東工大発のAIベンチャー・Tokyo Artisan Intelligence、AIプラットフォームの量産開始に向けて1億円を調達
最終更新日:2022年12月23日
Tokyo Artisan Intelligence株式会社は、2022年12月21日、AIプラットフォームの量産開始に向けてシリーズBの資金調達を開始したと発表した。
同社は、AI技術の社会実装を推進している企業だ。今回の資金調達は、高性能のAIエッジデバイスを開発できるFPGAベースAIプラットフォームの量産が目的であり、三井住友海上キャピタル株式会社より1億円を調達している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- FPGAベースAIプラットフォームの量産を目的として、三井住友海上キャピタルより1億円を調達
- 東工大発のベンチャー企業として、AI技術の社会実装を推進しているTokyo Artisan Intelligence
- クラウド接続せずに高精度で画像認識を行うエッジAIのプラットフォームを開発。AI量産ビジネスを開始へ
人々がより豊かな生活を送ることができるよう、AI技術を開発
Tokyo Artisan Intelligenceは、東京工業大学発のベンチャー企業として2020年3月より活動を開始し、新しいコンピューテーション技術の創出とAI技術の社会実装に取り組んでいる。従来のICT技術では困難であった高度なタスクの遂行をAIの活用によって実現し、少子高齢化社会における人手不足や技術継承、また安心・安全などにおける課題の解消を推進。人々がより豊かな生活を送ることができるよう、サービスを通じた支援を提供している。
アカデミアにルーツを持つ同社はまた、産学官民連携を通じてAI技術に関するエキスパートの育成も展開。AIを簡便に使いこなす設計法が未だ確立していない現状を鑑み、AI設計を容易化する技術の創出にも取り組んでいる。
AIアルゴリズムを端末側で実行するエッジAIのプラットフォームを開発
Tokyo Artisan Intelligenceは、エッジAIに関する研究開発も進めている。エッジAIは、ディープラーニングなどを用いたAIアルゴリズムをクラウド上ではなく端末側(エッジ)で実行する技術を指す。
このエッジAI事業において同社は、クラウド接続せずに高精度で画像認識を行うエッジAIのプラットフォームを開発。開発に際しては、東京工業大学中原研究室で研究開発したニューラルネットワーク圧縮技術およびハードウェア実装技術が活用された。
同プラットフォームでは、リアルタイムかつ低消費電力のエッジAIの開発が可能となる。既に、産業機器/医療機器/製造装置/ヘルスケア/インフラといった領域での導入も進んでおり、顧客のニーズに合わせたソリューションを同社は提供している。
AI量産ビジネスを開始すべく資金調達を実施
こうした開発のノウハウを活かす形で、Tokyo Artisan IntelligenceはAI量産ビジネスの開始を企図。そのための資金を獲得すべく、今回の調達を実施した。
同社が新たに開発するAIプラットフォームでは、AI開発環境「TAI Compiler」をベースとして、長期間のAIシステムの運用に耐え得る設計を導入。多様な顧客のセンサに対応できるよう豊富なI/Oを持つFPGAも採用し、産業機器などの過酷な要望にも応える設計も施されている。インフラ企業や産業機器企業などと複数の実証実験を既に実施し、良好な結果も得ているという。
商社との連携も推進、追加の資金調達も実施予定
今回の資金調達によりTokyo Artisan Intelligenceは、AI量産ビジネスの展開と経営基盤の強化を進め、また昨今の半導体不足に対応すべく商社との連携も図るとしている。さらに、追加の資金調達実施も予定している。
この資金調達において投資を行った三井住友海上キャピタルは、Tokyo Artisan Intelligenceを高く評価しており、今回の投資も2021年9月に続き2度目となる。
参照元:PRTIMES
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