「工場×AI」のRist、製造業向け外観検査自動化システムのAI技術開発においてオムロンと協業へ
最終更新日:2023年11月01日
株式会社Ristは、2023年9月5日、画像処理システム製品のAI技術開発に関する協業基本合意書を、オムロン株式会社との間で締結したと発表した。
Ristは、「工場×AI」をコンセプトとする画像AI事業「Deep Inspection」などを展開している企業だ。今回開始する協業は、オムロンの製造業向け外観検査自動化システム「FHシリーズ」の開発を目的とするものであり、Ristが開発した画像AIモデルの学習・評価・推論ツール「RPipe-Image」が活用される。
<本ニュースの10秒要約>
- 「工場×AI」をコンセプトとする画像AI事業「Deep Inspection」などを展開しているRist
- 協業により、オムロンの製造業向け外観検査自動化システム「FHシリーズ」のAI機能を向上
- Ristの画像AIモデルツール「RPipe-Image」が活用、AIの判断を人の感性にさらに近づける
AIシステムの社会実装を加速させているRist
Ristは、社会/顧客の課題解決や価値提供に取り組む形で、AIシステムの社会実装を加速させている企業だ。画像AI事業「Deep Inspection」とデータ分析事業「Deep Analytics」という2つの領域で、顧客のニーズにマッチした多様なAIシステムをオーダーメイドで開発している。
画像AI事業において同社は、製造業のクライアントに向けて外観検査AIシステムを多数提供。オーダーメイドのAI開発によって目視検査を自動化し、人員負荷や労働力不足の課題を解決してきた経緯を持つ。また、こうした実績を活かして画像AIモデルの学習・評価・推論を行うソフトウェア・ツール「RPipe-Image」も開発。この「RPipe-Image」は、国内の検査機器メーカーにおいて外観検査装置への組み込みAI開発の内製化が活性化していることを受け、外観検査装置に組み込むことを前提に開発されている。
欠陥をスキルレスに安定検出できる「FHシリーズ」
Ristが今回協業を開始するオムロンは、多様な製品開発を手がける電気機器メーカーであり、製造業向けに画像処理システム製品「FHシリーズ」も販売してきた。
「FHシリーズ」は、「人の感性」や「熟練者の経験」を再現するAI技術を既存の画像処理システムに搭載することで、これまでは検出が困難だった欠陥をスキルレスに安定検出できるシステムだ。キズのサンプルなどを学習することなく欠陥を認識する欠陥抽出AI技術も搭載することで、より人の感性に近い形でキズ・欠陥の検出を自動で行うことができる。
「FHシリーズ」を展開する中でオムロンは、企業が外観検査装置に求めるニーズが多様化している現状に対応するために、同シリーズのさらなる機能向上が必要であると判断。そのため、既にトライアルで利用していたという「RPipe-Image」の開発元たるRistとの協業を決定するに至った。
AIによる判断を人の感性にさらに近づける
今回の協業基本合意書締結を経て両社は、「FHシリーズ」のAI機能の向上および技術開発面において連携を進める。具体的には、多様な外観検査に対応可能な「RPipe-Image」を用いてAIモデルを開発し、このモデルを「FHシリーズ」と連携させることで、AIによる判断を人の感性にさらに近づける予定だ。
Ristは今後も、労働人口の減少や技術継承課題などに対してAI技術の提供によってアプローチを進め、AIの普及に貢献するとしている。
参照元:PRTIMES
製造業でのAI導入事例を詳しく知りたい方はこちら、また、製造業に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
外観検査の重要性、意義、手法種類についてこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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