コールセンターAI「ForeSight Voice Mining」が進化。次世代AIで顧客の音声認識精度が劇的向上
最終更新日:2024年08月30日
NTTテクノクロス株式会社は2024年8月29日、コールセンターAIプロダクト「ForeSight Voice Mining(FSVM)」の新バージョンを発表した。
2024年8月30日から提供開始される新版では、次世代メディア処理AIとの連携により、顧客側の発話内容の音声認識率が最大9%向上。話し言葉やくだけた表現の認識精度が大幅に改善され、コールセンター業務の効率化と顧客体験(CX)の向上が期待される。
本アップグレードにより、FSVMはさらに高度な音声認識サービスを実現し、電話応対業務の品質向上に貢献する。
<本ニュースの10秒要約>
- NTTテクノクロスのコールセンターAI「ForeSight Voice Mining」が次世代メディア処理AIと連携し、顧客音声の認識精度を大幅向上
- End-to-End音声認識技術の導入により、少ないデータ量で高精度な音声認識を実現し、業務効率化とCX向上に貢献
- 新バージョンは2024年8月30日から提供開始。今後は感情情報との組み合わせや生成AIとの連携による機能拡張も予定
FSVMの新バージョンの特長と技術的背景
FSVMの新バージョンの最大の特長は、次世代メディア処理AIとの連携による顧客側音声の認識精度向上だ。従来、コールセンターへの問い合わせでは、周囲の雑音や話し言葉、くだけた表現などにより、顧客音声の認識精度向上が課題とされてきた。
新バージョンでは、NTTの研究所が開発した次世代メディア処理AIを活用し、End-to-End音声認識技術を導入することで、これらの課題を克服している。End-to-End音声認識技術は、音声データ入力からテキスト出力までをオールインワンで実現する技術で、従来よりも少ないデータ量で高精度な音声認識を可能にする。この技術により、顧客側の発話内容の音声認識率が最大9%向上し、話し言葉やくだけた表現の認識精度が大幅に改善された。
FSVMの機能と活用事例
FSVMは、音声認識技術、感情分析技術、言語解析技術を統合したコールセンターAIプロダクトだ。主な機能には、通話内容のテキスト化や要約、通話内容に応じたマニュアルの自動表示、通話のモニタリング機能などがある。
これらの機能により、コールセンターや自治体などにおける電話応対業務の応対力向上を支援し、顧客体験(CX)の向上を実現する。
今後の展開と市場への影響
NTTテクノクロスは、FSVMのさらなる機能拡張を計画している。具体的には、認識テキストと次世代メディア処理AIから得られる感情情報を組み合わせた通話情報の可視化や、認識テキストと生成AIを組み合わせたより高度な機能の提供を予定している。
これらの機能強化により、コールセンターの業務効率化やCX向上への貢献度が一層高まることが期待される。
AI Market の見解
FSVMの新バージョンは、コールセンター市場に大きな影響を与える可能性がある。
特に注目すべきは、End-to-End音声認識技術の導入による少データでの高精度化だ。これにより、導入コストの低減と迅速な運用開始が可能となり、中小規模の企業でもAI活用の敷居が下がる。また、感情情報との組み合わせや生成AIとの連携予定は、単なる音声認識から、より高度な顧客対応支援へとAIの役割を拡大させる可能性を示唆している。
総じて、FSVMの進化は、コールセンター業務のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、顧客サービスの質的向上と業務効率化の両立を実現する重要な一歩となると考えられる。
参照元:NTTニュースリリース
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