パロアルトインサイト社、AI需要予測システムを搭載したアプリをリンガーハット直営店舗全店に導入

パロアルトインサイト社は、2024年3月12日、同社が株式会社リンガーハットが共同開発したAIアプリについて、リンガーハット直営店舗全店への導入が完了したと発表した。

パロアルトインサイト社は、日本企業のAI活用を支援しているAIテクノロジーカンパニーだ。同社がリンガーハットと開発したアプリは、AI需要予測システムをベースとする「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」であり、導入された「リンガーハット」「とんかつ濵かつ」の計492店舗にて在庫管理／スタッフ配置の効率化を実現している。

＜本ニュースの10秒要約＞

• シリコンバレー発のAI企業・パロアルトインサイトが、リンガーハットと共同開発
• AI需要予測システムをベースとする「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」
• 業務の負担軽減や判断精度向上を実現、食品ロス削減と人手不足解消の重要な一歩に

AIの民主化実現を目指しているパロアルトインサイト社

パロアルトインサイト社は、シリコンバレー発のAIテクノロジーカンパニーとしてAI活用の一貫した支援を日本企業に向けて提供している。AIの活用提案からビジネスモデルの構築、またAIそのものの開発／導入も手がけ、さらに「ChatGPT」を搭載したAI-OCRサービス「Vega」も展開。ボトムアップでAI技術を日本社会に浸透させることで、AIの民主化実現を目指している。

同社は、日本の飲食業界が長きにわたって人手不足という深刻な課題を抱えており、飲食店／宿泊業の欠員率は全産業と比べて2倍以上高くなっている現状に注目。この人手不足という課題は、AI需要予測による業務効率化で解決可能であり、さらには人件費や採用費等の削減にもつながると考えた。また、世界的に問題となっている食品ロスという課題の解消についても、需要予測による需要と供給の最適化が有効な対策になると判断。外食産業企業であるリンガーハットと共に、AI需要予測システムを組み込んだアプリ開発を行うに至った。

AIを搭載した需要予測システムをベースとして、アプリを開発

パロアルトインサイト社とリンガーハットが開発したのは、AIを搭載した需要予測システムを開発し、
さらにこのシステムをベースとした「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」を開発した。

需要予測システムでは、販売実績／気象情報／地域別情報から消費者の需要を予測し、在庫管理やスタッフ配置を効率化することで人手不足解消への寄与を実現。同システムは、災害時やパンデミックなどの非常時には直近のデータ変化を反映する機能を備え、自然災害や緊急事態への対応も可能となっている。

同システムにより稼働する「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」の実店舗導入は、店舗運営の経験を持つエキスパートをDX部署に起用する形で行われた。現場の深い理解を持つと共に、何が本当に必要なアップデートであるかを判断できる人材がハブとなることで、効率的にコミュニケーションを実現。さらに、従業員からの具体的なフィードバックによってAIシステムの最適化も進め、実業務への無理のない導入を可能にしている。

飲食業界全体にとって大きな前進になると自負

導入された「リンガーハット」「とんかつ濵かつ」の計492店舗にて「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」は、業務の負担軽減や判断精度の向上を実現。毎月10数時間を要していたというシフト作成業務については、わずか数時間で完了できるほど大幅な作業効率化を達成した。

リンガーハットにおけるこうしたAIシステムの成功は、飲食業界全体にとって大きな前進になるとパロアルトインサイト社は自負。食品ロスの削減と人手不足問題の解消に向けた重要な一歩にもなると考え、今後も様々な産業でAI支援を提供することで社会課題の解決に寄与するとしている。

参照元：PRTIMES

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