製造業向けAI見積支援システム「匠フォース」の東大発ベンチャー・匠技研工業、総額2.1億円の資金調達を実施
最終更新日:2023年06月28日
匠技研工業株式会社は、2023年6月28日、総額2.1億円となるプレシリーズAラウンドの資金調達を実施したと発表した。
匠技研工業は、東大発ベンチャーとして製造業向けAI見積支援システム「匠フォース」の提供などを手がける企業だ。今回の資金調達は、株式会社ジェネシア・ベンチャーズや東京大学協創プラットフォーム開発株式会社などを引受先とする第三者割当増資および融資によって実施されており、調達資金はビジネスサイド人材の採用加速などに充当される。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 東大発ベンチャーとして製造業向けAI見積支援システム「匠フォース」の提供などを手がける匠技研工業
- 独自の画像解析AIで類似図面を検索、見積業務の属人化を回避して持続可能な経営を支援する「匠フォース」
- 調達資金で人材採用/拡販施策などを強化、製造業界特化型のAI・ソフトウェア開発領域への投資も加速
製造業界に特化したSaaS提供に取り組む匠技研工業
匠技研工業は、製造業界に特化したSaaS提供に取り組む東大発スタートアップ企業だ。同社は、これまで世界を代表する製品を輩出してきた日本の製造業界が、現在では人材不足/技術承継困難/国際的競争力の低下といった多くの根深い課題を抱えていることを憂慮。これらの課題に向き合い、産学官のあらゆるリソースを集結させる形で解決に挑戦している。
製造業界の現場を多く訪問する中で匠技研工業は、部品メーカー/材料業者といった多品種少量生産を行うサプライヤー企業において、部品や部材の値決めを行う見積業務が大きな経営課題となっている点に着目。この見積業務が、日々発生する高負荷のルーティーン業務であるにも関わらず、限られた一部の人材しか金額が算出できないケースが多いことを課題視し、解決に向けて「匠フォース」を開発した。
オールインワン型のAI見積支援システム「匠フォース」
匠技研工業の「匠フォース」は、製造業界における値決めを誰でも迅速かつ適切に行える、オールインワン型のAI見積支援システムだ。
同システムでは、独自の画像解析AIで類似図面を検索した上で、この類似図面を参照する形で見積を作成し、適正な値決めを支援する。「リピート案件とは知らずにゼロから見積を作成」といった作業の回避を可能にすることで、見積作業の負担削減を実現。企業それぞれのルールに基づいた見積計算や、見積項目の独自テンプレート作成にも対応している。
「匠フォース」は、図面管理/案件管理/見積書発行まで一気通貫で行うことができ、また過去の見積ロジックも併せて蓄積することで、見積ノウハウの属人化解消を可能にした。利用企業は、「脱・属人化」「脱・どんぶり勘定」が簡単に実現でき、付加価値を適切に価格転嫁することで持続可能な経営を行うことができる。
ジェネシア・ベンチャーズなどが第三者割当増資の引受先
匠技研工業が今回実施した資金調達では、既存投資家としてジェネシア・ベンチャーズと東京大学協創プラットフォーム開発が第三者割当増資の引受先として名を連ねている。
ジェネシア・ベンチャーズは匠技研工業について、日本の製造業をより魅力的なものにしていく企業であると評価し、今回の追加投資を決定するに至った。東京大学協創プラットフォーム開発は、「匠フォース」が製造業の底上げに貢献するものと評価。持続可能なモノづくり実現を目指す匠技研工業のミッション実現を目指すべく、追加投資に応じている。
なお匠技研工業の第三者割当増資では、新規投資家としてアニマルスピリッツ合同会社および個人投資家も参画している。
モノづくり企業の競争力の源泉となるプロダクトを提供
今回調達した資金により匠技研工業は、人材採用/プロダクト開発/拡販施策の強化を図る。製造業界の変革に共に挑戦するメンバーの採用を推進すると共に、製造業界に特化したAI・ソフトウェア開発領域への投資も今まで以上に加速する予定だ。
同社は今後も、経営的なインパクトの大きい見積業務を変革する「匠フォース」を起点として、モノづくり企業の競争力の源泉となるようなプロダクトを提供するとしている。
参照元:PRTIMES
製造業でのAI導入事例を詳しく知りたい方はこちら、また、製造業に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp