判断。そこで今回、AIを搭載したパーキンソン病患者向け運動機能評価システムを開発するに至った。
パーキンソン病の運動障害スコアをAIが自動的に算出
同システムは、サンウェルズとALANが共同で開発を開始した。ALANは、慶應義塾大学医学部発ベンチャー協議会のスタートアップ企業であり、神経難病患者のQOL改善に貢献すべく2021年2月に創業した経緯を持つ。社内に医工連携研究者/神経内科医/理工学博士を擁し、最適なテクノロジーで臨床現場のニーズに応えるソリューションを開発している。
両社が開発した同システムでは、パーキンソン病の運動障害スコアをAIが自動的に算出する。このスコアは2023年11月時点において、専門のスタッフによる評価の代わりとして使用可能なレベルに到達したと両社は判断。今後は「PDハウス」において同システムの試験運用を開始し、患者およびスタッフからのフィードバックを受けてさらなる改良に取り組む。
試験運用を継続、2024年春頃には正規版完成へ
AIを用いたパーキンソン病患者向け運動機能評価システムは、様々なメリットを持つ。
まず、医師/看護師/リハビリ職/介護職などが患者の進行度について同じ情報を共有できるため、最適な治療/ケア/リハビリプログラムをより綿密に立案することが可能だ。また患者にとっても、進行度をスコアとして確認することでリハビリ/ケア明確な目標設定が可能となり、モチベーションの維持にも大きな支えとなる。
サンウェルズとALANは今後も、同システムの試験運用を「PDハウス」にて継続し、2024年春頃の正規版完成に向けて開発を進めるとしている。
参照元:PRTIMES
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