アサヒビール、丹青社「saguroot」がベースの生成AI社内情報検索システムを2023年9月上旬より試験導入
最終更新日:2024年08月26日
アサヒビール株式会社は、2023年7月27日、生成AIを用いた社内情報検索システムを同年9月上旬から試験導入すると発表した。
このシステム導入は、商品開発力強化やグループ間のイノベーション創出を目的とする取り組みであり、システムは株式会社丹青社のナレッジマネジメントツール「saguroot」をもとに開発された。「saguroot」は、日本マイクロソフト株式会社のAIソリューション「Azure AI」を活用したツールであり、社内で保有する膨大な資料やデータを一括で検索することができる。
<本ニュースの10秒要約>
- 丹青社のナレッジマネジメントツール「saguroot」から、生成AIを用いた社内情報検索システムを開発
- ベースの「saguroot」は、Microsoftの「Azure AI」を活用し、画像まで含めた全文検索が可能
- グループ企業に点在している技術情報を集約/整理、知見を活かした商品開発の強化や効率化などを実現
ジェネレーティブAIプロジェクトも行ってきたアサヒグループ
アサヒグループは、中期経営方針において3つのコア戦略を掲げている。そのうちのひとつについては「DX=BX(ビジネス・トランスフォーメーション)と捉え、3つの領域(プロセス/組織/ビジネスモデル)でのイノベーションを推進」と設定。この戦略設定に基づき、新たな技術の開発/活用に取り組んで来た。
新技術に関する取り組みを進める中でアサヒグループは、大規模言語モデルが近年驚異的に進化し、「ChatGPT」に代表される生成AIの技術発展が著しいことに注目。こうした技術の適切かつ有効な試行は、業務効率化のみに留まらず潜在ニーズの掘り起こしや新たな商品/サービスの創造につながると考え、2023年5月には「ジェネレーティブAI 「やってTRY」プロジェクト」を開始した。
同プロジェクトでは、アサヒグループ各社からの自薦による約100名の社員と共に、生成AI技術の活用に関する様々な試行を展開。生成AI関連の商用サービスを用いて社内業務への有効な適用について評価するなど、利活用に関する知見を蓄積している。
画像まで含めた全文検索を実現、検索結果の表示にもAIを活用
アサヒビールにおける生成AIを用いた社内情報検索システムの試験導入も、アサヒグループが掲げる「DX=BX」戦略の一環として実施される取り組みだ。
この取り組みでは、丹青社のナレッジマネジメントツール「saguroot」をベースとして開発されたシステムを、主としてR&D部門の社員を対象として導入する。「saguroot」は、AIソリューション「Azure AI」を活用することでテキスト/画像まで含めた全文検索を実現した検索システムであり、PDF/PowerPoint\Wordといった多様な形式の資料データに対して複合的な検索が可能だ。
「saguroot」をもとに開発されたシステムでは、検索結果の表示にもAIを活用。「Azure OpenAI Service」によって生成された100字程度の要約が、サムネイルや資料の概要と共に表示されるため、検索結果が目的と合致しているかを一目で確認することもできる。また同システムは、「Azure」の利用により情報が外部に漏れない環境を構築できる点も、利点となる。
グループの知見を活かした商品開発の強化や業務効率化を実現
生成AIを用いた社内情報検索システムについてアサヒビールは、将来的にはアサヒグループ全体での活用も視野に入れている。同システムによってグループ企業に点在している技術情報を集約/整理し、社員が効率的に取得しやすくすることにより、グループの知見を活かした商品開発の強化や業務効率化の実現も目指している。
また今後は、商品開発だけでなく全社員の業務効率化を目指し、様々なシステムへの生成AIの導入も検討するとしている。
参照元:PRTIMES
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