Dentsu Lab Tokyo、AI生成技術を用いた参加型バーチャルライブツール「LAIV」をstuと共同開発
最終更新日:2023年07月05日
Dentsu Lab Tokyo運営事務局は、2023年4月14日、AI生成技術を用いたリアルタイム参加型バーチャルライブツール「LAIV」のプロトタイプを開発したと発表した。
Dentsu Lab Tokyoは、株式会社電通が運営するクリエーティブのR&D組織だ。VR技術と画像生成AIを組み合わせることでアーティスト/参加者による双方向演出が可能なツールであり、Dentsu Lab Tokyoと株式会社stuが共同で開発している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- ユーザーがAIで生成した画像をパフォーマンスの一部に組み込み、双方向演出を実現する「LAIV」
- メタバースプラットフォーム「RemoteStudio」をベースに採用、画像生成AIをアドオンで組み込む
- 試験運用第一弾としてVシンガーのライブを実施、参加型のライブ演出が実現可能であると確認
新しいバーチャル空間上でのライブ体験を開発
Dentsu Lab Tokyoは、研究/企画/開発が一体となったクリエーティブのR&D組織として、デジタルテクノロジーとアイデアを展開する活動に取り組んでいる。新たな表現の開発と体験の創造、そして技術の社会実装コンサルティングを進めることで、社会課題の解決を実践。様々な企業/大学/研究所/アーティストとの連携も、積極的に進めている。
昨今、AIを活用したチャット機能や画像生成ツールが話題を呼んでいることに、Dentsu Lab Tokyoは注目した。同組織は、スポーツやライブパフォーマンス領域においても取り組みを進めており、新しいバーチャル空間上でのライブ体験を開発するにあたり、AIによる画像生成が有用と判断。その成果として、「LAIV」を開発するに至っている。
記入したテキストから画像を自動で生成、ライブ中の会場に投影
「LAIV」は、ユーザーがAIで生成した画像をライブパフォーマンスの一部に組み込むことにより、従来は難しかったアーティストとユーザーの双方向演出という新たな楽しみ方を実現したツールだ。
「LAIV」開発に際しては、stuが提供するホワイトレーベル型メタバースプラットフォーム「RemoteStudio」が、ベースとして採用された。stuは、新たなエンターテイメントの創造に取り組むコンテンツメーカーであり、「RemoteStudio」は柔軟に実行環境をカスタマイズできるプラットフォームだ。
この「RemoteStudio」に画像生成AIをアドオンで組み込むことで「LAIV」は、生成した素材をライブに取り込むことを可能にした。PCから参加するユーザーは、画面上から任意のプロンプト(テキスト)を記入すると、画像生成AIが自動で生成した画像をライブ中の会場に投影することができる。
ユーザーとアーティストの双方にメリットがある「LAIV」
ユーザーにとって「LAIV」は、より参加感のあるライブ体験が楽しめるツールとなる。生成した画像がライブ中にリアルタイムで使用されることで、より臨場感が感じられ、またユーザー同士のコミュニケーションも活性化される。さらに、生成の異なる演出によって同一の公演を何度も楽しむことが可能となる。
アーティストにとって「LAIV」は、より多様な視覚的演出を強化することが可能なツールとなる。テストライブでは、AIによる生成素材の使用枚数は1万枚を突破。ユーザーからの応援も、画像生成という新たな形で感じることができる。
AI技術を活用し、新しい表現の共創機会を開発
今回開発が発表された「LAIV」のプロトタイプでは、試験運用第一弾としてVシンガー「haju:harmonics」との共創型バーチャルライブが既に実施された。このライブでは、参加者が入力したプロンプトから生成される画像がライブ演出として投影され、参加型のライブ演出が実現可能であることが確認されている。
Dentsu Lab Tokyoは今後も、アーティストとユーザーが互いに影響を与え合って新しい表現を共創する機会を、AI技術を活用することで開発するとしている。
参照元:PRTIMES
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